表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
9/12

5.エリナと二人きりの勉強会。

エリナのターン!

応援よろしくお願いいたします!









「さて、帰るとしようかな……」



 放課後になった。

 安藤さんは部活ということもあって、名残惜しそうに教室を出て行く。そんな彼女の後姿を見送ってから、ボクは帰宅の準備を整えた。

 先日も言った通り、この学校は部活動が盛んである。

 なので、大半の生徒が授業終了と同時に教室からいなくなった。


 いま、ここにいるのは――。



「あの、篠宮先輩……?」

「ん?」



 ボクだけだと思ったら、どうやら来客があったらしい。

 その女子生徒――瓶底眼鏡をかけたエリナは、どこか恥ずかしげにこう訊いてきた。



「篠宮先輩、成績がすごくいい……って本当ですか?」

「自分では凄いって思わないけど、どうしたの?」

「えと、あの……!」



 答えると、また恥ずかしそうにモジモジとする。

 それでも意を決したのか、深々と頭を下げながらこう言うのだった。





「アタシに、勉強を教えてください……!」――と。



 




「なるほど。芸能活動が大変で、なかなか学業に手が回らない、と」

「うぅぅ、情けないです」

「そんなことないよ。こうやって頑張ってるじゃないか」




 エリナはボクの言葉で、ほんの少し気が紛れたらしい。

 小さく感謝を述べて、補習として与えられたプリントに視線を落とす。



「…………えっと――」



 で、さっそく詰まった。

 やっているのは数学なのだけれど、どうやら基礎的な部分が分かっていない模様。なのでボクは彼女から教科書を預かり、黒板の前に立った。

 そして一つ一つ、方程式を順番に教えていく。



「凄いです、先輩……!」

「いや。そんなことないよ?」

「そんなことあります! ダンスの先生が言ってたんです。何事も他人に教えるには三倍の努力と理解が必要だ、って!!」

「あはは、たまに聞くね。そんな話も」



 もっとも、ボクがここまで教えられるのは理由があるけれど。

 それでも褒められて、嬉しくないことはなかった。

 これは結構、遣り甲斐というものがある。



「それじゃ、次のページなんだけど……」



 そんな感じで、ボクとエリナはどんどん課題の山を終わらせた。

 時間にして一時間半ほどだろうか。



「わ! 終わりました!」

「お疲れ様、エリナ」

「ありがとうございます!」



 意外にエリナの理解が早かったため、すんなりと終了した。

 これなら、今から帰っても遅くはならない。

 そう思って――。



「あの、先輩……?」

「ん? 次はどうしたの」



 黒板を消していると、なにやら頬を赤くしたエリナが傍にきていた。

 訊ねると、彼女は視線を逸らしながらこう言うのだ。





「今日、オフなんです。だから…………デートしてくださいっ!」――と。




 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