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【第16話】「恋人っぽい」デート~秘密の約束~

翌朝の食堂で。


《狂刃》先輩が朝食を終え、出て行った後。

僕は、席を立とうとする《毒蛇》先輩を呼び止めた。


「あの、《毒蛇》先輩」


「ん、どうしたの?」


《毒蛇》先輩は、いつもの優しそうな笑顔で微笑む。


「今度、ちょっとお時間いただけませんか?」


僕がそう言った瞬間、《毒蛇》先輩が、わずかに目を見張った。


「……それ、どういう意味?」


「お聞きしたいことがあって」


――《断罪》先輩が怒ったのは、「恋人」として、何か失敗してしまったからかもしれない。


「《毒蛇》先輩は……そういうの、詳しいんですよね?少し、教えてもらえませんか」


そのまま言うと、《毒蛇》先輩は笑顔を消して、僕の顔を覗き込むように、じっと見た。


「……なるほどね」


小さく、呟く。


「そういう結論になるんだ」


「?」


首を傾げると、《毒蛇》先輩は、またすぐにいつもの穏やかな笑顔に戻る。


「じゃあ、『恋人っぽい』デートでも試してみようか」


「『恋人っぽい』デートですか?」


きょとんとして聞き返すと、《毒蛇》先輩は目を細めた。


「実践した方が早いでしょ。ちょうどいいから、ついでにブレスレットも買い直しに行こう」


「いいんですか?」


そこまで時間を使わせるつもりじゃ、なかったんだけど。


「うん、いいよ。楽しそうだし」


《毒蛇》先輩は軽い調子で頷く。


「休み、確認しておくね。今は任務の予定もないし、合わせられると思う」


「ありがとうございます。では、よろしくお願いします」


――よかった。


《毒蛇》先輩は、やっぱり優しいな。



夕方、食堂での仕事を終えて賄いを食べようとすると、また《狂刃》先輩がやってきた。


「あ、《狂刃》先輩。お疲れ様です」


「……ああ」


なぜか昨日と同じように、また僕の前の席に座って、メニューを広げる。


ふとその手に視線を向けると、いつも着ている黒い上着の袖口が、わずかに裂けているのが目に入った。


「あの、《狂刃》先輩。そこ、少し破れてます」


《狂刃》先輩は初めて気がついた様子で、袖口を見る。


「……ああ、さっきまで訓練してたからな。たいしたことねえ」


「訓練ですか?」


任務のない日には、それぞれが自由にギルドの施設を使って訓練や研究をしている。

Aランク暗殺者の訓練って、どんな感じなんだろう。


「《狂刃》先輩の訓練、すごそうですね」


「……すごそうって何がだよ。別に普通だ」


《狂刃》先輩はむず痒そうな顔をして、溜息をつく。


「よかったら、上着貸してください。すぐに直せますから」


「は?お前が?」


「はい、装備の修繕も、仕事のうちなので」


《狂刃》先輩は、一瞬迷ったように僕を見てから、上着を脱ぐ。


「……ほらよ」


――料理が来る前に、済ませてしまおう。


僕はポケットから裁縫道具を取り出して、袖口を縫い付けていった。


「……手慣れてんな」


僕の手元を見ながら、意外そうに《狂刃》先輩が呟く。


僕は、手を動かしながら答えた。


「施設では、よくやっていましたから」


「……」


……よし、できた。


布を整えてから、ふと顔を上げると、《狂刃》先輩の視線とぶつかった。


「……どうかしましたか?」


《狂刃》先輩は、視線を逸らそうとして失敗したみたいに、ゆっくりと、僕が持つ上着に視線を落とす。


「……別に。助かった」


そこへ。


「――楽しそうだね」


穏やかな声がかかる。

振り返ると、《毒蛇》先輩が立っていた。


「あ、《毒蛇》先輩。お疲れ様です」


《毒蛇》先輩はにこりと笑い、僕の顔を覗き込んでくる。


「朝の約束だけど、君がよければ、来週でどうかな?」


「はい、僕はいつでも大丈夫です」


高ランクの暗殺者とは違って、特に重要な任務があるわけでもない。

事前に申請すれば、休みをもらえるはずだ。


そう思って頷いた、そのとき。


「……おい」


《狂刃》先輩が、低い声で呟いた。


「……お前ら、何の話だ」


その視線は、《毒蛇》先輩に向いている。


「デートの約束の話だけど?」


《毒蛇》先輩がさらっと答えると、《狂刃》先輩の眉が、ぴくりと動いた。


「……は?」


声が、一段と低くなる。


同時に、近くにいた暗殺者の人たちが、こちらをちらちらと伺う気配がした。


「別にいいでしょ?もう恋人がいるわけでもないし。気晴らしに出かけるだけ」


「何か問題がありましたか?」


「……」


僕が尋ねると、《狂刃》先輩は押し黙った。


舌打ちして、視線を逸らす。


それから、低く吐き捨てた。


「……妙な真似すんなよ」


こうして、僕は《毒蛇》先輩と、「恋人っぽい」デートをすることになった。


——それが、どういうものかもよく知らないまま。


※※※


そして、約束の日。

僕は、この前《毒蛇》先輩から買ってもらった服を着て、食堂で待っていた。


……なんだか、妙に視線を感じる。


「あれ……《天然》だよな?」

「ちゃんとしてりゃ、けっこう見れる……」


そんな呟きが聞こえてくる中、《毒蛇》先輩が入ってきた。

無駄のない黒のロングコートに、首元の開いた白いシャツ。装飾は少ないのに、かえって目を引く。


「お待たせ」


微笑んだその瞬間、食堂の空気が、なぜか浄化された気がした。


《毒蛇》先輩は僕の姿をじっと見て、小さく首を傾げる。


「……その格好、全部この前と同じだね」


「はい、お洒落な服はこれしか持ってないので」


素直に答えると、《毒蛇》先輩は苦笑した。


「……君らしいね。まあ、そういうのも含めて教えればいいか」


……あれ、もう何か間違えたのかな?


