(頭)やわらか国司のアホなるファンタジー
例えば怨み、例えば怒り、例えば妬み、例えば嘆き、例えば恐れ、例えば憂い、例えば怯え。
不審と恐怖が焦燥を産んだ。
猜疑、狂奔、切迫。
花の都パリは地獄と化した。
誰が悪かったか。王か、貴族か、聖職者か。国民の代表とされた富豪か、市民か。
都の有様と状況で王が意固地になり不信を覚えるのは当然だろう。貴族が奢っていたのはそうだろうが貴族の全てが悪だったわけじゃあない。聖職者というのは既に影響を及ぼす程の力を喪失していた。国民を代表したのは貴族程に統制力を得られない富豪である。飢えの中で死が迫る市民が怒り狂うのは仕方がない。
仕方がないのだ。地獄というのは。個でも集でも始まって仕舞えば如何しようも無い。
貴賤とは元来は集団全体の為に命をかける者か如何かだった。それが集団全体を維持継続する差配が加わったのである。元は命をかけるが為の特権だ。
が、その貴賤を否定し暴力を振るう民衆を王が信用出来る筈もなく、ヴァレンヌ逃亡事件という判断ミスが起きた。ミラボーという王と議会のバランサーが病死すると言う不運が重なれば現状も然もあらんと言うべきだろう。
だが市民を始めとした王を信用していた者からすれば隠匿と逃走は裏切りであるし、外国軍の元へ行くのは外患誘致と言えば否定は出来きぬ所業、フランス議会から王への信頼は砕かれ後は転がり落ちた。
マリー・アントワネットの兄ちゃんがフランス王家の身を案じてパドヴァ回状を発し欧州全体へのフランス王家救援を呼びかけた。これはフランス王家のみの安全に言及した物で結果的にオーストリアとプロイセンの協調関係を結ぶ以上の効果は無かったがピルニッツ宣言の先駆けのような物だ。
そのピルニッツ宣言も言ってしまえばフランス王家に手を出すなという声明だったが、テンションがブチ上がっちゃったのか意図的なのかは不明だが、ルイ16世王弟や亡命貴族、彼等の発した革命への非難声明によりフランス国内では欧州全てが王家の為にフランスを攻撃すると受け取った。
妥協的に立憲君主制となっていたフランス国内は交戦派と非戦派に別れるがルイ16世は貴族、即ち軍事指揮官の減少したフランスが他国に勝てる訳が無いと見ていた。そこで敢えて交戦派を任命する事によってフランス軍の敗北、これを以って革命議会から政治の主導権を取り戻せると考えたのである。
そして王の想定通りフランス軍は敗北を続け国民は切迫し、革命政府から要請された革命非協力聖職者の追放と兵の徴募およびパリ駐屯を拒否、更に交戦派を罷免した事で民から王への信用は失墜するに至った。
王宮を襲撃するに至り市民と言うよりは暴徒と言うべき群衆が自分の家に大量に押し入った事に恐怖した王妃マリー・アントワネットは、フランス軍をボコって近くにいたプロイセンに威圧を依頼し身の安全を計る。それによってプロイセン軍元帥ヴラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公カール・ヴィルヘルム・フェルディナントの声明が発布。内容を要すれば「フランスはフランス国王に服従しやがれ。国王一家に手ェ出したヤツ全員ブチ縊り殺したるからな」である。
これに王制の支持派も非支持派も問わず国王の国家への裏切りとして受け取り激昂。何故なら国王ルイ16世の敵国との内通が疑惑から確信へと変ずるに余りあると考えられたからだ。これによってフランスは国王ルイ16世を立てた立憲君主制から共和世へと舵を切った。
国王一家はタンプル塔に移され、元は国王一家の中で最も好感度のあった王本人、彼の裁判が行われると言う噂が流れている。
最終的に民衆が自分たちの首を落とす事になるとは思わずに、裏切者を恐れて恐怖を求める不穏な空気が今のパリを包んでいた。
「ムッシュ、イシダ。遅くなって申し訳ございません」
ランブイエ城の一画に建てられた日本館の一室に顎細く頭でっかちな印象を受ける男が着座した。ピエール・アンリ・エレーヌ・マリー・ルブラン=トンデュ。フランス革命政府の外務大臣が汗を拭きながら日本特使を見た。
現在彼はグレートブリテンやイスパニアとの開戦回避に精を出しているが、諸外国の中で最も開戦を避けるべきだとされているのは日本だ。
これは革命政府の大多数の認識においては聖職者の特権剥脱によりローマ教皇ピウス6世からも敵対視された革命政府の命綱足りうる故である。
