美少女幽霊さんのお引越し⑤
「ふぅ。ひとまずひと息ですねぇ。まぁ座ってください。」
私の部屋に戻ってきて、刹那さんは
まるで自分の家にいるような感覚で、飲み物を並べた。
えええー
私の家だよぉ。
「いやいや~徹夜ですねほんと。お疲れ様でしたぁ〜。」
確かに。まぶしい。太陽の光が目に染みる。
「刹那さん。あの2人は今後どうなるんですか?」
「はい?あの2人ですか?さぁ?生きてくんじゃないすかねぇ。」
あっけらかんと答えるけど。
困ると思うなぁ。大丈夫なのかなあ?
「んんん?美鈴さん?何を気にしてるかわかりませんが。別にどうということないですよぉ。
だって体だけ御老体になっただけですから。元気に生きていけますよ〜。まぁ。足腰痛いとか〜目が見にくいとか〜歯が抜けるとか〜あるでしょうけどぉ。
あのお二方もいけないんですよ?もう少し少なくしろって交渉もせずに契約書にサインするからぁ〜ねぇ。」
刹那さんはそう言ってエリさんをみる。
エリさんはにっこり笑って
「ほんとにねぇ」
うわぁ。その笑み可愛いけど怖い〜。
「美鈴さんは私に感謝してほしいですよお?
危なかったんですからねぇ?」
え?!
いきなりそんなことを言われて私はびっくりして刹那さんを見る。
どういうこと?
「刹那さん?どういうことですか?」
「あれ?お気づきになってませんかぁ?あらあらあら。あなた昨夜危なかったんですからねぇ?」
「えー?何がですか?」
「エリさん、お相手の高橋さん殺したいほど憎んでます。でも、幽霊は人を殺せません。わかりますぅ?
実体がないから殺す道具持てませんよねぇ。」
ええええ。怖いよぉ。
いきなり怖いことを言い出したから。
私はビクビクしちゃう。
でもまって?あれ?
「ちょっと、まってください。」
「はい?どこでまちますぅー?」
⋯⋯ちがーう!そうじゃないの。まったく毎回。なんでこうなるのぉ。
「あの今、私が危ないって言いましたよね?なんでですか?」
「エリさんあなたに乗り移ってやろうとしてましたよ〜?お二方を。」
「は?」
え?意味が分からず、思考停止。
え?どういうこと?
「あらあらあら。目が点。すごいですねぇ。幽霊がナマモノに復讐するにはナマモノに憑依するしかできないじゃないですかぁ。
それも美鈴さんったら、隙を見せるから!
さっきマンションのとこで。危うく乗り移られるとこでしたよ〜?
そしたらあなた!殺人犯ですよぉ?幽霊に動かされましたでは日本の警察動いてくれませんからねぇ。
何度も感情移入するなと、自分、言ったじゃないですか?今後、気をつけるよ〜に!」
「ええぇぇえ。わ、わかりました。」
「幽霊なんか未練があるからさ迷うんですよ?未練なんか大抵は怨みです。なかには見守りたくて〜みたいな健気なのもありますが。
未練は復讐が大半です。
エリさんなんか、きっとずっとあなたに憑依するタイミング狙ってたと思いますよぉ?でも、幽霊を幽霊と認識してくれないとなかなか難しいので。すぐにはできませんでしたけどねぇ。美鈴さん。それだけが救いでしたよ〜。」
刹那さんの話を聞いてエリさんが、私を見つめる。
「美鈴さんごめんなさい。お隣には相談してて。協力してもらうつもりで。
ほんとはあなたの力を借りるつもりだったの。」
ええぇぇえ。
お隣もグル?!
ドドドどういうこと?!
やだやだやだ。怖い!
しかも『協力してもらうつもりだった』とか軽々しく言うけど!殺人じゃん?!
怖い〜。
「まったくしょうもないこと考えますねぇ。エリさん。覚えていてください?ナマモノの力を借りた復讐は地獄いきですよぉ?一生苦しい思いをすることになるんですからねぇ?」
いいいいいきなり怖い!怖い!
「でもやらなかったから。というか。刹那さんいたらもうできないわよ。」
「またまたまたぁ〜それでも隙あらばやろうとしてたくせにぃ!」
「えへへへ。」
2人にこやかにやってるけどさ!怖いよ!
「美鈴さんごめんなさい。あの。このぬいぐるみは、慰謝料として。美鈴さんに。」
エリさんはそう言って、さっき持ち帰った鍋の横にあるぬいぐるみを指さす。
可愛いくまのぬいぐるみ。
でも持ったとき結構ずっしりしてて。大きめなの。
存在感あるぬいぐるみなのよね。
「美鈴さん、お腹空けてみて?ぬいぐるみの。」
「え?」
私はくまさんごめんねぇと思いながら、言われるがままぬいぐるみのお腹をハサミで少し切り目をいれる。
「あらっ?!」
中から金のコインと、キラキラした石?とでてくる。
もっと入ってる。
「彼に見つからないように資産を隠していたの。刹那さん。これを美鈴さんに。」
「おおお。結構入ってますねぇ。承知致しました。換金して美鈴さんへお渡し致しますね。あ。手数料15%頂いてるんですがぁ?いいですかぁ?」
「はい。もちろん。」
エリさんはそう言って微笑む。
手数料取るんかい!
でもエリさんって資産を隠していたってことは、彼を信用していなかったのかな?
詳しくは聞いてないけどさ⋯⋯
殺したいほどって相当だよねきっと。
でも聞かないでおこう。
私は知ったらいけないことだと思うから。
「さ、てと、エリさんそろそろお時間ですね。」
「はい。」
そう頷くとエリさんは
私と刹那さんを交互に見た。
「色々とありがとうございました。これで思い残すことありません。」
その瞬間。
エリさんの体が、ふぁっと光出す。
あれ?なんか薄く⋯⋯
え?消える??
⋯⋯
「ああああっと。Dプランでした!あぶないあぶないっ。」
ゴゴゴゴゴゴ〰️!!!
大きな音を立てて刹那さんが掃除機で!!
エリさんを吸い込んだ。
ぬぬぬぬ?!
「ええええっ?!なんでぇ?!」
「え?!なんでって?Dプランですから!はい!お引越し完了!」
刹那さんは
エリさんを吸い終わると。
すがすがしそうな顔で
笑った。