「じゃ、行こうか」


そう言って《毒蛇》先輩は、当たり前みたいに、僕の手に指を絡める。


ギルド内の視線が、一斉にこちらを向いた。

食堂の女性店員たちは、なぜか白目をむいている……どうしたんだろう。


――ふと、食堂の奥に目をやると。


《狂刃》先輩が、苦い顔で――何か言いたげに、僕たちを見送っていた。



手を繋いだままで歩いていると、道行く人たちの視線が刺さった。


「あの、なんだか見られているみたいですけど」


「そうだね。でも、気にしなくていいよ」


「そうなんですか?」


「うん、恋人なら、これくらい普通だから」


《毒蛇》先輩はにこりと笑って、絡めた手を持ち上げてみせる。


その指先が、そっと僕の手を撫でた。


「そういうものなんですね」


ゆっくりと大通りを歩きながら、《毒蛇》先輩が思い出したように口を開く。


「そうだ、服装の話だけど」


「はい」


「選ぶ時は、『誰とどこに行くか』を基準にするといいよ」


「誰とどこに行くか、ですか?」


《毒蛇》先輩は頷き、自らが着ている黒いコートを示す。


「例えば、今日は装飾品店に寄るでしょ?そういう場所では、客にもある程度の品が求められるから、ただの普段着じゃ浮く」


「なるほど」


「あとは、相手にどう見せたいか、だね」


「相手に、どう見せたいか……?」


「うん。可愛いとか、かっこいいとか、お洒落だとか、そういうの」


「……そういうの、みんな考えているんですか?」


僕は目を丸くする。そんなことは考えたこともなかった。

《毒蛇》先輩は僕の反応を確かめるように、くすりと笑う。


「恋人ならね、相手にどう見られるかは、ちゃんと気にするものなんだよ」


……つまり、相手に良く思われればいいのか。


「相手に合わせて印象を作るんですね。潜入任務みたいです」


僕が納得して頷くと、《毒蛇》先輩は一瞬、言葉を失った。


「……いや、全然違うけど」


「あれ、そうなんですか?」


――そして、可笑しそうに肩を揺らす。


「……ほんと、飽きないよね、君」


笑いながら、《毒蛇》先輩は僕の手を引いた。


「時間は沢山あるし、少し服も見て回ろうか」


《毒蛇》先輩はこの前とは違う服屋に入り、僕に似合いそうな服や、組み合わせ方を教えてくれる。


「せっかくだし、気に入ったものは全部買っていこうか。ギルドに送ってもらえばいいし」


……全部?ギルドに送る?


