初仕事!①
「えええっ!つなぎは嫌ですかぁ?」
「嫌ですぅ。」
残念そうに私を見る刹那さん。
これからお仕事なんだけど、お揃いのつなぎを着ろって言うのね。
青いやつ。
私つなぎ嫌だ〜。
トイレとか大変そうだもん!
「仕方がないですねぇ。じゃー、ジーパンとTシャツのほうにしましょう〜」
え?!あるの?
ならそれがいいよね。
ジーパンは自分のを着るとして。
渡されたTシャツは黒いTシャツ。
胸に『G♡М』とピンクで書いてある。
え?!
シンプルじゃん。
いいよこれ〜!
「刹那さん!オシャレ!」
「ですよねぇ〜!私もつなぎの下に着てます!お揃いです!」
あっ、着てるんだ。
着替えをして事務所へ向かうと、段ボールを持って刹那さんがやって来た。
「はい!お待たせしました。はい!美鈴さんにはこれ〜。」
青いウエストポーチを渡される。
「なんですか?わ!いっぱい入ってる!」
中には、なんだかいろいろな物が入ってる。
でもあまり重くない。
中を見ると、筆記用具とか、メジャーやトンカチ、ハサミ⋯
このウエストポーチ⋯見た目小さめなのに随分入ってるよねぇ⋯
ん?奥の方に⋯ガムテープが入ってる。
ん?まぁ⋯⋯気にしないほうがいいのかな?
「これはお仕事用の道具入れです!必要な物入ってますので。これから色々お仕事をして、使い慣れましょう〜。」
「は!はい!」
「よいお返事です!」
刹那さんは段ボール片手ににっこり笑う。
あれ?段ボール?
「刹那さん、掃除機は?」
「ん?あー、はいはいはい。今日はですねぇ、Bプランなので。掃除機はいりませーん!」
B⋯⋯?
「お仕事前にプランの説明だけしておきましょう〜。あ!メモはしなくて良いですよぉ〜。ウエストポーチの中のタブレットに書いてありますのでね。」
⋯えっ。タブレット入ってるの?!
私は、もう深いこと考えるのをやめた。
「ではではでは!プランの説明です!
まずは弊社にはお引越しプランが基本プランとして4つあります!
Aプラン:ほうきとちりとり
Bプラン:段ボール
Cプラン:コロコロ
Dプラン:掃除機
以上になります!」
ええ?それって引っ越しなの?お掃除業者では?
でも、エリさんの時は吸ったしなぁ⋯⋯。
何か幽霊仕様だと色々あるのかしらねぇ⋯⋯。
あれ?あと気になるのが⋯
「刹那さん!このあいだEプランとかなかったですか?」
「んんんんん!?素晴らしい!よく覚えてますねぇ。Eプランはオプションです!その時に応じて、さまざまなプランを取り揃えております!Eプランはほんとに現場で慣れてくださぁ〜い。」
「はーい。」
そうなんだ⋯
なんか覚えること多そう?
でも頑張らなくちゃ!!
「心配は全くありませんよぉー!タブレットに書いてありますしね!」
わぁーすごい便利じゃん。
あ!あとあれも。
「信用機構とか言ってた話は?」
「おお!信用機構ですかぁ?よい質問です!!それは使うときおいおいですね!」
おいおいね。
まぁ使っていかなきゃなれないもんね!
あ。あともう一つ気になったんだ。
「刹那さん!質問いいですか?」
「もっちろんでーす!はい!どうぞ!」
「引っ越しの依頼?とかは、本人から直接事務所に来るんですか?」
ほら、相手は幽霊じゃない?
どうやって依頼が来るか気にならない?
電話とか来るのかな?
「んんんんん。いいところに気が付きました!
それは!色々です!」
えー
まぁ色々なんだろうけどさぁ。
「たとえば、ベンダーとかから来る時もありますし。ご本人からももちろん。他には他社からもありますねぇ。まぁ。弊社は基本、お引越しなら、何でも承っていますね!」
ふぅーん。
⋯え?
今ベンダーって言った?
なんのべンダーよ⋯
「刹那さん⋯ベンダーって何ですか?」
「それは!仲介業者ですねぇ!」
えええ。そういうのがあるんだ。
すごい⋯⋯。
「色々あるんですね」
「そうなりますね!おいおい覚えていきましょう〜。まずは、現場です!
そろそろ向かいましょうか!」
「!!!!はい!」
「いいお返事です!向かいながら、本日のお引越し先のご説明をしますねぇ。少し場所が遠いので。急ぎましょう!」
そう言って、段ボールを脇にかかえて。
刹那さんは事務所のドアをあける。
よし!初仕事!頑張るぞ!!!




