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ep.46 首都イズアラ入城

 ホマウド軍と俺たちは、東領軍がいなくなった首都イズアラへと入城した。

 首都と言うだけはあって、バルロックの5倍の広さの城塞都市とのことであった。


 俺は、ホマウドの妹として、王家の者の部屋が一室あてがわれた。

 侍従ということで、勿論エルマにも同室に入ってもらうのだが。


 俺とエルマは、王家の浴場に入らせてもらい、キレイサッパリした後、祝勝会でごちそうをたらふく食べた。


 ただ、ホマウドが妹、妹とか言って、あちこち触ってくるのが嫌だった。


 俺は、ごろりとベッドに横たわった。


「食べ過ぎて、疲れた~

 ベッド、ふかふか~」


(なんか、こんなに満ち足りたのは、こっちに来て初めてじゃないか・・・)


 エルマは近くの椅子に座り、ふっと息をして言った。

「祝勝会、みんな楽しそうでしたね」


「うん、レッドは破裂しちゃうんじゃないかって心配になるくらい食べていたし、キースとスワリスは、意地になって飲み比べして、キースが虫の息だったし、レキは女性に囲まれて鼻の下伸ばしてたし、みんな面白いね」


「うふふふ、本当に」


 俺は寝そべったまま、両手で頬を支えながら言った。

「そういえば、レッドになんで付いて来てくれたのか聞いたのだけど、何でか分かる?」


「さあ、レッドことだから面白そうだからとかじゃないですか?」


「エルマ、すごい。

 そうそう、面白そうだからって言ってたよ。

 でも、もう一つあって、なんか大物になって迎えに行きたい女性がいるらしいよ」


「雑技団に?」


「たぶんそうだと思うけど、ガキがませてるんじゃねえって、それ以上は教えてくれなかった。

 自分もガキなのにね」


「でも確かに、アニス様は少しおませかもしれませんね」


「あっ、エルマが意地悪言う~」

 俺は頬を膨らませた。



 祝勝会会場では、居残り組がまだ食事と酒を楽しんでいた。


「俺はまだ飲めるぞ~」

 テーブルを枕にキースが、寝ぼけたことを言っている。


「本当にだらしないねえ・・・

 レッド、こっちに来て一杯やろうじゃないか」


「あ、ああ、いいぜ・・・」

 食べ過ぎて気持ち悪そうに、よろよろとレッドが対面に座る。


 スワリスは、レッドの盃に葡萄酒を注ぎながら訊く。

「あんた、年の割には強いねえ、どこで武術をならったんだい?」


「習うっていうか、まあ、しいていうなら団長からかな」


「団長?アニス?」


「いや、俺は雑技団出身でそこの団長から、色々と教わったな」


「へえ~、その団長ってのも強かったのかい?」


「強かった、いや強いなんてもんじゃねえ。

 俺なんて全く歯が立たなかったな」


「へえ、あんたがかい?」


「ああ、まったくな・・・

 そういや、みんな元気でやっているかな~」


「おや、ホームシックかい?」


「そんなんじゃねえよ」


「そう言えば、強いって言えば、ドラゴンハンターって知ってるかい?」


「ドラゴンハンター?

 ドラゴンっておとぎ話に出てくる怪獣だろ?」


「実際にドラゴンなんていやしないさ。

 でもそんな怪獣みたいな奴を仕留めるくらい強いからドラゴンハンターって呼ばれるんだってさ」


「ドラゴンハンターって何者なんだ?」


「三人組でね。それぞれの通り名が、最強、最凶、最狂の三きょうなんて言われている」


「本当にそんな奴らいるのか?」


「さあ、傭兵の中で囁かれている、それこそおとぎ話さ」


「でも、そんな奴らがいるならあってみて、勝負してえな」


「まずは、その雑技団の団長を倒してから言いなよ」


 少し離れたところから、女性たちに囲まれたレキの声がした。

「そうなのだよ。

 何を隠そう、今回の攻城戦の策を考えたのが、この大陸一の天才・レキ=エシアルトなのだよ、あはははは」


 スワリスが、うんざりした様子で言った。

「あいつも、ああいう所が無ければいい男なんだけどね・・・」


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