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ep.12 自由都市テイザーク1

 俺たちを乗せた武装商船が、数日の航海を経ると、いよいよ自由都市テイザークが眼前に姿を現した。

 トールロイをはるかに凌ぐ城塞都市だった。


 俺たちは甲板でそれを見ていた。


 エルマが指さして言う。

「アニス見てごらん、あれがテイザークよ」


「あれがテイザーク・・・

 すごく大きいね!」


「そうね。

 港も外港、内港とがあるわ。

 内港は、あの大きな門をくぐって入るのだけど、私たちは外港ね」


 外港には、多くの帆船が止まっていた。

 商船や軍船なのだろうが、俺には判断がつかなかった。


 武装商船は、順調にテイザークへと近づき、外港へと寄港する。


(俺の現状、進む先、不安や恐怖が無いわけではない。

 元の俺よりもずっと年下であろうエルマが頑張って支えてくれているんだ。

 俺もしっかりしないとな・・・)


 桟橋へと着き、俺たちは馬を引き、船を降りる。

 降りる際、あの短刀雑技の男を見かけた。


「おじさん、ありがとう、楽しかったよ」


「そうかお嬢ちゃん、気を付けてな、良い旅を。

 また、縁があれば」


「うん、またね」


 ブルックがエルマに声を掛けている。

「姉さん、俺たちもまた縁があれば、酒くらい付き合えよ」


「そういう縁があればね、無いとは思うけど」


「相変わらずつれねえな」


 俺たちは下船すると、地上のテイザークの門へと向かった。

 そこには人や荷車で行列が出来ており、入門の目的を門番が確認している。


 俺たちの番になった、門番が問う。

「どこから来た?入門の目的は?」


「ミゼル王国から、しばらくはここで仕事を探すつもり」


「傭兵か?」


「そうよ、護衛や用心棒を生業にしている」


「そっちの子は?」


「見習い中、筋は悪くないわ」


「まあ、いいだろう、入れ」


「ありがとう」


 俺たちはテイザークの中へと足を踏み入れた。

 トールロイより広い道路がはしり、多くの建物、露店、人、人、人、そしてすごい活気、どこからか楽器の音がしてくる。

 奥には広場があり、マーケットがあり、大道芸人が火を噴いている。


「す、すごい・・・」

 俺は息をのんだ。


(本当に中世の大都市だ・・・)


「いくよ、アニス」


 俺たちは幅広の舗装された道路を歩いた。


「すごい、道が舗装されている・・・」


「そうね、この中心街と新市街は石畳で舗装されているわ。

 この街には、中心街、新市街、旧市街があるわ。

 一般の人は旧市街に多いわね、危ない場所もあるから一人で勝手な行動はとらないように」


「わかった、今からどこに行くの?」


「旧市街に行って、宿を探すのと、装備を整えないと」


「わかった」


 俺たちは新市街を抜け、旧市街へと向かった。


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