ep.56 八軍閥の国カルガポル 攻略戦
闇夜に紛れて桟橋を降りたエムリア軍は、レッドを先頭に敵兵に襲い掛かった。
不意をつかれたカルガポル軍は、陣形などなく散り散りの状況で、次々と倒されていく。
敵が鉄槌を振り上げると、同時にレッドが剣を切り上げる、鉄槌を持った腕が血を飛び散らしながら吹っ飛ぶ。
「遅えよ!」
「うぎゃあああああ!」
水平に剣を走らせると、横から来た敵の胴から血と内臓がこぼれる。
「ぐああああああ!」
オリバは、レッドの戦いぶりを見て驚いた。
「あのガキ、とんでもねえな・・・」
オリバのもとにも敵が来て、打ち合いになる。
エルマが叫ぶ。
「第二陣、突撃を開始せよ!」
「待ってたぜ!」
グルガス率いるアルタージュ王国軍が突撃する。
・・・・・・
将軍・クラインは、後退する兵たちに向かって叫ぶ。
「恐れるな! 私も出る、押し返せ!」
将軍・クラインが、剣を二振り、三振りするとエムリア兵が吹き飛ばされる。
「へえ~、おっさん、やるじゃねえか・・・」
血で染まった剣を、レッドが構える。
互いにじわりじわりと間合いを詰める。
クラインの鋭い突き、体を傾けて避けると、レッドが水平に剣を払う。
クラインは、剣を立てて受け、回してはじくと再び突く、レッドが剣を回して弾きつつ、突きを入れる。
クラインは鋭く払い、切り込む、十数合、レッドと打ち合いになる。
お互いの剣が交わり、つばぜり合いとなるが、レッドがバックステップで飛び、間合いをとる。
グルガス率いるアルタージュ王国軍が、浮足立っているカルガポル軍を徹底的に引き裂くと総崩れとなる。
ついには、本陣にいるドワイト=マルクーゼにも刃が迫ろうとしていた。
ドワイトが叫んだ。
「退却だ!退却するぞ!」
付き人が尋ねる。
「退却とは、いったいどこに?」
「コルンの領主は、私の甥だ、コルンを頼ってみるぞ」
「撤退だ!活路を開け!」
クラインは、兵を鼓舞しながら後退をはじめる。
「まて、逃がさねえ!」
追おうとしたレッドの前に兵が立ちはだかる。
「クライン様のもとには行かせん!」
レッドと打ち合いになる、レッドは剣を受けると受け流し、相手の顔面に肘うちを叩き込む。
「ぐうっ」
クラインは撤退を試みるが、突如、足に激痛が走り、転倒した。
(ん!)
ふくらはぎに棒手裏剣が刺さっていた。
「ここまでか・・・」
クラインは覚悟した。
「先ほどの戦い、見事だった、殺しはしない、降伏して欲しい」
クラインが見上げると、騎馬にのった白い髪の美しい少女だった。
「ふっ、好きにするといい・・・」
クラインは剣を置いた。
「姫殿、やりましたな」
グルガスが馬を寄せて来た。
エルマが叫ぶ。
「抵抗をやめよ!さすれば命は保証する!」
残ったカルガポル軍は、武器を置き、投降の意思を示した。