そして対面の駐フランス奉行は石田左吾左衛門忠三と言い石田三成の直系だった。
「ムッシュ、トンデュ。返済期限が迫っております。如何程集まりましたか」
石田左吾左衛門忠三は鉄面皮で問う。感情の起伏ゼロって感じの顔だ。ルブラン=トンデュは若干口を引き攣らせつつ。
「その事についてだが返済期限の延長をお願いしたい。恥ずかしながら見ての有様でプロイセンとの戦いも続いている。我が国と貴国の長年の友好を以って配慮頂けないか」
「ブルボン家とは長い友好を結んで参りましたが共和国政府は成り立ったばかり。何より我等が王家と結んだ約定を反故にした上、共和制するにしても友誼ある王家を排除すると言う噂に付いての説明も一才無く、挙句に申せば今まで二転三転する対応。配慮を求める前に成すべき事を成すのが筋では?」
「当然で御座います。では、一先ず即金で——」
「アッシニア紙幣での支払いは認めません。実直に申し上げて価値が御座いません」
「……それも当然で御座いますな。御国に関しては仕方のない事。国有化した教会財産の方から未払いの債権の一部を」
「一部? 引き延ばしの上に、ですか。そもそも教会の財産など土地でしょう。それを担保としてアッシニア紙幣を発行したのでは? 亡命貴族の財産も接収したのでしたな。其方からルーブルを割くのでは駄目なのですか」
「それは、その。申し上げ難いが民衆の手前どうしようもないのです。難しい」
「民衆を黙らせれば良い、と? 酷い噂を聞いておりますが。随分な事をしていると」
「……は? いや、そんな。我等は国民議会ですぞ」
「……であれば、です。既にポンディシェリの商館の財産没収では済みませんな。取引の即時停止とさせて頂く。既に時が時、額が額だ。筋と言うもの」
「ま、待って頂きたい」
「そもそも現状で利益を鑑みればフランスと取引をしたい商人はおりますまい。フランス商人でさえもそうであるように明日にも無くなりかねない国に後払いで物など売れませぬ。当然それは私達の国とても同じ事。
申し上げました通り定めた約定を履行して頂く。無理ならば即金で30億リーブルを払って頂こう」
「しかし今のフランスから炭鉱の接収は余りにも非道という物です。寒さと苦しみに喘ぐ我らの足元を見ると言うのですか?」
「いえ、日本では堪忍袋の緒が切れる。此方では花瓶から溢れ出る一滴と申しましたか? 払うべき物を払えと言うだけの事です」
未払いの代金と貸した金を返せと言うのは滞納されてる側の日本的には当然であるが革命政府的には無理があった。
革命政府の認識では周辺国は敵であり戦う気がなくても向こうから攻めて来る状況で、そもそも戦争中で次の戦争が迫るのを目前にした状況で資金など割けない。もしも王族のネットワークがあれば他国の足並みが揃っていない雰囲気、それくらいは割と掴めただろうが、その王族を幽閉している為に国際的に孤立している。だから周り全ての国のスタンスが見えず疑心暗鬼の煮凝りと化して、フランス全ての思考と認識が周辺国の尽くをドスぺろぺろ極道に見せていた。
だが、だからこそ目の前の不義理を働いている相手である日本。唯一話せそうな国にキレられるのはマジでお終いと言える。
「で、ではサ、サン・ドマングの割譲でいかがでしょう」
「その意思表示は良いのですが無価値です。統治費用の方が高く付く。そもそも反乱の最中でしょう」
「反乱?!」
「え?」
「え?」
「……違うのですか? 詳しくは存じませんがルイジアナへ避難したいという者達。彼等が言っていたと伺っています」
「……後で確認します。サン・ドマングは無用と言うのであれば。では何か他に欲する物は御座いませんか」
「此方が求めるのは砂糖、コーヒー、金銀でしょうか。他の産物は存じ上げませんので」
ルブラン=トンデュはボタボタと汗を流していた。砂糖とコーヒは民衆の不満を和らげる数少ない嗜好品だ。そして金銀無くしては既に経済が経ち行かない。
現状ではフランスの産物で日本の欲しがる物が無ぇって状況だった。相変わらず奴隷とか不経済極まるし土地もらっても統治メンドイ。てか仕事増え過ぎて将軍家がいい加減にキレる。
ただ実を言うと砂糖やコーヒーも代替先があるので譲歩は譲歩なのだ。……現状のフランスにとって欧州各国が極道なら日本は闇金に見えてるだろうがしゃーない。
「む、難しい。ムッシュ、イシダ。30億ルーブル分ともなれば数年間フランスにはコーヒーも砂糖も入ってこなくなる。それでは民衆が黙っていない」