「いえ、そんなに沢山いいです。この前も頂きましたし」


「大丈夫。似合うものを揃えるだけだよ」


……もしかして、《毒蛇》先輩、ものすごくお金持ちなんだろうか。


そうこうしているうちに、昼食の時間になる。


「そろそろ昼だね。軽く食べていこうか」


「はい」


言われるままについていくと、《毒蛇》先輩が入ったのはお洒落なカフェだった。

照明は控えめで、濃い茶色の壁に、高級そうなランプが等間隔にかけられている。


静かで落ち着いた雰囲気だ。こんな場所には来たことがない。


「ほら、おいで」


《毒蛇》先輩は奥の席に進むと、僕に椅子を引いてくれる。


「ありがとうございます」


席につくと、《毒蛇》先輩は、慣れた様子でメニューを開く。


「何か、食べたいものある?」


聞かれてメニューを覗き込むと……なんだかよくわからない料理名ばかりだった。

しかも、値段の桁が、ひとつ多い気がする。


「ええと、すみません、よくわからないんですけど」


正直に言うと、《毒蛇》先輩は微笑んだ。


「じゃあ、何か食べやすいもの、適当に頼もうか。君、好き嫌いないって言ってたよね?」


「はい、お願いします」


《毒蛇》先輩は店員を呼び止め、聞き慣れない料理名をいくつか並べながら、迷いなく注文していく。

まるで呪文でも言っているように見えた。


店員が下がり、料理を待っていると、また視線を感じる。

見られているのは僕じゃない。《毒蛇》先輩だ。


特に女の人は、ほぼ全員《毒蛇》先輩の王子様みたいな顔に釘付けで、うっとりと見惚れている。


「……すごいですね。みんな、《毒蛇》先輩を見てます」


僕は小声で《毒蛇》先輩に話しかける。


「ああ、気にしなくていいよ。今は君といるし」


《毒蛇》先輩は、慣れた様子で僕の顔を見て、にこりと微笑んだ。


……そういえば。


《教授》先輩に教えてもらった、「一般的な恋人の定義」。

そのうちのひとつに、「その相手を優先する意思」っていうのがあった気がする。


「なるほど、そういう言い方が『恋人っぽい会話』なんですね」


僕が頷くと、《毒蛇》先輩は肩をすくめた。


「……ほんとに刺さらないよね、君。まあ、そこが面白いけど」


話しているうちに、料理が運ばれてきた。


色とりどりの具材が入った、一口サイズのサンドイッチみたいな料理。

そして、食用花やソースで彩りよく飾られ、カットされた肉料理と魚料理が、一品ずつ。


施設でも、ギルドの食堂でも、こんな華やかな料理は見たことがない。

《毒蛇》先輩はそれぞれを手早く皿に取り分け、僕の前に置いてくれる。


「フォークだけで食べれるから、固くならずに食べて大丈夫だよ」


そう言いながら、《毒蛇》先輩も、自分の料理に口をつける。

背筋はすっと伸びて、フォークを持つ指の動きは、しなやかで綺麗だ。


「《毒蛇》先輩は、こういうお店に慣れているんですね」


「まあね。任務で必要になることもあるし」


軽い調子で言ってから、《毒蛇》先輩の青い瞳が、すっと細められる。


「……君も、色々な経験をしておいた方がいいよ。こういうのも含めて、ね」



食事を終えると、《毒蛇》先輩はこぢんまりした宝飾店に入った。

鍵のかかったショーケースに、指輪やブレスレット、ネックレスなどが陳列されている。


《毒蛇》先輩は慣れた様子でブレスレットの並んだショーケースを軽く見て、僕に尋ねてきた。


「どれにしようか。君、どんなのが好き?」


