ep.57 カルガポル占領
日が昇りはじめ、辺りが明るくなりはじめた。
敵総大将・ドワイト=マルクーゼは、逃亡し、捉えることが出来なかった。
俺たちは、メエラに続きカルガポルの占領に成功した。
俺とレキは、敵将軍・クラインと面会していた。
クラインは思った。
(この小さな少女がエムリアの王女で、武聖なのか・・・)
「私の命は差し出しますので、兵士たちにはどうか寛大なご処置を」
レキが言う。
「兵士たちの身の安全は保証します。
ただ、クライン殿には、我が軍の力になってもらいたい。
ハッサム殿にも言いましたが、統治するにあたりこの辺りをよく知るあなた方の力が必要と考えています。
如何ですかな?」
「お言葉は嬉しいですが、私のような老骨が役に立つとも思えませんが」
俺が言う。
「先日の戦いは見事だったし、兵にも慕われている様子、その力貸して欲しい。
私たちは、今は侵略者だけども、統治にあたり民が豊かに平穏に暮らせる世を目指しているの」
「むう、少し考える時間を頂けますかな?」
「分かった、その間に、ゆっくり足のケガを治しておいてね」
俺とレキは、執務室に戻るとエルマが待っていた。
「クライン殿は、こちらに付いてくれそうか?」
「五分五分といったところだ」
「そうか、捕虜になった兵士たちは解放するのか?」
「その予定だ。
我が軍の兵士になるもよし、民間人になるもよしだ」
「今後の拠点は、カルガポルに置くのか」
「当面は、それがいいと考えているが、アニス、それでいいか?」
「うん、それでいいよ」
「フリサコもしくはシアタへの侵攻はどうする?」
「兵も疲れているし、先にメエラとカルガポルを固めないとな、それと政治および軍の体制を構築しないといけない」
「ある程度は考えてあるのだろう?」
「ああ、まずは、宰相兼軍師を私、ロイヤルナイト兼将軍にエルマ。
ナイト兼百人隊長にレッドを筆頭とし、クライン殿、キース。
従士にスワリス、ハッサム殿。
また、この辺りに詳しく腕が立つオリバは私の護衛としようと思う。
アニス、エルマ、意見があれば言ってくれ」
「私はアニス様の判断に従います」
「いいと思うよ、それで」
翌日、俺、エルマ、レキ、レッド、スワリスは、領主の館の食堂で食事をしていた。
「と言う訳で、レッドがナイト、スワリスが従士になるんだけど受けてくれる?」
レッドが、野菜スープにパンをつけながら言う。
「俺は別にいいぜ、断る理由もねえからな」
スワリスが言う。
「別にいいんだけど、従士って何?」
レキが説明する。
「従士ってのは、下級騎士のことだ」
「下級騎士って、私が騎士様の端くれになるってことかい?」
「まあ、そうなるな、不満か?」
「いや、不満というか、私みたいな汚い世界歩いて来た人間が騎士様とは、世も末だと思ってね」
「まあ、以前には命狙われたしね」
「エルマ、それ、まだ根に持っていたのかい?」
「あははは」
「ふふふふ」
二人は同時に笑った。
(怖っ・・・)