「分かりました。では一先ずルイジアナの安定化の為に国王一家を預けて頂きたい。お陰様でルイジアナの混乱が酷い」
「な!! まさか!! 貴方方は!!!」
イキリ立ったルブラン=トンデュは即座に対面の大使の目に着座した。鉄仮面の額にバチクソ青筋浮かんでたからだ。ゾッとして寧ろ弱々しく伏く。
石田左吾左衛門忠三は相当追い詰められていると個人的には同情を覚える。が国家的には退く事は出来ない。
「ふざけた勘違いは止めて頂こう。あくまで貴族関係者が多くルイ国王陛下に好意的な者が多い為、暴発しそうなルイジアナを抑える手段を欲しての事。既に彼の地は我らにとっても重要な地だ。
とは言え無論そちらの事情もわかります。ですので最大限の譲歩として、王家はフランスには帰らぬように説得し、我等もフランスと戦端を開かぬと誓いましょう。王家に対して友誼は感じていますが巻き込まれての戦などは流石に御免被る。
寧ろ、です。幾らかの借款と言う名義で資金を提供しても良い。それで如何か」
「……議会に、持ち帰ります」
ピエール・アンリ・エレーヌ・マリー・ルブラン=トンデュが去れば石田左吾左衛門忠三は安堵して吐息を漏らす。
「これで交渉にて王家の利用と言う選択肢が増え議論の時間が稼げるな。身柄も資金と代えられるとなれば無闇に傷付けようとは思わない筈。最悪の結論となっても春になれば艦隊も海峡を安全に渡れるでしょう」
議会は荒れ喧喧諤諤の議論の中で有る人物が気付く。日本大使は「フランスに返さない」と言った。逆を言えば欧州のフランス以外に返さないとは言ってないのだ。
例えば王妃の故郷オーストラリアにでも帰したとすれば。それを思い付いた議員達がブワっと汗をかいた。急方は民衆が暴れ出した時よりも深く酷い。
突飛にも思える思考回路だが議会は富豪や知識層ブルジョアが集うのだ。すると外交を担った貴族の縁故どころか経験さえ無い訳で欧州では孤立している状況。まして日本についてなど軍事力ヤバそうくらいの印象しかない。
また逆に王党派が支配してる認識のルイジアナの発展ぶりは耳にする。技術や商売の種としての情報には聡い物があったのだ。
「ああ、ル・ジャポン大使が共和制に反対するのは当然だ。あそこはテンノーとタイクーンを据えた立憲君主制だからな。だが下賤で粗暴なサン・キュロット供に此の話がバレぬようにせねばならん」
「待ちたまえ。そもそも慌てる程の事か? 共和制と言うよりルイジアナの統治の手間からブルボン王家の断絶を嫌っているのだ。
そこを間違えてはいかん。敵には出来んのは違いなかろうがな。厄介払いが出来て清々する」
「だがな。市民の怒りを考えろ。王に対する怒りが日本に向くだろう。大使館を襲う様な事があっては国家の恥。何よりあの国との敵対だけは避けねばならん」
「しかし国王の身柄を要求するのは随分な要求だ。確かに30億ルーブルとなれば向こうも引けないでしょうが。困ったものです」
「いや大使の言葉は内政干渉だ……!! これは国家の為に退いてはならない!! 30億ルーブルを掻き集めて王の裁判を行うべきだ!!」
「裁判を行なわずに国王を裁けば如何動くか分かりませんね……」
立憲君主制に対し好意的なフリをしていた為に議員にとって国王は裏切り者だ。加えてそれ以上に裏切りを補強する証拠も出てしまっている。であれば裁判は開かざるおえなかった。
こうして最終的に王の首が落ち国内に居る不穏分子を恐れる民衆の求めにより、民衆の首を落とす事になる恐怖政治が始まる。
これにメチャクチャ慌てたのは当然だが日本だ。
「では30億ルーブルを払って頂こう」
ガチめにブチギレた石田左吾左衛門忠三が般若を背負った鉄面皮で通告した。フランソワ・ルイ・ミシェル・シュマン・ドフォルグは既に寒さえ感じるはずの部屋でバタバタと汗を流す。金は亡命貴族の資産や教会から掻き集めた物を使う。
が。
「金貨銀貨は良いですが残りを接収した物品で支払うと?」
「はい。それと東インド会社の各地を譲ると言う形で賠償とさせて頂きたく」
「本気ですか? そもそも足りませんが」
「私達はイングランドおよびネーデルランドへ宣戦布告の用意が有ります」
石田左吾左衛門忠三が黙った。ちょっとマジで意味不明だからだ。ルイ16世の処刑で唯一欧州ではフランスに同情的だったグレートブリテンまでキレてる。だがあくまで開戦はしていないのだ。敢えてそこに宣戦布告する意味が分からない。
