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戦争? ……戦争 まぁ、戦争

感想、ブクマ、ポイント、いいね、誤字報告ありがとうございます。


暇つぶしにでも見てってくれたら幸いです。

 ロシア帝国からニコライ王子がやって来て帰ってった。オスマン帝国と大日本連合帝国の関係深化を警戒した為である。名目は 麗那(レナ)川西岸日本領までロシア帝国のシベリア鉄道がでけたから。

 なんか冰海(バイカル)湖まで来てて絶妙に満州を狙ってそうだった。その為か今はモンゴルに手を伸ばしてるらしく清朝は何かピリピリしてる。


『さて続いては朝鮮で起きた内乱について続報です。宗教反乱の様相を呈している模様で対馬と湊(済州)島に軍を派兵する事となりました。特に湊(済州)島は既に何度か朝鮮の海賊が出没しています』


 電子映像箱(テレビ)時勢報道(ニュース)の報告員(キャスター)が語っていた。対馬と湊(済州)島の周辺地図が映される。


 湊(済州)島は三百年前に朝鮮使節事件。通称は犬釘盗難事件。線路を固定する犬釘を朝鮮使節の一人が盗み脱線事故が起き、朝鮮使節内の権力闘争の延長でなすりつけあいになって、責任問題が捩れに捩れて織田幕府が怒り朝鮮沿岸部を襲った。その際に兵糧攻めの要領で朝鮮人全員を追い出し沿岸襲撃の拠点にしたのだ。

 そうして沿岸部を襲ってたら明の軍船が攻撃してきたので全部沈めて同じ様に沿岸部を襲いまくった。そしたら音を上げた明が講和とか言って来たので受け入れたら何か領土になってた島の一つである。

 現状では主に朝鮮半島の監視、海賊撃滅の拠点として用いられていた。


 そして最近の時勢報道(ニュース)でチョロっと出てた駐大日本連合帝国清大使が映される。


『清国は鎮遠を派遣し騒乱を鎮めると声明を出し、汪大使は迷惑はかけないと言っていますが政府は懸念を表明しており……』


 大日本連合帝国は警戒しつつも静観の立場を取ったが騒乱の最中に日本漁船が故障し朝鮮半島に漂流。今までは軍艦を送って救援に向かっていたが宗主国である清朝へ問い合わせたところ話が拗れ対応が遅延。漁師が殺され流に至った上に清朝に漁船の返還拒否までされてブチ殺す事にした。


 グレート・ブリテンとか色んな国に報告の上で宣戦布告し、清朝と朝鮮シバく日清戦争の開幕である。大日本連合帝国日本州五畿内三畿県摂河泉神宮。大阪城と御所の間に造った政務所だ。


「ハイ。じゃあ尾張型戦艦を五隻。これを主力として四個艦隊を編成します。空軍も陸軍も控えさせておきますが死なない様にしてください。

 一先ず沿岸部と船を撃滅します。被害者を殺しやがった村は更地にしましょう」


 青筋ピキらせながら言うのは大元帥の内藤電斎忠持だった。と言うか参加してる人間全員馬鹿ほどキレてる。それも当然の事であり大日本連合帝国の大体キレとる感じ。

 清朝が宗主国として動くつったから待ったら戦争中でもねぇのに一般人を倭寇だっつってブッコロされた。待った結果ブッコロされた上に大日本連合帝国の船を調べる為か返還拒否とかナメてる、ので。


