ep.72 八軍閥の国の終焉
俺とレキ、マリーヌの3人は、アルラの連れて来たラントル領主・フレイヤ=カーヌマンと客間で相対していた。
フレイヤは、40歳手前で、美貌と活力に溢れる感じの女性だった。
フレイヤは言う。
「此度のお誘いを受けさせて頂くことと致しましたが、ご提示頂いたお約束は守って頂けると考えて宜しいのでしょうか?」
マリーヌが応じる。
「はい、領地は安堵し、ラントルの領主として引き続きお願い致します。
エムリア王家の統治方針は、ご理解いただけたとの認識でよろしいですか?」
「はい、それに同意したのでここにおります」
「それと、ミゼル王国との関係が深かったとのことなので、外交官の任について頂きます」
「承知致しました」
フレイヤが続ける。
「実はアルラ様と共にラベスの領主・ラグネス=ゴドバス様にエムリア王国に降るよう話を進めております」
マリーヌが問う。
「それでご反応は?」
「降ること自体に否定はされておらず、領地の安堵とある条件を受け入れて欲しいとのご要求がございます」
「ある条件とは?」
「はい、ラグネス様は、元々、ガームダム王国の戦術、兵器、兵站など軍関連の研究室の長であり、その研究をするための施設の開設と運営を行いたいとのことです。
如何ですか?」
レキが問う。
「ラグネス殿の見識は、本物なのでしょうか?」
「はい、信頼出来るかと思います」
「それであれば、こちらとしてもありがたい話だ。
その条件、受け入れましょう。
但し、その任については、結果を伴って頂く必要はありますが」
「分かりました、そう伝えておきます」
それからしばらくして、ラグネス本人が、俺たちのもとを訪れた。
俺、レキ、マリーヌは同様に客間にて相対した。
ラグネスが言う。
「領地の保全と研究施設の開設の条件を受け入れて下さりありがとうございます。
喜んでエムリア王国の陣営に加わらせて頂きますぞ」
マリーヌが問う。
「エムリア王国の統治方針はご理解頂けていると考えて宜しいでしょうか?」
「それは勿論です。
ところで研究施設はどちらに建設なさるのかな?」
レキが言う。
「いったんは、ラベスの領主の館にて仮で設置していただき。
機密事項にもなるかと思いますので、別途、しかるべき場所に正式に設置出来ればと考えております」
ラグネスが言う。
「なるほど、分かりました」
この瞬間に事実上、エムリア王国がこの地域の統一を果たし、八軍閥の国は終焉を迎えたのである。




