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ep.68 シアタの東平野の会戦

 エムリア王国の中央本陣では、エルマ、レキが布陣を見守っていた。


 エルマ言う。

「中央・レッド、右翼・スワリス、左翼・グルガス殿、配置完了」


 レキが問う。

「今回の策は、全軍に徹底出来ているな」


「ああ、大丈夫だ」


「敵が全軍前進を始めたな、数で押し切るつもりだ」


(さて、シアタとルイが約束通り動くか・・・?)


 エルマが叫ぶ。

「全軍動かず、防御を固めよ!」



 敵軍が前進し、遂に衝突する。

 コルンとエムリアの中央軍にて激しい打ち合いが始まる。


 金属音と怒号が響き渡り始めた。


 右翼のシアタ領主・マリーヌ=テラレイマが叫ぶ。

「今より、中央のコルン軍を攻撃する、全軍側面より掛かれ!」


 シアタ軍が、コルン軍の側面から攻撃を始めるに合わせて、左翼のルイ軍もコルン軍を側面から攻撃した。


 コルン軍は、前面、両側面からの3方向より攻撃を受け、瞬時に混乱状態となり、容赦なく削られていく。


「おのれシアタ、ルイ裏切ったな・・・」

 マルクスは、歯ぎしりをする。


 コルン軍は、既に統制が取れる状態でなく、格好の獲物と化していた。


「全軍、撤退せよ!」


 コルン軍の将軍が叫ぶが、混乱は増すばかりであった。


 コルン軍の将軍が言う。

「ここは私が引き受けますので、マルクス様たちは、戦線を離脱してください。

 敵は間もなく、ここにもやって来ます」


「やむを得ぬ、我らは撤退する」

 マルクスは、騎馬に乗ると、西へと落ち延びるため馬を走らせた。

 ドワイトと近衛兵数騎がそれに続く。



 戦場から少し離れたところでドワイトが言った。

「やはり、シアタとルイは信用するべきでなかったな」


 マルクスが言う。

「こうなれば、籠城して、ラベス、ラントルに支援を請いましょう」


 前方より数騎の騎馬の足音がする。


 マルクスが、見やるとそこには白く長い髪の美しい少女がいた。


 少女はアメジストのような澄んだ紫の瞳でマルクスとドワイトを見やる。


「・・・・・・」


 少女は、マルクスのもとに馬を走らせる、すれ違う瞬間に首が吹き飛んだ。


 ドサッ、地面にマルクスの首が転がる。


 赤く染まった短槍を手に少女はドワイトに向かって馬を走らせる。


 ドワイトは剣を抜きながら言う。

「よ、よせ!」


 少女は、すれ違うと同時にドワイトの剣を弾き、胸に槍を刺し込んだ。


「ぐおおおおお」


 ドワイトは突き刺さった槍を両手で抜こうとするが、抜けずそのまま落馬した。


「これが、武聖か、まるで死神だ・・・」


 少しもがいた後、ドワイトは動かなくなった。


 主を失ったコルンの近衛兵は、降伏を申し出た。



 戦場では、コルン軍は文字通り包囲殲滅されていた。


「突破して活路を開け!」


 指揮を執っていた将軍は、後方より鉄槌の一撃を受けた。


 頭が朦朧とし、土の味がした。


「活路を開け・・・」


 鉄槌が頭を粉砕した。


 それを見ていた副将が叫ぶ。


「降伏だ、降伏する!」


 レッドが叫ぶ。

「敵は降伏した、攻撃をやめろ!」


 レッドが何度も叫び続けると徐々に攻撃の手は静まっていった。


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