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ep.45 首都イズアラ攻略戦3

 首都イズアラの王の寝室では、ルカセンが美姫を抱いていた。


「お忙しいところ失礼致します」

 部屋の外より、参謀・マルセルが声を掛けた。


「今は忙しい、後にしろ」


「南門が突破されました」


「なんだと!」

 ルカセンは、美姫を突き飛ばすと、立ち上がり叫んだ。


「入って、報告せよ」


 裸体のルカセンに控えていた女官が、衣服を纏わせる。


 マルセルは恭しく一礼すると、静かな口調で言う。

「南門が突破され、南門大通りで交戦中です。

 守将・カトリーヌ=ボースターブは討ち死にしました」


「不愉快な報告だな」


「はっ、申し訳ございません。

 敵の勢い激しく、このままでは、王城に到達するのも時間の問題かと思われます。

 損害が大きくなる前に、東領へ撤退し、体勢を立て直すのが上策かと進言致します」


「正当な後継者は私だぞ、その私が首都から逃げ出さなければならないというのか!」


「正当な後継を守るためにも、ここは一旦退いて頂きたく。

 判断が遅れれば、それこそホマウド様の思うつぼですぞ」


「おのれホマウド、今日の事は忘れんぞ。

 やむを得ぬ、撤退の準備を進めろ!」


「はっ、東門が手薄ですのでそちらを突破して参りましょう」




 西門側のホマウド軍本陣では、兵士が報告する。


「南門を突破し、現在は南大通りにて交戦中です。

 我が軍の勢い強く、お味方優勢の状況です」


 ホマウドは、微笑を湛えて言った。

「さすがは我が妹、よい働きではないか」


 将軍・ティノールが指示を出す。

「南方面軍は、そのまま南大通りを占拠の後、西門を攻略せよ!」


「はっ」

 控えていた使者が、馬を駆って飛び出して行く。


 参謀・ノベアスが進言する。

「近々、ルカセン様が東門より撤退をされるでしょう。

 東方面軍は、手薄にするのがよろしいかと」


「何を言う、兄を捕まえる好機ではないか?」


「首都の敵残存兵力も多く、北東のマスレから援軍が来れば東方面軍は挟撃されるおそれがあります。

 それに窮鼠猫を噛むとも申しますので、ここは無理をなさらない方がよろしいかと」


 ノベアスが続ける。

「それと、城の兵も同じ国の兵です。

 罰することはせず、こちらに付くように訴えかけるべきかと」


 ホマウドが言う。

「分かった、お前に任せる」


「はっ」

 ノベアスは一礼すると、本陣より退席した。


 ・・・・・・


 間もなくして俺たち南方面軍の攻撃に耐えきれず西門が降伏し、門が開くと西領本軍も城内で合流した。


 不利な戦況を察知した王城、北門、東門に残るルカセン軍は、その日の内に撤退を開始し、多くの兵が降伏を申し込んで来た。


 敵将ルカセン=バイヤーグンは、東の囲みを破り、北東のマスレ城砦を経由して、東領本拠地である城塞都市キタセラへと退却した。


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