フランスの周辺国のオーストリア、プロイセン、ネーデルランド、グレートブリテン。更にイスパニアはいつフランスを攻めてもおかしく無い。全員に喧嘩売ってんの意味不明。
「それが議会の答えですか」
「ええ、正に」
「良いでしょう、分かりました。我等に宣戦布告を行うと。そう受け取れますが」
「まさか!! ネーデルランドの占領後に支払うと言う話です!!」
「その様な不可能な事を四方を敵に囲まれた状況で申されるな。加えて申し上げますが状況が状況故に30億ルーブルの返済まで日本は大使館から引き払うと致します。グレートブリテンより遅くなりましたが今のパリは危険すぎる」
「な?! ま、待って頂きたい。そんな……」
「国家間の事ですので金の切れ目が縁の切れ目とは言いたく有りませんが額が額です。また情勢が情勢ですので護衛の軍艦を一隻入港させて頂きたく」
そうしてマルセイユ沖に一隻の怪物が現れる事になった。怪物つってもジェームズ・クックが見たやつの改修版だ。あの伊勢型戦艦に似た200㍍くらいの駆逐艦。
改修つっても早い話が 情報処理装置のっけて砲の自動制御とか出来るようになった。あと魚雷に加えて砲撃戦前の脅しに良いんじゃね的なノリで炮烙火矢を数発乗っけてる。まぁトンチキも良いとこだが戦艦同士の実践経験が長いこと無いからしゃーない。
それを見たマルセイユの人々は神秘の国から海上の鉄の城が来たと騒いだ。フランスの荒っぽいムキムキ船乗りや港湾労働者達が凄いテンションの子供に「ウオオオオオオオオオオ! すごい! 逆風を進んでる! 父ちゃん! あれ何?!」って聞かれて「知らん……何それ……怖」って言ってた。マジでイスパニアの作った世界最大の帆船ヌエストラ・セニョーラ・デラ・サンティシマトリニダーで65㍍を超えないからしゃーない。200㍍とかもう船じゃねぇから。帆もねーし意味わかんねーって。
こうしてフランスから日本は戦艦に乗って去ってった。凡そだが4億リーブルはちゃんと受け取ってである。フランスの借金残りザッとだけど26億リーブル。
尚、フランスの年間収入は凡そ4億7500リーブルだ。勿論この収入は安定した状態での話なんで今は、ね。うん……。
コレ別世界線以上の速さで革命詰むくない? ってレベルの額だ。
下階より幼い弟の泣き声が響いていた事さえ遠い昔の様。窓も閉め切られた薄暗い部屋で少女が気丈に座していた。バタンと査問官達が去った音に漸く吐息を漏らす。
「気晴らしに編み物でもしましょう王女殿下」
少女は声に振り返る。
「叔母上……。その、母上は何時帰って来るのでしょうか」
ルイ16世の妹であるエリザベート・フィリッピーヌ・マリー・エレーヌ・ド・フランスは内心を何とか取り繕って笑顔を見せた。
「神に、祈りましょう。きっと王妃様もそれを望まれますわ。公会の者達が来るのであれば王妃様は戦いの最中の筈ですから」
少女が頷こうとすると階下から品性の無い罵声と悲鳴が響く。少女の足元に愛犬ココが寄り添い彼女はココを抱き上げた。
「神よ……どうか陛下を、弟を御守りください」
それから少々経ち夕闇迫る頃のイギリス海峡はランズ・エンド岬沖。真夜中を日本の空母と三隻の船が進んでいた。船体は空母っつーか大型機原油タンカーっぽい。
ずんぐりとした船体に塔の様な艦橋、傾斜した着艦用の飛行甲板と発艦用の短い直線状の甲板、言っちゃえばクソデカいタンカーにミニッツの上部分乗っけた様な船。有り体にアングルト・デッキっ乗っけた馬鹿でかいタンカー。どっちかってーと鯨っぽいけど日本府配備雷鳥型空母二番艦の烏金灼である。
それにマジ物の軍用タンカーと軍艦が一隻と飯盒船が一隻、空母では忙しなく夜間発艦準備が進められており、軍艦では電探とかで情報を集められ、油槽船では給油の準備が整えられている。
尚、飯盒船では非番の者達が流れるプールで遊んだり映画見たりゲームしたりしてる。そして空母の作戦室では吉備国司軍作戦部隊が詰めていた。
「フランス陸軍旅団長フランソワ・オーギュスタン・レイニエ・ド・ジャルジェ殿から得た地形情報はすでに覚えた事だろう。
サントクロワ男爵ジャン・ピエール・ド・バツ殿が曰く幾度かの王太子殿下の奪還作戦が失敗に終わっている為に警戒は強い。
一応はジェボーダンの獣がパリに現れたと言う欺瞞情報を流し夜間の人通りを減らしたそうだがしくじれば国王陛下の身の危険に直結すると考え気を引き締めろ。