「死なない様に殺しまーす」


 さて大日本連合帝国は戦争を知らない。世界中の戦争情報を掻き集めてるが実践経験が無いのだ。だから限度とか知らねぇって言う。


 その上で無駄に金と技術と熱意と資材のある連中が準備しちゃうと。


 娯楽と食事に加えて医療を提供する飯盒艦。

 拳銃から大砲の弾と炮烙魚雷も積む給弾艦。

 船舶燃料から航空機燃料まで積んだ給油艦。

 石炭と可燃気体に加え帆布も積んだ給炭艦。

 整備補給を主目的に大概沈ませない工作艦。


 水面下に潜み炮烙や魚雷を叩き込む潜水艦。

 速度と火力モリモリの全てを沈める駆逐艦。

 駆逐艦に強力な索敵能力を付与した迎撃艦。

 莫大な量の炮烙火矢を運搬射出する射出艦。

 偵察用と攻撃用の無人機を乗せ操る機母艦。

 無人潜水艦の運搬と遠隔操作を担う潜母艦。

 陸海空宇軍の情報を整理伝達を担う情報艦。

 海上の作戦指揮を行う司令室である司令艦。

 ガチガチ装甲とバカデカ大砲でボコる戦艦。

 航空機ギチギチに載せて制空権を得る空母。

 使いたく無いけど最悪全部任せちまう原潜。


 ロボットアニメの敵役も真顔でバカじゃねーのと言うマジでバカみてぇな艦種数で、当然だが維持費用とか極めてアホである。いくら鉄工所止めたく無いからって、船体を戦艦の物か油槽船(タンカー)を流用してるっつって、余りにも過剰で無茶な話でしか無い。マジ一番数が少ない原潜でも六隻とか言うギャグな有様だが大真面目。


 織田信長の頃からの戦訓。練度と数で潰すの体現だった。でも今回は戦艦しか使わん。


「先ず敵の主力は定遠と鎮遠。ドイツ帝国製の戦艦だ。後はほぼ沿岸警備用の砲艦」

「……駆逐艦で良いのでは?」

「タタンカ大将。同感だが……一応な。尾張型であれば万一の怪我人も出んだろう?」

「それはそうですな。そこは安心できます」


 用心深いんだかナメてんだか分からないがそれだけ実践経験がなかった。馬鹿みたいに訓練はしてるが大日本連合帝国の状況的にしゃーない。尚、定遠も鎮遠も九五目取(95メートル)も無いが日本の現在の主力駆逐艦島風型は百五十目取(150メートル)くらいな感じ。

 石油の節約で島風型は百隻くらいしか無いが内二隻で十分過ぎるってか過剰っちゃ過剰。何なら船体同じで石炭燃焼式の秋月型、補助や輸出用に機器の性能は落とすが代わりに安価で整備しやすい物にし松竹梅の三つの型、この辺を加えたら三百隻くらいはある。

 でもこの辺は海防に必要だからあんまり出せないって言うか出したく無いって言うか、指揮煩雑になるって言うか過剰。


「だから取り合えず|尾張型戦艦《色々モリモリ大和型戦艦》で艦隊潰してからだな。鉛玉と火薬なら金もそんなんにかからん。仇討ちが終われば信忠公のやった唯の嫌がらせを続けるだけだ」


 て、訳で。


 全長三百五十目取、無人制御五十線智砲三機九門、無人制御迎撃用単装砲六機、無人観測機二機、衛星通信機、電探機など。なんかデカくてツヨいデカツヨな大和型戦艦っぽい何かが日本州に二十隻集まった。


 日本州から尾張、美濃、武蔵、備前、越後。赤嶺州から鉄前、翠浜、惹深、朱後、中原。

 蓬莱州から大浜、永浜、駒知、油湧、金嶺。

 東山州から牛前、蛟河。

 北奥州から友温。

 八寒州から獄庫。

 白地州から白虎。


 織田将軍家、織田御三家、五津田家、太宰権帥家、大老家あたりが治めた旧国名から取られた二十隻だった。奥東州は人だけ派遣して東山州の蛟河に乗る。


 二十隻の巨大戦艦達が集まるなどメッチャ稀有で折角なんで観艦式やった。海を割り空をも撃ち抜き陸を沈めんばかりの偉容である。当然だが戦艦以外も行進する訳で。

 もう世界が大日本連合帝国の軍事力で染まった様な光景。この年に発売された百五十分の一観艦式模型セットは男の子みんな買った。


 海軍だけってのもアレだから陸海宇の軍も観艦式の後で馬揃え(軍事パレード)やって、軍用機という軍用機が走って飛んで四軍の歩兵が行進する。


 折角なんでお誘いしたグレート・ブリテン駐日大使は「本当に戦争を知らない国である」と呆れと感嘆を混ぜた感想を本国に送った。


 で、その頃。


 司令艦では元帥の真柄十郎左衛門直勝が立っていた。彼の乗る司令艦は敢えて艦隊が見れる位置に停泊している。司令艦の前では海の上に二十隻の戦艦が目標に覆い被さるように扇状に布陣している。


