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帰り道、はなし話  作者: vastum


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「白鯨」

「今日さ」


「なに?」


「さっき川見た?」


「橋のところ?」


「そう」


「水ちょっと荒れてた」


「風強かった」


「それで本?」


「うん」


「ヒント出す?」


「どうぞ」


「海」


「うん」


「船」


「うん」


「あと」


「うん」


「大きな白い」


「……」


「思いついた?」


「白鯨」


「正解」


「メルヴィル」


「読んだ?」


「昔」


「長い話だった」


「そう」


「ねえ」


「なに?」


「海ってさ」


「うん」


「広いよね」


「かなり」


「見えない」


「……それ分かる」


「そっちは?」


「私は」


「うん」


「少し怖い」


「なんで?」


「深い」


「……」


「それ確かに」


「白鯨もさ」


「うん」


「ずっと追いかける」


「そう」


「ねえ」


「なに?」


「もしさ」


「うん」


「何か一つ」


「うん」


「追いかけるなら」


「……」


「どう?」


「多分」


「うん」


「ゆっくり」


「ゆっくり?」


「急がない」


「なるほど」


「そっちは?」


「私は」


「うん」


「近いもの」


「近い?」


「うん」


「手届く」


「……」


「それ」


「うん」


「帰り道っぽい」

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