ep.61 八軍閥の国・フリサコ 侵攻
カルガポルの領主の館にある会議室で俺たちは、フリサコへの侵攻について議論していた。
クラインが言う。
「フリサコ領主・ルタウサ=ホードマンは、臆病で慎重な方と聞いております。
おそらく、籠城戦に持ち込まれるかと思います」
レキが問う。
「クライン殿になにか策はおありか?」
「あまり好まれる策とは思えませんが、周囲の村々を焼き、城に人を集めます。
そこでカタパルトで動物死骸を送り込み、飢えと病気に怯えさせ開城を迫るといった手がございます。
城砦自体が小規模なため、効果はあるかと思われます」
俺が言う。
「今後の統治を考えると、出来れば避けたい戦い方だね」
レッドが言う。
「じゃあ、トンネル掘って、城壁突破したらどうだ?」
レキが言う。
「正攻法だが、破城槌と油で門を破るのとトンネル、梯子の三つの組み合わせで行こう。
もし、それでうまくいかない場合は、クライン殿の策を用いる。
アニス、これでどうだ?」
(クラインの策は、後々の影響が大きいからあまり使いたくはないが、他に手がなければ仕方ないか・・・)
エルマが言う。
「誰か城砦内部で調略できる者はいないのか?
もしいれば、その者に門を開けさせることが出来る」
クラインが言う。
「残念ながら、工作の時間もなく、そのような者がおりませんな」
俺が言う。
「レキの提案で行こう。
ただし、途中で調略できそうな者がいればそれも視野に入れて行う事」
レキが言う。
「基本戦術は、決定の通りにて。
今回の出陣の総大将はクライン殿、副将にレッド、客将・グルガス殿、軍師・レキ、エムリア軍200、アルタージュ王国軍100の計300にて出陣することとする。
アニスとエルマは、カルガポルの守備を頼む。
アニス、これでいいか?」
「分かった」
(はじめて、戦いを人に任せることになったな・・・)
翌日、クライン率いるフリサコ攻略軍が、進軍していくのを俺とエルマは見守っていた。
「無事、攻略できると良いのですが」
「そうだね、それでみんな無事に帰って来て欲しい」
(戦争させているのに綺麗ごとか・・・)
見送った後、俺とエルマは執務室に戻った。
執務室には、今日も多くの人が訪れて来た。
レキがいないので細かい実務は後日に改めてというケースが多かった。
(こうやって考えると事務方の優秀な人材も揃えていかないと立ち行かないな)
「エルマ、拠点を立ち上げてすぐだから仕方ないのかもしれないけど、国を大きくするにあたり、人が足りないね」
「はい、国を運営するにあたり、多方面の多くの優秀な人材が必要となります。
現時点、仰る通り、不足しているのは否めません」
(なんか、武闘派ぞろいだからな・・・)




