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スキャンダルアイドル  作者: 秋元智也
22/55

22話

するとノックがして今日のCM撮影の企業の社長さんが姿を現した。


「今日はCM撮影を受けてくれてありがとう。サインを貰ってもいいかな?」

「いえ、こちらこそ支援して頂きありがとうございます。でも、どうして俺

 だったのですか?目立つような事はないので…あのちょっと気になってし

 まって…。」

「本当に謙虚なんだな〜、君がどうしてもいいと娘に言われてね。この前の

 番組出演のを見て是非ともうちのCMに出てほしいと私が思ったんだよ。」

「番組ですか…」

「実に綺麗だった。なので男の姿と女装姿で出て欲しいんだ。」


思い当たる番組を思い出すと苦笑いを浮かべた。


 (なるほど…あれを見ていたのか…)


「いえ、見ていただいていたとは…とても嬉しいです。しかし、あの時はメ

 イクアップアーティストの方の腕がよかったというのもあるので、ご期待

 に添えるかどうか…」

「それなら心配には及ばない。あの番組の時の人を呼んでいるんだ」


さすが社長である。

サインを渡すと見覚えのあるメイクさんが入ってきた。


「お久しぶりです。あの番組以来ですね〜。本当にすべすべの肌で羨ましい

 限りですよ〜」


嬉しそうに肌を触ってくる。

少し気恥ずかしい思いをしながら、メイクを任せる事にした。


色々と注文を聞きながら、要望に添えるようにと聞いていた。

撮影が始まると最初は男の姿で店を眺めていると何人もの女性が店から出て

来る。

すると自分と同じ男性が迷いながらも店のまえで迷いUターンする。

それを眺めると涼は勇気を持って店のドアを開く。


そして今度は女装姿で綺麗になった涼が堂々と店を出て行く。

迷う男性に声をかけ、中へと促す。


どんな男性も、女性も綺麗になりたいなら!


と締めくくる。

アップにしても肌のキメが細かいせいか綺麗に映る。

それをわざとクローズアップして使ったのだ。


違和感のない美しさに、こすぎないナチュラルメイクなのにあそこまで美

しくなれると、メイク系の仕事もこの宣伝によって憧れの的となった。


「今日はありがとうございました」

「ちょっと待って、涼くんが挨拶に来たら呼び止めておくように言われてる

 んだ。」

「?」

「松島プロデューサー知ってるよね?」

「はい、有名ですから。でも、どうして俺を?」

「あ!来た来た!」


仕事を終えてこっちに歩いて来た松島プロデューサーは手を振って涼に手を

差し出した。


涼も手を握ると握手を交わした。


「意外と細いんだね?ここでCMを撮っていると聞いてね。ちょっと話して

 みたいと思っていたんだ、もしよかったら今度撮るドラマに主演しないか?」

「…!それは…脇役ですか?」

「いや、君を主役にと思っている」

「!?」


驚いてドッキリかと周りをキョロキョロと見回した。


「はははっ、ドッキリではないよ。この前聾の役をちょい役でやっただろう?

 あれを見ててね。それで是非撮ってみたいアニメの実写版があってね。どう

 だろう?君次第だよ」

「是非…是非やらせて下さい。俺なんかが出来るかわからないけど、頑張りま

 すので。よろしくお願いします。」

「あぁ、こちらこそよろしく。事務所にはこちらから依頼しておくよ。君には

 期待しているんだ。それとね、うちの息子が俳優をしているんだが…君の事

 を大変よく思っていてね。今度よかったら一緒に会ってくれないか?」

「俺をですか?はい、もちろんです。」


笑顔で答えると好感度も上々だった。

あの有名な松島プロデューサーの息子となれば、有名な方では?

と思うと、少し緊張して来た。


「この後、食事はどうかな?」

「はい、是非!」


嬉しい誘いを受けると財布にお金が入っていない事に気がついた。

悩むと笑われてしまった。


「君に払わせたりはしないよ」

「あはははっ…恥ずかしい限りです…」

「息子も呼んでもいいかな」

「はい、是非会ってみたいです」


機嫌を良くさせると怜に遅くなる趣旨を送った。


店は怜が行くようなお高いメニューが並ぶところだった。


「適当に頼んでおいたがよかったかな」

「はい、大丈夫です。」


ドラマの簡単な内容と役について聞いた。

聾の主人公を中心に起こるドキュメンタリーらしい。


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