僕は、すぐに答えられなかった。

そこに並んでいるブレスレット全部に、「キラキラと輝く石」がついていたから。


「……あの、《毒蛇》先輩」


「どうしたの?」


「これ、宝石ですよね?」


「うん、そうだけど?」


僕は、ショーケースに陳列されたブレスレットと、値札を見比べる。


……どう考えても、気軽にもらっていいものじゃない気がする。


「こんな高価なもの、もらえません」


僕が首を振ると、《毒蛇》先輩はこともなげに言った。


「どうせ買い直すなら、いいものがいいでしょ?……ほら、これ、君の瞳の色によく似合う」


そう言って《毒蛇》先輩が示したのは、薄緑色に光る宝石のついた、細身のブレスレットだった。


「つけてみようか」


軽い調子で言うと、《毒蛇》先輩はカウンターにいた店員を呼ぶ。

上品な黒服を着た店員が鍵を開け、ブレスレットをそっと取り出した。

《毒蛇》先輩と一緒に革張りの椅子に座り、試着させてもらう。


手をかざして見ると、銀色の鎖と、薄緑色の宝石が照明に反射して、きらきらと輝いた。

僕の顔と、手首に収まったブレスレットを交互に見て、《毒蛇》先輩が満足げに微笑む。


「うん、よく似合うよ」


その手が、自然に僕の手に重なる。


「でも、やっぱり僕がもらう理由がありません」


僕から「恋人を教えて欲しい」とお願いしたのに、ここまでしてもらうわけにはいかない。


でも、《毒蛇》先輩はなんでもないことのように言う。


「いいよ。僕があげたいからあげるんだから。恋人って、そういうものだよ」


「……そういうものなんですか」


「そういうもの。だって、これ見るたびに、僕のこと思い出すでしょ?」


耳元で、囁くような声が告げる。

なるほど、そういうことか。


「高価なものを贈って、相手に自分を印象づけるんですね」


僕が納得すると、《毒蛇》先輩は数秒固まって――次の瞬間、吹き出した。


「……装飾品を贈って、そんな感想言われたの、初めてだよ」


《毒蛇》先輩は肩を震わせて笑いながら、僕が止める間もなく、そのまま会計を済ませる。


……結局、もらってしまった。本当に僕なんかがもらって、いいんだろうか。



店の外に出ると、空が赤く染まっていた。


「もうこんな時間だね」


《毒蛇》先輩はブレスレットが収まった僕の手を握ったまま、近くの小さな公園を見る。


「疲れたでしょ?少し休憩していこうか」


「はい」


夕暮れの公園は静かで、周りの音が遠のいていくような気がした。


ベンチに並んで腰掛けると、ふいに《毒蛇》先輩の腕が、僕の肩に回される。

そのまま引き寄せられて、《毒蛇》先輩の肩にぴったりくっつくような体勢になった。


「……《毒蛇》先輩?」


なんだか、すごく近い気がするけど。


「恋人なら、こういう場所では、このくらいの距離感が普通だからね」


「そうなんですか」


《毒蛇》先輩の青い瞳が、確かめるように、僕の顔を覗き込む。


「どう?少しは参考になった?」


「はい。今日は色々教えていただいて、ありがとうございました。勉強になりました」


それを聞いた《毒蛇》先輩が、興味深げに問いかけてくる。


「ふうん?どんなことが勉強になったの?」


「ええと……」


さっきまでの流れを、頭の中で辿る。


――恋人同士なら、手を繋ぐのは「普通」。

――それから、「相手を優先する」会話。


僕は《毒蛇》先輩の手に、自分の手を重ねた。