降下地点は幾度も訓練した通りにブローニュの森、此処の降下地点にシャーロット・アトキンス嬢が電波を流す手筈であり、降下後は彼女と合流の上で塔まで先導して頂く。
タンプル塔へ侵入し王家の方々を救出、後にランブイエ城へ向かう。尚、降下と共に軽装甲車も降下させる。迅速な行動が求められる為注意せよ」
空挺部隊の猛者達が頷けば説明していた男は頼もしそうに頷いた。空挺は戦国時代から吉備国司内藤家に仕える忍者達の末裔が多い。芋菓子が大好物な彼等も今はキリリとしている。
「質問はあるか」
「は! 宜しいでしょうか先の国司様」
「……先の国司では無い」
「え?」
「…………組頭殿。俺は鬼瓦将曹だ。朝廷から出向し臨時で指揮を取る」
空挺部隊が白目を剥いた。なんか空挺設立の立役者とはいえ訓練に参加してくるなぁとは思ってたけどアカン。本当にアカンこれ。
「ちゃんと鬼瓦の仮面も作ってきた」
そう言って柔らかそうな鬼瓦の護謨仮面を付けた。
「あの、先の国司様」
「鬼瓦将曹だ」
「えっと。鬼瓦しょーそー」
「なんだ」
「帰って?」
「ヤダ。危ない事は先ず俺が試す。共に訓練もしただろう。大丈夫だ。案ずるな」
「いや帰って? 立場考えて? 本当に何が如何大丈夫だと思ってるんです?」
「御先祖様の約束だしな。後、えーっと……ああアレだ。救援だと分からせるには私が降りるしか無いのだ」
「約束を守るのはいいけど立場ぁ……」
「あんまり文句言うとちゃんと諫言出来るって理由で階級上げるぞ」
「……えぇ」
そんな問答を経て作戦概要をおさらいしていると軍事に詳しい人なら何となく外面はUS2水上機を思い浮かべるが何かそれよりも随分と馬鹿デカい飛行機が艦隊の傍に三機着水した。
即座に軍用タンカーから給油を受け人員が入れ替わっている。大西洋にタンカー浮かべて給油と人員交代しながら飛んできたのだ。空挺部隊と普通は帰るべき男が乗り込んで飛び立つ。
それに合わせて空母から大きめのジェット機が発艦を始めた。絵面的には野暮ったい感じにしたF22ラプターに似てる。フランス革命中だっつってんだろ何飛ばしてんねん。時代考えろアホか。ええ加減にせいよ。
その日フランスに怪物の咆哮が降り注ぐ。シュコオオオオオオオみたいな音である。何故かパリはロロロロロと言う音もしたと言うが暗いし怖いし誰も外には出なかった。
市民も噂とはいえ嘘か誠かジェボーダンの獣に殺されるのは御免被る。狼男ルー・ガルーや悪魔だったら洒落にならない。
で、その咆哮でロロロロロって方の音の発生源の中では。
「空・挺・団! 空・挺・団! 泣いッた子供のぉー敵を捻えって黙っらせ団! 黙っらせ団!」
「何歌ってんスか先の国司様」
「違う!! 鬼瓦将曹だ!!」
「将曹勘弁して下さいよ。今からでも良いんで帰ってくれません? ……将曹?」
「……」
「将曹そっち壁です」
『信号あり! 目標接近。降下準備』
「ん! 降下準備だ!!」
前国司に幸いな事に開閉扉が開き暗闇が広がる。内側の木々を薪がわりに切っておりスペースが確保されている。協力者が事前に用意していた物だ。
「行け行け行け行け!!!」
前吉備国司が命ずれば訓練通りに隊員達が懸架された紐を握り走って暗闇に消えていく。四十一名の空挺降下が終われば前吉備国司も開閉扉から飛び降りた。
「む?」
何度かグイグイと引っ張る。でも落下傘開かへんかった。前吉備国司は腕を組んで直下。
突き刺さる様に地面へ降り立ったってかもう普通にヴィィィンって刺さった。そして何事も無かった様に無線機を取り出し淡々と準備を始める。そこは五点着地するか骨折しとけよ人間として。
北部戦線(ロシア帝国に備えてるだけ)にでも島流しされて頭冷やせば良いと思う。ともかく無線機握って、
「こちら鬼瓦将曹。怪我人は?」
『一手全員無事です』
『二手軽傷二』
『三手一人が木に係りました。現在対処中』
『四手居ません』
「良し。三手の半頭は木から下ろしたら連絡を入れろ。その後に車を降下させる。他の手は全員暗視眼鏡装着の後に目印を回収」
『『『『は』』』』
電波を出せば後を着いてきていた二機の大型水上機から軍用四輪駆動車が二台と荷物の袋が落ちてきた。直ぐに降車用の台座から軍用四輪駆動車が進み出て台座を回収収納。降下位置を知らせる装置を回収し四人が乗り込んで今回の為に荷台へ改造された部分に分乗した。
