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ep.9 身ぐるみを剥ぐか否か

 船長室には、船員が複数集まっており、室内は熱気に満ちていた。

 ブルックは、ラム酒をあおりながら言った。


「でだ、諸君、乗客をどうするか?

 そろそろ諸君の意見を聞きたい」


 船員達が、ブルックの問いかけに応じる。


「それほど数もいねえ、さっさと身ぐるみ剥いじまえばいいんじゃないか」


「そうだ、上玉の女も乗ってるしな」


「俺もあの女とはやりてえ」

 股間をおさえながらブルックが言うと、船員たちが下品な笑いをこぼした。


 ブルックが、後ろで腕を組んでいる男に声を掛けた。


「で、うちの切り込み隊長は、どう思う?」


 問われた男は、眼光鋭く、静かに応じる。

「あの姉妹は、上玉だ」


「だろ、じゃあ、決ま・・」


 男は、ブルックを遮るように言う。

「だが、死人が出る」


「死人だと」


「あれは相当の手練れだ、俺が短刀投げで道化を演じている時も、一切の隙がなかった。

 数で押し切るとしても、多くが死ぬ。

 割にあわねえから、俺は降りる」


 他の船員が、男に向かっていう。


「女傭兵ごときになにびびってるんだ?

 切り込み隊長様ともあろうものがよ!」


 ビッと鋭い音がすると、そう言った男の首の横すれすれの壁に短剣が突き刺さる。


「殺すぞ・・・」


 室内が静まり返る。

 ・・・・・・


「で、船長どうするんだ?」

 他の船員が伺うように問う。


 ブルックは腕を組み少し考えた様子で言った。

「今回は、乗客から船賃をぼったくってる。

 それで我慢するとしようか。

 酒だ、今日は女の代わりに酒だ」



 襲撃が中止されたことを知らないエルマは、警戒しつつ船室内で俺の横に座っていた。

 エルマは、隣で寝ているアニスの横顔を見て考えた。


(私は、この幼い王女を守りきれるのだろうか?


 記憶喪失や混乱は、投石?恐怖?それとも武聖の血の影響なのだろうか?


 テイザークは亡命を受け入れてくれるだろうか?


 国や仲間はどうなったのだろうか?


 街に残してきた父や母は無事だろうか?


 この先、どこまで戦えばいいのだろうか?)


 多くの疑問、先の見えない不安を感じつつ、エルマは自分の膝をぎゅっと抱いた。


(この子には私が必要だ。

 しっかりしろ、ロイヤルナイト・・・)


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