 元帥は大きな身体に見合った大きな手で直通の通信機を手に取った。


「提督。本庄副司令も準備万端。君の砲撃が開戦の合図だ」

『了解しました司令』


 旗艦尾張の第一艦隊大提督の北畠具持が通信機を戻して副官に問う。


「観測どうか?」

「既に情報艦の本庄副司令より送られて来てます。衛星画像を表示します」


 空からの光景が艦内電子映像板(モニター)に映った。


「よし。目標固定。同期させろ」

「はい。目標固定、同期開始。繰り返す。目標固定、同期開始」


 尾張型戦艦の陣形は曲線を描く縦陣。巨体故にそれなりの距離を取っていて左右の端に布陣する艦は豆粒の様だ。海上に連なる黒鉄の城の砲塔が一斉に寸分違わず動き出す。


 穏やかな海の上の船首に輝く黄金の菊の御紋が輝き正面から見える六本の砲身が上向いて高らか。


 ピタリ。


 とは、ならない。波と風に合わせる様にユラユラと砲身が揺蕩う。四万目取、四十粁目(40キロメートル)の目標。


「砲撃開始」

「砲撃開始、繰り返す! 砲撃開始ィッ!!」


 二十隻、六十機、百八十門。


 海面を殴り付けて白煙を残し一発一噸(1㌧)五百阡具《500㌕》、即ち総重量二百七十噸(270㌧)が降り注いだ。


 沿岸部の小舟しか無い様な村。小さな木造の帆船の中で異常に目立つ大型の重油燃焼式の大日本連合帝国の漁船。その漁船を除いて全て吹き飛ばす。


 数十並ぶ土壁のボロ小屋、浜の近くに干してるらしき魚、使えるのか怪しい小舟。


 一斉射で近場の禿山諸共消えた。


「回収開始」

「旗艦尾張より司令艦へ。回収班、行動開始を要請。繰り返す回収班、行動開始を要請」

『司令艦、了解。陸軍へ通達を受理』


 穴ボコになった大地に陸軍所属の強襲揚陸艦と螺旋翼機(ヘリコプター)が突っ込んで行く。兵士が漁船周りで警戒しつつ遺体を回収して揚陸艇牽引船が漁船を回収すれば即座に撤収。


『司令艦より通達。回収完了、繰り返す回収完了。以降は指揮権を移譲する』


 北畠提督は通信機を取り。


「こちら北畑。指揮権移譲、了解」


 それだけ返して電子映像板(モニター)を見れば衛星から送られた映像。


「清朝艦隊は天津(テンシン) か」

「敵全艦艇が既に集合している模様です」

「それは困ったな。天津(テンシン) と上海(シャンハイ)はグレート・ブリテンの租借地があるから攻撃出来ん。篭られたら面倒だ。

 まぁ一先ず全艦隊に作戦通り青島(チンタオ)へ向かうと伝えろ。補給を忘れない様に言っておけ」

「は、全艦隊。こちら旗艦尾張。旗艦尾張」


 大日本連合帝国艦隊は補給の後に朝鮮半島から離れて対馬と壱岐の間を通って東シナ海まで進み黄海へ入る。そのまま駆逐艦二隻だけの第五艦隊で青島(チンタオ)に艦砲射撃を叩き込む。


「……動かんな」


 北畠提督が雑煮の餅をミョョ〜ンと食べながら見る電子映像板(モニター)は天津(テンシン)の艦隊群。


 大日本連合帝国としては「青島(チンタオ)あたり更地すれば救援のために動かざるを得んやろ。それもデカいけどたった二隻なら釣れるんじゃね?」的な考えだったが無理だったっぽい。

