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ep.33 戦闘準備

 俺は、女官たちに連れられて別室でまた着替えをさせられていた。


 武聖として戦争に挑む中、武聖はある程度目立つ必要があるためということで、黒色のバトルドレスを身に付けさせられた。

 ドレスなので少しひらひらが付いているが動きは悪くない。


(ホマウドの趣味か?)


 俺は着替えた後、客間でエルマ達と合流した。


「おっ、アニス似合うじゃないか」

 レッドが褒めてくれる。


「うん、ありがとう」


 レキがぼやく。

「それにしてもアニス抜きで左翼の突破は至難の業だぞ」


「大丈夫、指揮はエルマが執るし、突破なら俺が何とかしてやるよ!」

 レッドは力強く言った。


 レッドが続ける。

「それにしても、レキはいつの間に軍師って自分を売り込んでいたんだ」


「成り行きだ、霞のような肩書でも付けとかないと言葉に説得力が出ないからな。

 5000対4000の数的には不利な状況での戦いだ、左翼の突破のスピードがものをいう戦いだ。

 エルマ、レッド、頼むぞ」


「おう、任せておけ!」


 エルマが応じる。

「問題は、左翼前面に本当にそれなりの精鋭を配置して貰えるかだな。

 場合によっては、我ら縦隊で強引にこじ開ける必要が出てくる。

 その際は、レッドが要になる」


「おう、楽しくなって来やがったぜ」


(こいつマジか・・・)


 レキが続ける。

「それと、この戦いは勝つことが必須だが、今後のことを考えて目ぼしい傭兵がいたらチェックしておいてくれ、我々の私兵団に加えていくからな」


「分かった」


「エルマ、レッド、危険な役割だから気を付けてね」


「俺はこんなのなんともねえよ」


「アニス、あなたも十分気を付けて」


「終わったら、祝杯あげようぜ!」


「うん、そうする!」


「じゃあ、そろそろ私たちも行くとしよう」




 バルロックの東、ガルム平野では、ホマウド軍はルカセン軍を迎え撃つため、布陣を進めていた。


 レッドとエルマは、左翼へ、俺とレキは中央軍へと馬を進めた。

 ホマウドたちは既に中央の陣へと来ていた。


「待っておったぞ、アニスティア王女。

 ほお、ドレスが良く似合っているではないか」


「恐れ入ります」


 俺はあてがわれた席に着くと、短刀、棒手裏剣、短槍に不備が無いかを確認した。


(特に問題なし・・・)


「ほお、ご自身の装備にもしっかり気を遣われておられるようで感心ですな」

 そう言ったのは、先ほど戦ったグルガス百人隊長であった。


「もう大丈夫なのですか?」


「はっはっは、丈夫さが取柄ですからな!」


「それは良かったです」


 兵士が本陣へやってくる。

「申し上げます、ルカセン軍がやって参りました。

 総大将は、ドロイゼン=ボースターブ」


 将軍・ティノールが呟く。

「戦巧者のドロイゼンか、手ごわい奴が来たものだ・・・」


 ティノールが陣を出て叫ぶ。

「全軍、戦闘配置に付け!」


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