掃除機の使い方①
「刹那さんこれネックレスなんですけど。」
事務所のソファに座り、刹那さんとお茶を飲んでいたとき。
ふっと気になった。
前に幽霊さんを幽霊さんらしく見えるようにってもらったネックレス。
しずく型の無色透明の石がついたもの。
石の大きさは結構大きめで、親指くらいの大きさ。
感情で色が変わるらしい。
でもしずく型ってかわいいよね。
「はいはい。どうしました?」
お茶とお饅頭を交互に口に運びながら、刹那さんが私を見た。
「なんか色が⋯変わった?気がするんですよ。」
そうなの。無色透明だったのに。
なんかうっすら⋯グレイ?みたいな
何か色味がついたきがするの。
ももももしかして、私の使い方が悪い?!
私の汗とか?!
ずっとつけてろって言うからつけていたから⋯⋯
肌身離さずつけてしまっていたの。
「もしかして!扱いがざつでした?!」
「んん〜どれどれ?はいはいはい。確かにうっすらついてますねぇ。
この秘密兵器は、美鈴さんが幽霊を幽霊らしく見えるようにするためと。守るためのものですのでぇ。
問題ありません!」
え?
そうなの?
色変わってるのに?
「ん~~気になる感じですかあ?まぁ、この間あんな悪意に触れたので少し色を吸収したのかなぁ?と思いますけど。また変わります!」
「え?!そうなの?」
「はい!」
「なんだぁ。なら始めに言ってくれたらよかったのに。」
「聞かれませんでしたからぁ〜。」
あああっっ。
いつものね。
まぁね。気がついたの今だしね。
なんだ!色が変わるやつなんだ。
それならいいか。
不思議な石なんだ。
綺麗な色に変わって欲しいなぁ。
「さて!さてさて!本日のお引越しなんですが!その前に!」
刹那さんがドンと掃除機を手に持った。
でた!掃除機!
「今日は!Dプランですね?!」
「おおおお?!そのとおりで〜す。素晴らしい!」
えへへへへ。
褒められてしまった!
「今日はどこに行くんですか?」
「今日はですね。ちょっと、お仕事の前に、こいつの使い方を!」
え?
掃除機だよね?
使えるって私。
「刹那さん?普通にボタン押して吸うんでは?」
「んんんん?これだからシロートはいけませんねぇ。」
ええー。
どういうこと?
刹那さんは掃除機を私の目の前に差し出した。
「はい。持ってみてください。」
掃除機を手でもつと。
ん
んんん?!
「かるっ」
すっごく軽かった。
「そう。持ちやすさ!吸いやすさ!抜群です!弊社のオリジナルモデルですからねぇ〜。」
へぇー
掃除機まで!
大したもんだよ!!
「で?これの、使い方とか何か難しいんですか?」
「手前のスイッチを押して吸うだけです!」
えええぇぇぇ。
さっき
『シロートが!』みたく言ってなかった?
「刹那さん。使い方が難しいんですか?」
「ん〜ゴミを吸うものではありません。それだけですねぇ。ゴミを吸うものと思わないようにしてくださいねぇ。」
うーん。
なんか深い……。
「さて。今日のお仕事は、ちかばなんですよぉ。歩いていきますか!」
私は掃除機を抱きしめると立ち上がり、
「はい!」
と、気合いを入れた。