そうしているとランプを持った国民衛兵が一人だけ寄ってきた。その元へ前吉備国司が寄って行けばランプが振られ。
「鬼瓦将曹より全体。以降フランス語で話せ」
そう命じて全吉備国司は男装の女性の元へ向かった。近付けば間違いなく件の協力者シャーロット・アトキンスだ。事前情報の写真と同じ見た目である。
「失礼致します。マダムとムッシュ、何方で呼べば? そもそもブリティッシュ語の方が宜しいか」
「本当に人間なのね。この格好の時はムッシュと仰って東洋のルー・ガルーさん。フランス語で大丈夫よ。それとシャルルと呼んでちょうだい」
「ではムッシュ、シャルル。タンプル塔への道案内を願います。馬車の通れる道を示していただきたい」
「ええ、えぇ?」
ムッシュ、シャルルことシャーロット・アトキンスはビックリした。暗い上に黒っぽく塗られていて分かりにくいが馬も居ないのに馬車が走っている。だが直ぐに蒸気機関という物だと納得して。
「では失礼しますわ」
凡そ一時間と少しをかけてタンプル塔へ到着した。もっと早く着く距離ではあったが道幅などの問題で迂回した為だ。
「先ずは皇女殿下と王妹殿下の元へ向かう。一手二手は周辺警戒と排除」
「私が門番の気を引こうかムッシュ、ルー・ガルー」
「いえムッシュ、シャルル。それよりパリの東部で騒乱を起こして頂きたい。獣が出たとでも一言声を張って頂けば十二分だ」
「ならそうしましょう。興味深い物を見せて貰ったわ。ではアデュー」
暗いパリ。闇に呑まれた都。最も身軽な者が紐付けた刀を足場に壁を登り飛び越え腕力だけでぶら下がり頭だけを出す。そうして庭を熱関知眼鏡で眺め合図を出し庭から入り込んだ。何故か当然の様に一っちゃん最初に入り込む前吉備国司。
「あ」
そしてバッタリ鉢合わせ。要は測った様に歩哨が現れた。声に振り返る歩哨。
「え? ——ゴヴュ」
「九千九百九十九!!」
前吉備国司がグーパン叩き込んだ。何故か数字を羅列しながらだ。咄嗟に拳ブチ込まれた歩哨の顔からメコォ……てエグい音しとる。絶対ヤバい。九割死んだ。
後に続く者達はこの状況下だが思う。「九千九百九十九って何」と。また少し冷静になって「デケー声出すなよ……」ともだ。
ただ何人かは芸夢の終末幻想記にハマっている事を察する。「むっちゃくちゃピポ。この暴力装置!!」って思った。
「おい何か——アヴァ」
「九千九百九十九!!」
前吉備国司がグーパン叩き込んだ。
「声がしな——カヒュ」
「九千九百九十九!!」
前吉備国司がグーパン叩き込んだ。
「化も——ンガッ」
「九千九百九十九!!」
前吉備国司がグーパン叩き込んだ。
「しゅ——ゲホォ」
「九千九百九十九!!」
前吉備国司以下略。
「九千九百九十九!!」
略。
「九千九百九十九!!」
「九千九百九十九!!」
「九千九百九十九!!」
「九千九百九十九!!」
「九千九百九十九!!」
「九千九百九十九!!」
「九千九百九十九!! 俺、ツエエエエエエエエエエエエ!!!!!」
後に続く者達は思った。死屍累々(死んでない)見ながら「そだね」と。
行く先行く先の歩哨の顔面を何というか、馬の後ろ蹴りくらったんか的な、前が見えなそうな感じにしメリ込ませ尽くした一向、いや一人と一向はタンプル塔に侵入した。
「警戒および確認、排除」
「は!」
命令を出すと幽閉されたお姫様の座す扉の前に立ち前吉備国司はゴムの面を取る。後ろの二人が「そういやこの人暗視眼鏡付けてねぇ!!?」ってなってた。そんな事は露知らずってか気にも留めず少々強めにノックをして。
「夜分失礼致します殿下、マダム。東洋より百七十年前の約束を果たしに参りました。失礼して宜しいでしょうか」
物音がしてバタバタと。扉が勢いよく開かれた。扉から王妹エリザベート・フィリッピーヌ・マリー・エレーヌ・ド・フランスが出てきて信じられない者を見た顔をする。
「キビ卿?!」
「おお久しいですなマドモワゼル、いや失礼もうマダム、エリザベートでしたな。あの様に小さかった貴方が随分と大きくなられた。もう二十年近くなりましょうか」
「どうして貴方が此処に……?!」
「初代キビ国司からリシュリュー枢機卿との契りを伝えられておりましたので」
「いえ、あの、それもそうなのですけど何故貴方様直々に……?」
「そちらへの通達手段が御座いませんでな。顔見知りの私が行くべきだと思いまして。此の見てくれは敵味方も分からないと判断致しました」