 船と言うのは動き出すのに時間がかかる物だが石炭燃焼式でも一日あれば十分。もう動くやろなって思ってから既に二日目だ。


 天津(テンシン)にいる艦隊。定遠、鎮遠。揚威、超勇、靖遠、経遠。来遠、至遠、済遠、広甲。平遠、広丙、福龍。


 船どころか軍人。あとは作業員も。だーれも動かん。動かんってか準備すら始めない。慌てもしない。


「提督、電信が壊れたのでは?」

「ムグ……まさか。いや警戒し過ぎて清朝のことは分からん。それこそ情報はグレート・ブリテンの物が多いがそれは無いだろう。さて困ったな」

「作戦を前後させて沿岸部を叩きますか?」

「そうしよう。第五艦隊に連絡を」

「は!」


 適当に単艦運用で近場に砲撃かましてたら二日ほどで漸く映像に変化があり清朝艦隊が動き出した。天津(テンシン) から出て渤海を進み黄海へ向かう前に威海衛に寄って出て来るのを待った。


「出てきたな。全艦隊前進。砲撃開始」

「全艦隊前進、砲撃開始。繰り返す全艦隊前進、砲撃開始」


 威海衛沖海戦である。後に経緯報告書を受け取ったグレート・ブリテンの将官が呟いた別名レビアタンズ・ワンショットキルってのが通りが良い戦いだった。


 端的に衛星データとドローンで情報収集。戦艦二十隻が清朝それぞれに発射。その一斉射撃は弧を描いて降り注ぐ。


 で、消滅。


 以上。


 まぁでも報告書ではそうでも戦場だと、ちょっとリアクションは変わるもので。


「砲撃を続け炮烙火矢(ミサイル)の準……うん?」


 北畠提督が首を傾げた。電子映像板(モニター)を凝視する。水柱と飛沫が視認性をブッ殺し何なら降り注いだ二百七十噸(270㌧)の所為で軽い津波まで起きた。ボヤけた映像が晴れていく。皆んな首を傾げた。


 マジで何も無かったのだ。


 もうちょっと画面を近付けてれば話は変わるが、中央電子映像板(モニター)では敵軍と自軍を上から衛星で録画してる映像が流れており、敵味方の四十粁目(40キロメートル)程の交戦距離を中心に広い範囲で写していた。


「観測機の映ぞ、うわぁ……」


 埒が明かないんで北畠提督が別の電子映像板(モニター)へ向ければ酷い物を見た。


 装甲艦やら砲艦やら。大概はリベットと言う穴開けた鉄板を重ねて、その穴にバカ熱したキノコみてぇな鉄棒突っ込んで両面から圧縮する感じで船を作る。要は鋲打ち。

 これは大日本連合帝国でやってるアホ程に電気バチらせて部分同士の接着面部分をトロトロにして接合させてる溶接分担組立(ブロック)工法とは違う物だ。

 リベット接合は衝撃を受けると鉄板止めてるリベットがブッ飛ぶ。すると接合部に大きな隙間が開き繋げてる鉄板が丸々剥がれたり、酷いとバラバラになって船がそのままポッキリいってまう。本当にアレな話であれば魚雷どころかエグい大波が叩きつけられリベットが弾け飛ぶ事もあった。


 まぁ今回の場合はどの清朝艦も一噸(1㌧)五百阡具《500㌕》の砲弾を少なくとも四機十二門から、最低重量ザッと十八噸(18㌧)を一気に叩き込まれてるんでンなモン関係なく木っ端微塵なったんだけど。

 で、光景であるが。浮く物だけ浮いてた。木片や板材。物だけで者は無い。沈んだ物的証拠だ(・)け(・)。


「……一応、救助に向かわせろ。戦果確認にしかならんだろうがな。各艦隊主力は順次補給に入れ。その後は艦隊毎の作戦行動に移る。

 清朝の船舶を発見次第撃滅。清朝が降伏するまで疎開地を除く沿岸部を砲撃だ」


 正味ただの嫌がらせである。清朝の土拉子から泉州辺りまでを四分割して各艦隊の駆逐艦で清朝および朝鮮船を臨検、確認の後で追い返して尾張型戦艦で港という港を穴ボコにするだけだ。これを清朝が根を上げるまで適当に続ける感じ。


