ep.79 王国統一に向けて
城塞都市バギルの領主の館・執務室では、バールダム=アギレスは、兵士から退屈な報告を受けていた。
「サルト城砦の守り固く、あと少しかと思いますが、今しばらくお待ちください」
「少しなのかしばらくなのか、はっきりしろ!
こんなところでいつ迄も時間をかけてはいられんのだ!」
(陛下とエムリアが結びついたとなると、造反が出るやもしれん・・・)
脇に付く息子で将軍のケネウス=アギレスが言う。
「父上、堂々となさいませ、いずれにせよ我らの有利は変わらないのですから」
「うむ、サルト城砦が落ち次第、王都を攻める、落とせば国内全ての諸侯が私に跪くこととなろう。
ケネウス、準備を進めておけ」
「はい、父上」
バールダムは、執務を終えて食事のため、食堂に行った。
既に妻と息子2人と娘1人が待っており、食卓には食事が置かれていた。
まだ10にも満たない娘が言った。
「お父様、お待ちしていました」
「そうか、待たせてしまってすまない、お腹が空いただろう、早速、食事にしよう」
弟のウラルが言う。
「父上、次の戦いは、私も連れて行ってください。
きっとお役に立ちます」
「ほお、それは勇ましいな、だがお前はまだ12歳だ、慌てることは無い」
「でも、私はもう戦えます」
兄のケネウスが言う。
「こらこら、無理を言って父上を困らせるものではない」
「はっはっは、ウラルには、私が留守な時に、家族とこのバギルを守って貰わねばならぬからな」
「分かりました、命に代えてお守りします」
ケネウスがからかう。
「その割には、剣の腕はまだまだ未熟だがな」
「父上、食事の後、稽古を付けて下さい」
「はっはっは、いいだろう、少しだけだぞ」
それから数日後、執務室にいたバールダムのもとに兵士が報告に来た。
「サルト城砦が陥落致しました。
グラウド=ハウマン侯を討ち取りました。
こちらに、ご確認ください」
首桶を別の兵士が差し出し、開くと半分腐乱したグラウドの首が入っていた。
腐臭が部屋中を満たす。
「う、うむ、確認した、もうよい」
「はっ」
首桶が下げられる。
「閣下、グラウド侯の家族を捕えておりますが、如何致します?」
「後の憂いは面倒だ、見せしめを兼ねて全員打ち首にし、王都の城門前に並べよ」
「はっ」
その後、バールダム=アギレス公爵は、ガームダム王国の統一のため、王都攻略に向けて、軍勢4000を持って西に進軍を開始した。
「ガームダム王国を統一し、民に安寧をもたらすため、腐った旧体制を滅ぼす!
出陣せよ!」