「そうかな……? そうかも……」
「それに王女殿下がいらっしゃると伺いました。面映い話ですが多少の格は必要かと」
「そう、ですね? 皇女殿下、もう大丈夫ですよ。出ていらして下さい。キビ卿こちらへ」
招き入れられ前吉備国司が片膝を突く。
「御初目に御座います皇女殿下。日本の元キビコクシのウンジョウサイ・サダヨシ・ナイトウにございます。僭越ながら先祖の盟約を果たす為に皆様を御救い致そうと参りました」
少女は驚いていた。何か超デカいし。だが彼女はプライド。いや王族としての矜持があった。故に極めて毅然と。
「キビコクシ殿。感謝します。国王陛下と王妃殿下を救って下さい」
前吉備国司は歯を食いしばり顔を顰め頭を下げた。
「申し訳ございません三日前、王妃殿下は首を斬られました。間に合わなかったのです。私を御恨み下さい」
前王妹は崩れ落ちる様に椅子へと。だが王女は大きく目を見開き涙を流しながらも立ち。
「いえ……キビコクシ殿。その様な事は致しません」
「感謝、いたします」
悄然した王妹が何とか立ち上がった。姪御が王家としての意地を見せているのだ。であれば自身も王家足らんとしたのである。
「キビ卿。此処からの脱出の後の事を伺いたいのです。既に私達に選択肢は御座いませんでが日本の狙いを伺いたい」
「此方としては一先ずルイジアナへ来て頂こうと考えています。あの地はルイジアナ条約により我等の土地ですがフランス人が大半を占めている上に王家にが多い。今回の事で王家救出のためにフランスへ攻め入ろうとする者がいるのです。
これを何とかして頂きたいと言うのが先ず願いたい所。あの地は欧州との玄関口で争える戦力は無い土地だ」
「……であれば日本の援助は頂けないのですか」
「ハッキリ申し上げて戦争となると難しい。貴方方を救うまでなら積極的ですが開戦するとまでなると反対する者が多くなります。既に日本は官も兵も民の出の者が加わっておりますので。
実利を申せば特に東インドの商船航路の問題があります。何よりヨーロッパで我等は余所者と言う問題がございますから」
「ではルイジアナの安定化させた後は?」
「英気を養って欧州へ帰るも良し、ルイジアナへ亡命するも良し。少なくともルイジアナに居る間の生活の面倒は見させて頂く。
場合によっては主上より朝臣の姓を下賜した上で、幕府よりルイジアナを下賜して幕府麾下の府ないし王国と言う言う形で貸し出す事も考えております。遥か昔のフランス王家麾下にイングランド王家があった様な形でしょうか。
これであれば欧州での感覚を完全に把握できておりませんが少なくとも御身を守る理由は出来ます。まぁ何にせよ貴方方の意思次第となりましょうか」
「分かりました。各王家がどう見るかは私にも判別しかねます。ですが王女殿下、少なくともキビ卿は信用出来るかと」
叔母の言葉に少女は頷く。
「ではキビコクシ殿。改めて私達を助けて欲しいと思います」
「喜んで。持って行きたい物は申し訳ないが此方の袋に入る様にして下さい。急ぎます」
「分かりました」
少女が答えれば王妹が動き出す。前吉備国司が立ち上がった。即座に振り返って。
「大塔の状況は?」
「外の見張排除の為に一班が移動中。もう少し掛かります。音が響くので」
「分かった。お前達は御二人の準備を手伝え。それから御連れしろ」
「は」
前吉備国司が進む先では尽く見張が事切れていた。その先で空挺達が待っていた。
「お待たせしました。先の吉備国司様。この先になります」
「よくやった」
扉を開けようとした。
「ったく王族ってのは羨ましいぜ。俺たちゃ食いたくても食えねぇってのに!! 王ってだけで悪ってなぁ間違いねぇな。
人間と市民の権利の友の一員として確り動かさねぇとナァ?!」
「全くさねアンタぁ。取り敢えず私のメシを明日までに食い切って無かったら、だよ。ピーピー泣きやがったらどうしてやろうかね。
エベールの旦那に頼まれた事もあるし。無茶もしきれねぇんしょ?」
「おう。御高くとまったエリザベート様が甥っ子を襲った証拠がいるんだってよ」
「まぁ王侯貴族なんてやってて当然でしょ。市民として王様の罪を暴くなんて名誉なことじゃない? 正義は市民に有りよ。ねぇ?」
「ああ流石は俺の嫁だぜゲハハハ!!」
男女の話にビキビキって音。前吉備国司から鬼瓦の下から。控えていた空挺達はゾッとした。
静かに鬼瓦を被った前吉備国司の巨大な腕が伸びて扉が開く。小汚い男が間の抜けた顔をしていた。