 凡そ泉州までなので広州は関係ないが南京条約や北京条約で欧州が来るようになった場。ザッとで福州、廈門、寧波、上海、天津、牛荘、登州、漢口、九江、鎮江と結構気を使うので面倒いが他の手が無かった。でもバチクソにナメられたからしゃーない。


 絶許。


 ただ心配の割には早期決着した。各国から観戦武官の派遣を求められていたが到着前に吹き飛ばし尽くしちゃったのである。船も港も使用不能にしたった。


 グレート・ブリテンの仲介で下関条約を締結して遺族への補償金と船舶と撃った砲弾の返還、また大日本連合帝国への賠償、清朝各所における大日本連合帝国とグレート・ブリテンへの市場開放、朝鮮半島の独立と緩衝地帯化および不干渉、清朝および朝鮮半島での治外法権、などなど色々と決まった。


『砲弾の返還が難しく賠償も払い切れないという事で清側は譲歩を求めており、大使から朝鮮の割譲などの発言があったようです。

 帝国政府は鉱物資源などの代納で良いとの返答をしたようですが清朝は輸送手段が無くグレート・ブリテンの——』


 ブツっと電子映像箱(テレビ)が消えた。遠隔操作機(リモコン)をポチった男が溜息一つ。


「関わりたくないですねぇ……」


 遠隔操作機《リモコン》を置き言う内閣総理大臣の出寧ゴヤスレイ。蓬莱州出身の羽人系日本人である。先祖はヌエバ・エスパーニャから送られて来た蓬莱人。また蓬莱嫁取り合戦で有名な内藤鉄三郎忠広の家老の一人として仕えた者が居る。

 政治学職業学校の卒業後に蓬莱州政府で活躍してホデノショニ(イコロイ)連邦との調整役として抜擢。帝国政府のメキシコ合衆国駐在大使として活躍の後にパナマ運河の建設中の調整役として活躍。渋沢栄一の進めで逓信大臣を務めた後に内閣総理大臣となった経歴の持ち主である。


「負債の押し付けでしょう」


 清朝と交渉した外務大臣の報告を思い出して出寧ゴヤスレイはマジでキレそうになった。というか大日本連合帝国の話を聞いた乃至は報告を受けた人間は割とピキってる。マジもう一回戦争するかガチで聞くくらいにはピッキピキ。

 例えとしてアレだがスッゲー雑に言えば「畑あげるから慰謝料まけて」だ。尚、畑と書いて耕作放棄地と書く。それも獣と毒草毒虫がいっぱいな感じの耕作放棄地。

 有体に言えば物々交換とかやってる国に市場と言える程の価値がねぇ。資産とか資本を保有してねぇような場所に行政官を派遣してインフラを整えるとか如何な大日本連合帝国とてやる気起きん。そんなトコに投資するくらいなら投資すべきところはある。雪のヤバい北奥、白地、八寒、奥東の北方四州に金掛けるべきだ。インフラの手入れは大変な物なのだから。


「しかし、防衛的な観点から見れば不要とも言い切れませんよ」

「鉄礬ヶ原軍務大臣」


 赤嶺内藤家の鉄礬ヶ原絹次郎左衛門忠益である。軍務経験があるが雰囲気がチャラついた波乗り者(サーファー)っぽい雰囲気があって日焼け凄い。

 でも根は真面目で鯱ペットにしてる。赤嶺の指定保護文化の一つ、鯱と人間の協力捕鯨にイかれた金額出資して、定期的に愛鯱の十文字と一緒に鯨漁しに帰ってた。好物は鯨の竜田揚げ。

 愛鯱の十文字と一緒に過ごす為に海辺の屋敷に海と繋がる巨大水槽を併設させ、ついでに水族館を運営する今代の内藤家の血筋で変人十傑の一人である。


「端的に清朝が朝鮮を飲み込めば面倒な事になります。もし欧州の国が植民地とすれば喉元に突きつけられた小太刀に他ならない。大日本連合帝国を敵とすれば嬉々として助力するでしょう」

