ep.30 西領拠点バルロック
俺たちは、ノベアスと共に西領・ホマウド=バイヤーグンの拠点である城塞都市バルロックへと向かった。
馬で四日ほどの行程、戦時中のため多くの傭兵が街道を行き交っていたが、特に交戦になることもなく、バルロックへと到達した。
大国アルタージュ王国の西の要でもあり、西領の拠点バルロックは、巨大な城塞都市であった。
「うわ~、ここも大きいね~」
「外壁、内壁の二重構造となっております」
俺たちは、城門を潜ると、今までの城塞都市と同様に広い通路や広場、マーケットがある。
(こうやって見ると、ここも広いし人も多いがテイザークの広さや活気は異常だったんだな・・・)
ノベアスが言った。
「とりあえず、城の方へ、そこでくつろいで頂ければと思います」
俺たちはノベアスに従い、城の方へと向かう、城門は固く閉ざされていたが、ノベアスが門兵に声を掛けるとすぐに開かれた。
「さあ、こちらへどうぞ」
俺たちは場内の通路を通り、客間へと案内された。
「とりあえず、食事を持ってこさせますので、こちらの部屋でしばらくお待ちください。
私は、ホマウド様に同盟の件について話をして参ります」
そう言うとノベアスは一礼して退出していった。
しばらくすると食事が運ばれてきた。
香辛料の効いた数種類のカレーとナン、野菜サラダにフルーツ、清潔な水だった。
「いただきます」
レッドは遠慮なく食べ始める。
俺はエルマの顔を伺うと、エルマが頷いたので食べることにした。
「いただきます」
緑色のカレーにナンを付けて食べるとほどよい辛さと青臭さが絶妙に混ざりあい上手い。
「おいしい!」
「そう、良かった」
エルマも微笑みながらシーフードのカレーとナンを食べ始めた。
レッドは、次々とカレーとナンを平らげていく。
(すごい食欲だな・・・)
ホマウド=バイヤーグンの執務室にて、ノベアスは、ホマウドに状況の報告をしていた。
ホマウド=バイヤーグンは今年31歳になり、日に焼けた顔、目には野望と精力が爛々と輝いている。
ホマウドは、テーブルに両手をつきながら、手で羽ペンを回しながら聞いていた。
「亡命ではなく、同盟か、何かの間違いではないのか?
そもそも私がそのようなふざけた条件をのむとでも?」
「殿下、今の戦況を考えると、このままではルカセン様の軍に押し込まれてしまいます。
何かしら状況を変えるモノが必要かと思います」
「それが、武聖の力と言う訳か?」
「はい、少人数ながら実力は本物ですし、何よりアニスティア様は、目立ちます。
武聖がともに戦うとなると士気に大きな影響があると思われます。
勝ち馬に乗ろうと傭兵の中には東領に動くもの達も少なくない様子。
もし役に立たないとご判断されれば、その時点で切り捨てればよいだけのこと」
「ふむ・・・」
「如何でしょうか?」
「お前がそこまでいうのであれば、良かろう。
いつでも切り捨てられる駒でもあるしな。
まあ、とりあえずは会ってみよう」
(亡国の王女で武聖か、さて、どんなものか・・・)
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『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』