《毒蛇》先輩の青い瞳を見上げて、口を開く。


「《毒蛇》先輩が、一番です」


そう言った瞬間。

《毒蛇》先輩が、わずかに目を見開いた。


でも、すぐにその意味を理解したように、目を細める。


「……君、本当に素直すぎるね」


「あ、でも、高価な贈り物はできないです。すみません」


慌てて付け加えると、《毒蛇》先輩は、ゆっくりと唇の端を上げた。


「いいよ、何もいらない」


そして、僕の頬に、そっと触れる。


「……代わりに、恋人のキス、試していい?」


「恋人のキス、ですか?」


……そんなものがあるのか。


「この前のキスとは、違うんですか?」


「うん、違うよ」


よくわからないけど、そんなので、高価な贈り物の代わりになるんだろうか?


「はい、そんなものでいいなら、どうぞ」


「……そんなもの、ね」


《毒蛇》先輩は、僕の顔をじっと見て、ふっと笑った。

細く長い指先が、僕の頬を滑る。


綺麗な顔が、僕に近づき――

ほんの一瞬、動きが止まる。


それから、唇が重なった。


……あれ?


なんだか、長い気がする。

これ、どうやって息をしたらいいんだろう。


「……っ」


思わず、指先が《毒蛇》先輩の服の裾を掴む。

すると、《毒蛇》先輩は少しだけ顔を離し、僕の顔を見つめた。


「……へえ、そういう顔するんだ」


僕は呼吸を乱したまま、その顔を見返す。

そういう顔って、どういう顔だろう。


「……今の、嫌だった?」


息のかかるくらい近い距離のままで、《毒蛇》先輩が尋ねてくる。


「いえ、苦しかったですけど、嫌ではないです」


「……そう」


わずかな沈黙。


「……本当に、嫌じゃないんだ」


次の瞬間。


今度は、さっきよりも強く、唇を塞がれた。

同時に、何か温かいものが、唇を割って入ってくる。


え……?


《毒蛇》先輩の手が、僕の腰を引き寄せた。


――距離が、なくなる。


甘い香りが、鼻腔をくすぐった。

僕の口内をなぞるように、その温かいものは、ゆっくりと動く。


「ん……っ」


苦しい。


自分でも聞いたことがないような、変な声が漏れた。


その瞬間、《毒蛇》先輩は、すっと顔を離す。

ようやく息ができて、僕は大きく息を吸い込んだ。


「すみません、苦しくて、何か変な声が」


「大丈夫だよ。それ、普通だから……ていうか、ずっと息止めてたの?」


「はい。どうやって息をしたらいいか、わからなかったので」


頷くと、《毒蛇》先輩は、そっと僕の頬を撫でた。


「……ほんとに、面白い」


《毒蛇》先輩は、何かを考えているかのように、しばらく沈黙する。


「……ねえ、また、こうして会おう」


「え?」


「『恋人』について、まだ、知らないこと沢山あるでしょ?僕が教えてあげる」


「でも、いいんですか?」


「いいよ。仕事が終わった後に……今度は、本当に秘密で」


「秘密、ですか?」


首を傾げると、《毒蛇》先輩は、指先で僕の唇に触れる。


「うん。僕と君だけの秘密。こういうのは、他人に見せるものじゃないからね」


「そうなんですね。わかりました」


夕日に照らされて、《毒蛇》先輩の金色の髪が、眩しいくらいに輝く。

その声は、いつもみたいに優しくて――どこか、楽しそうでもあった。

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