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【日刊上位ランクイン】チャネリングしたら宇宙船の美少女艦長に繋がったので、ブラック企業を辞めて人生を取り戻すことにした  作者: ハイカラな人


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午後三時。

 自宅のインターホンが鳴った。


 恒一は瞬時に固まる。


 宅配の予定はない。

 来客の予定もない。


『出ない方がいい』

 ルイゼの声はすぐに来た。


「分かってる」


 モニターを見る。

 スーツの男が一人。

 地味な顔。

 知らない。

 駅前の男とは別人だ。

 だが、雰囲気は少し似ている。

 “普通を装う側”の空気。


「……」

 インターホンはもう一度鳴る。


 恒一は応答ボタンを押さず、ただモニター越しに見る。

 男は数秒待ち、ポストへ何か入れて去っていった。


 足音が遠ざかってから、ようやく息を吐く。


「……最悪だな」

『はい』


 玄関を開ける。

 ポストには封筒が一枚。


 差出人なし。

 中身は名刺だけだった。


東都危機分析研究所 主任研究員 白石 恒一様ご相談の件


 裏面に携帯番号。

 短いメモ。


お話ししたいことがあります。

宇宙の件も含めて。


「……は?」

 恒一は名刺を見下ろす。


 宇宙の件も含めて。


 もう、ぼかしてもいない。


『段階が変わりました』

 ルイゼの声がかなり低い。


「うん」

「もう“仕事の立ち上がりが不自然”を探るだけじゃない」

『はい』

「向こうも、宇宙の件と俺を結び始めてる」

『可能性が高いです』


 恒一は玄関のドアを閉め、名刺を机に置いた。

 手が少し汗ばんでいる。


「整理する」

『はい』


「正しい点」

「地球側の一部は、“宇宙の件”と“俺への接触”を同時に扱い始めている」

『はい』

「不確実な点」

「この白石ってやつが、本当にどの程度知ってるか」

『はい』

「不明な点」

「偶然こじつけてるだけなのか、何か拾ってるのか」

『はい』


 ルイゼはほんの少しだけ間を置いてから言った。


『あなたの周辺は、想定より早く“異常”として束ねられ始めています』

「……」


 嫌な言い方だ。

 でも、たぶん正しい。


     ◇


 夕方。

 ニュースはさらに一段進んだ。


 今度は海外の大手メディアが、よりはっきりした表現を使った。


Earth-Proximate Object May Be Artificial Mega-Structure, Analysts Say


 人工的巨大構造物。

 英語圏でそう出ると、国内も一気に引きずられる。


 案の定、国内ネットメディアも後追いする。


「人工的巨大構造物」の可能性も 近地球未確認物体、海外報道で議論過熱


 SNSはもう祭りだ。

 だが、テレビのトーンも変わってきた。

 “宇宙船”という単語を避けながら、それにかなり近いニュアンスを滲ませ始めている。


「……」

 恒一は画面を閉じる。


「もう時間の問題か」

『はい』

 ルイゼが言う。

『地球側が、自分たちの語彙でそれを呼ぶまで』

「呼ばれたら終わりか?」

『終わりではありません』

「じゃあ始まりか」

『その方が近いです』


 その“始まり”が、ろくでもない方向の始まりである可能性は高い。

 でも、もう止めようもない。

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