「バ——?!!」
「な——!!!」
その顔が消えた。音も無く消え去った。暗くて良く見えないが二つ。僅か後に鈍い音を立てて石壁に何かがぶつかって水の入った樽が小揺るいだ。
一瞬で当身を放った男が立ち上がる。突発的な行動。身長二目取十八線智で体重百三十阡具のタックル。
「ふぅーーーーーーーーーーーーーーっ……」
大型の蒸気機関車が余った蒸気を逃す様な呼吸を一つ怒りを抑える。碌な目に遭ってないだろう十にも満たない子供を怯えさせない為に。仮面をとって顔を揉んでから。
「失礼致します国王陛下」
そう言って部屋に入れば腐敗臭の中から刺激臭が貫く。それは処理されていない糞尿と吐瀉物、机いっぱいの鎖かけた粗雑な食事。真っ暗な部屋の隅に生気のない幼子が寒さに震え蹲っていた。
幼子が顔を上げる。正気のない無表情。涙の跡が残る顔。前吉備国司が沸騰する感情を強引に抑えつけて穏やかな表情を必死に作る。
「日本の元キビコクシのウンジョウサイ・サダヨシ・ナイトウにございます」
「……」
「姉君と叔母上がお待ちです」
反応がない。前吉備国司は頭を下げてから立ち上がる。付いてきた者達に。
「やることが出来た。御連れしろ。丁重にな」
「す、すぐに!!」
国王の元へ向かう者達が居なくなればまた鬼瓦の仮面を被る。受け答えをした兵は後に「鬼瓦が可愛く見えるくらい怖かった。あの顔に比べれば一万目取から落ちるなんて遊びみたいなもん。怒り狂った先の吉備国司様の前に立つとか二度とヤダ」っつってた。それも当然のことである。
そらもう背後から凄い聞こえてくるのだ。
「誰だ!!? 俺をゴヴァゴボア……」
「死にたくなければ全て飲め」
「は? ゴヴ、待、ダズけ、ゴボぼぼぁ」
「何を気を失っている。起きろ。飲め」
「む、むギェあ?! あ”あ“あ”あ“!!!」
「幼子にあれだけ食わせようと言うのだから大の大人の貴様なら一樽呑み干すくらい訳なかろう。飲めねば次は右腕だぞ」
「待っで!! の“む”飲“がア”!!?」
「遅い。次は足だ。急げ」
「のう、のうから……まギィ!!!!?」
「あと、コレの次はお前だ」
「ヒィ……」
まぁだいたいンな感じのやり取りと鈍いけどエゲつねぇ打撃ってか破砕ってか破壊音、ほんで悲鳴と懇願と呻き声が聞こえてたから誰だって怖い。数日後タンプル塔から王家の者達が消え結構な数の衛兵達が気を失っており数名の顔がマジで大変なことになってた。
たった二人だけ何か獣に四肢を捻り捩じ切られた様な状態でタルに詰められた精神が完全に狂った靴屋夫婦が見つかったそうである。
怖いね。
ともかく二台の四輪駆動車は猛然と何か素敵なことが起こる筈のシャンゼリゼ通りを爆走かましてた。まぁ素敵な事というよりは周辺の住民敵には恐ろしい事が起こってるけど。暗闇を何かが照らしながら爆音残して進んでいるのだから怪物の行進でしかない。
尚、シャンゼリゼ通りは北西方面だ。一方ランブイエ城は南西にある。微妙に方向がおかしいのは一旦セーヌ川を越える為だ。
ランブイエ城に隠してた給油缶を用いて補給を行い西のヴァンデ地方に向かう。そっから凡そ五時間をかけて突き進み海岸へと到着する。
「船は……。迎は来てい無いのですか?」
毛布にくるまった姪と甥とワンコを抱く王妹が絶望しながら問えば前国主は首を振った。
「何方も来ております。もう少しすれば、ほら。
船に参りましたら確か随分と御気に召して御召しになられた冷やし甘蘇でも如何かな? 確か次の機会には山の様に食べたいと仰っていたでしょう。
船には山のように御座います」
空に強い光が見えた。
「あの、それは嬉しいのですが、アレは……」
「迎えですマダム。さぁ降りましょう」
轟音を轟かせて五機の軍用双発輸送螺旋翼機が降りて来た。CH47チヌークをゴツくデカくした様なのだ。海岸が二機によって照らされて軍用四輪駆動車が吊り下げられた。
「風呂と医者の準備は」
『万端です。着艦後直ぐに』
「良し流石だ。陛下は絶対安静だ」
「了解。離陸します」
そして二機が降りてくる。
「…………キビ卿……アレは、何ですか?」
「我が国の双発輸送螺旋翼機ですマダム、エリザベート。御覧の通り空を飛びます」
こうしてルイ17世はやたら太い轍を残して忽然と消える事になる。この半月後にフランス全土にコリドエ・クラブの告発と題されたパンフレットがばら撒かれた。