「とは言え任せられるとすればグレート・ブリテンになりますが」

「……それはちょっと申し訳ない」


 せめて清朝くらいの資本。この場合は国じゃ無くて民。商売に足る経済基盤がないと赤字ってレベル超えちゃう。

 大日本連合帝国でキツい感じである。遠い欧州からって考えたくもない。

 みんな考えた。考えたけど良い案は出ない。溜息を一つ。


「不干渉。これが最良だろう。君の御先祖の大鬼様も言ってたそうだし」

「各国大使に通達しておきますか」

「それと炮烙火矢(ミサイル)迎撃機能(システム)の拡充もしておいてください」

「監視はどうしますか」

「他国の目もあるでしょうから潜水艦で」

「分かりました」


 人、これを思考放棄と言う。これは戦国時代が終わってから内藤長忠(チート転生者)が文禄慶長の役を嫌ったのが理由で有る。スッゲェ雑に言えばだが。

 投資したところで立地的に明朝と天秤にかけられる。織田幕府としてはある程度の国家よりは村社会の方が友好関係を築き易い。また赤嶺や蓬莱の方が農業とかやり易いのを確認してる。特に蓬莱はイスパニアより先に赤嶺人や蓬莱人と友好関係を結ぶべき。南方の諸島と関係を持って海路防衛に徹した方が維持費が掛からない。

 とか色々言った為に織田幕府は朝鮮とは関係を完全に絶ってた。明朝から清朝になっても交易地は台湾となり港としても発展しなかったのだ。


「もう少し発展したら考えよう。港も無いし。うん」


 っていう。


 それに日本州は積替(ハブ)港である。民棚尾(ミンダナオ)道、台湾道、三畿県、武蔵県、越後県、蝦夷道という歴史あるアホでかい港が経済的要衝として稼働してるのだ。西からの積荷を整理して太平洋の各地に輸送するのは大事な飯の種だった。

 日本州は政治中枢だったり技術研究の中心だったりする。だがいかんせん経済的な規模で水以外の資源がない。だから港として成長すれば競合する可能性があるのだ。


「で、如何しましょうか」


 ほんで内閣総理大臣の出寧ゴヤスレイが真顔で言った。話振り出しに戻っちったもんだからしゃーない。


 大臣達が頭を捻る。


「モンゴルでも独立させます?」

「ロシア帝国が狙ってる。手を貸したいとは思うがややこしい事になるぞ。ついでに言うとチベットも清朝を刺激し過ぎるからダメだ。当然だがフランスの阮朝もだ」

「だいたい土地なんて要りませんよ。石油でも出れば話は変わりますが」

「……地下資源ほじくり返して持って来させるか?」

「何年かかるやら。それとも港や重機を送ってやるとでも?」

「前言撤回」

「欧州に借款させてみては? 大日本連合帝国としては関わる気は有りませんが。というかそうしないと何時まで経っても賠償の支払いが終わらないでしょう」

「そうするしかないか。面子が立たちませんから」


 と、言う事でグレート・ブリテンとかフランス共和国に事情を通達。

 大日本連合帝国は手間をかけるグレート・ブリテン等に敵意が向かないように清朝の特使に「ウッセー金払えバーカバーカ(意訳)」つって正論で殴る。

 んで清朝は借款を受けまくって色んなトコを租借して金を払った。


「じゃあ次は生産的な話を。北方四州の地下電磁列車の話です。陸荷挙猛駄貨(リニアモーターカー)の筒に並走する形で鉄道と道路を通そうと思うのですが」


 ともかく大日本連合帝国は勝ったから良しって感じで次はシム◯ティしてた。さっきまでハーツ・オブ・アイ◯ンしてましたやん。

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― 新着の感想 ―
ぶちギレついでに実際のところ暇だったからここまで集まっただろ日本軍 限度分からないってレベルじゃねぇ!
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