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帰り道、はなし話  作者: vastum


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「透明人間」

「ねえ」


「なに」


「変な質問していい?」


「また文学?」


「うん」


「ヒント」


「どうぞ」


「姿が見えない」


「幽霊?」


「違う」


「人間」


「……」


「分かった?」


「透明人間?」


「正解」


「ウェルズだよね」


「そう」


「姿が見えなくなる」


「ねえ」


「なに」


「透明になれたら」


「うん」


「何する?」


「難しい」


「考えて」


「うーん」


「うん」


「まず」


「うん」


「外歩く」


「それ普通じゃない?」


「違う」


「どう違う?」


「誰にも見られない」


「なるほど」


「そっちは?」


「私は」


「うん」


「本屋」


「なんで?」


「ゆっくり見る」


「それも普通」


「でも」


「うん」


「閉店後」


「……」


「それ」


「うん」


「ちょっとずるい」


「なんで」


「読み放題」


「確かに」


「ねえ」


「なに」


「透明ってさ」


「うん」


「自由そうじゃない?」


「そう見える」


「でも」


「うん」


「少し寂しい」


「寂しい?」


「誰にも」


「うん」


「見えない」


「なるほど」


「ねえ」


「なに」


「もしさ」


「うん」


「この帰り道」


「うん」


「透明だったら」


「うん」


「どうなると思う?」


「……」


「沈黙長い」


「考えてる」


「うん」


「多分」


「うん」


「話してない」


「なんで?」


「見えない」


「うん」


「気づかない」


「……」


「それ」


「うん」


「ちょっと怖い」


「そう?」


「うん」


「だって」


「うん」


「話す相手」


「うん」


「見えない」


「なるほど」


「だから」


「うん」


「透明」


「うん」


「少し困る」


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