表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一万年サボろうと思っていたら、人仕事押し付けられた神様です。  作者: nanoky


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

219/219

50 大劫の終わり(5)

 読み通してくださった方、本当にありがとうございました。今回で、完結です。

 下界へ帰った。その後、ビー玉サイズに縮んだ大天正覆蓋を、毘沙門天に預けた。

 私の体は、邪気を浴びすぎて、すっかり具合が悪くなり、一週間寝込んでしまった。律子さんからは、なぜか、今回は、大目玉を落とされることもなく、具合が良くなったら禊へいきなさいと言われただけだった。

 天帝失踪の報に、大至急天界へ戻ったヤーマが、私の禊が終わった頃、飛竜頭山にふらりと戻ってきた。

 

 その日、私は、ダーキニーと炬燵に入ってみかんを食べていた。そこへ、ヘルメスと一緒にやって来たヤーマが、大ニュースがあるのだと、興奮した面持ちで話しかけてきた。

「ワカミアヤ、凄いニュースです。何と、大帝が、閉関を解かれ、復位なさいました」

私は、みかんの筋をとりながら

「ふうん、そう、よかったね」と言った。

ヤーマは眉尻を下げ、私の顔をうかがった。

「あの、驚かれないのですか?」

 私は、みかんを一つ、ダーキニーの口へ入れてやりながら

「どうせ、狸寝入りしていたんだろ。因果の決着がついたから、出てきたのさ」と言った。

 ヘルメスが、炬燵の上の籠からみかんを一個とり、

「狸寝入りって、大帝に失礼だろ?」と眉をくいと上げて言った。

「失礼も何も、大帝が動いたら、因果が新たに発生してしまう。動くに、動けなかったと思うよ」

 ヘルメスもヤーマも頷いた。けれど、ダーキニーは、口を尖らし

「それって、薄情なんじゃないの。ちょっとくらい助けてくれたっていいじゃないの」と、言った。

 私はダーキニーを見て

「助けないことが、助けなんだろうね」と返した。私は、師父から薫陶を受けた者だから、彼の考えそうなことなら大体の所は理解できるつもりだ。

「色々と取り返しのつかない事が多かった。ただ、私にとっての大劫は、天帝となった彼との因縁を完全に断ち切らなければ、乗り越えることができなかった。私とアギスキの問題に留めておくために、大帝は敢えて閉関を選んだのだろうと思う」

 私にとって、大帝は師父であり実の父親でもある。師父として尊敬する気持ちはあるが、親子の情は感じることがなかった。私が情を本当に理解したのは、顯の体に入ってからなのかもしれない。新たな情を知ったおかげで、無意識に引きずっていた情を断ち切れたのだから、私に誓の機会を与えてくれた顯の魂には、ただ感謝の念しかなかった。

 ヤーマが、遠慮がちに切り出した。

「あの、もう一つお知らせがあります」

「何?」

「ワカミアヤへ、近々立太子の令が出るそうです」

「・・・・・何で?神体ないし、下界にいるのに」

「誓が終わり次第、天界へ上がるようにと仰せです。神体については、天界の方で何とかするそうです」

「・・・・・・・」

 誓が終わったら、セノーテへ逃走しようと思った。もう、本当に勘弁してほしい。

(おわり)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