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世界はクマで出来ている?!  作者: 地空乃いいちこ


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第四十一話:背尾つかさとドワーフ製品

 サラリ君に【くまはうす】という何だかわからない看板を描いて貰ってから数日がたちました。


「なんだかやたらと馴れ馴れしいのにとても話しやすい不思議な子だったねぇ」

『ねー!』

「ねー」


 クマ達は首を傾げて同意のサイン。というか首どころか全員一緒におなかから大きく倒している。つい私も一緒にやってしまう。

 この数日間、いろいろな物を作ったりクマ達を撫でてのんびり過ごしたりしている。


 家に帰りたい気持ちもあるけれど、実家を出て一人暮らしをしているのはココでも変わらない。家賃の引き落としとか職場のやりかけの案件が気になるだけで、何が何でも日本に帰りたいという気持ちは実はない。

 なので、こんな風に毎日のんびり過ごせるならそれはそれで楽しいな、と思ってしまう。


 そして今日もクマ達にバケツをひっくり返されたり、集めたゴミを散らかされたりしつつ、楽しくお店の周りの掃除をしている時に、ふと気が付きました。


 この世界は動物の熊も居ないし、精霊のクマも皆には見えていないのだから、このお店の看板は意味不明なのじゃない?


 バージルさんやカルダさんが毎日のようにおやつを買いに来てくれた後、看板を不思議そうな目で見ていた理由が唐突に分かった。これなんだって聞いてくれればいいのに……

 とはいえ、自分で看板を描くのは下手だから絶対に嫌だし。

 どうしようかな。

 とりあえず看板を外そうとすると、『このままがいーの!』とでもいいたいのか、ひいろ様が両手を広げて妨害する。


「看板はこれがいいの?」

 うんうん。と頷く三人。


「んー。なんでも屋みたいになってるから今更だけど、何屋さんなのか伝わらないよ?」


 そういうと、短い腕をキュっと組んで悩むポーズをすると、どこからか看板より少し小さなクマ型の板を取り出した。そして、さらにもう少し小さいクマ板を。

 あらかじめ開けてあった穴に針金を通してつなぐと、クッキー君の上に乗ってサラリ君の描いてくれた看板の下にぶら下げる。


 大クマ・中クマ・小クマの三連看板。


「かわいい!」


 思わずひいろ様をギューっと抱きしめる。何の解決にもなってないけどクマのアピールが強力になった。

 うん、本当に何の解決にもなってないけど私が気に入ったからいいや。

 クマ分が沢山補給されたので、さらなるクマ増量の為にちょっと絵の具作りを頑張るとしましょうか!



 鉱石や宝石を細かく細かくすり潰して、匂いのしない膠のような『染め油』に少しずつ混ぜながら練って練って……まっ黄色の絵の具完成。


「黄色よ黄色……」


 鍋の中に黄色の絵の具をぐにぐにと塗って『ジャムになれ』と魔法を使う。

 ぽふんと現れたひいろ様と同サイズの黄色いクマちゃん。


「君の名前はカスタード君でいいかな? 家に来てくれる?」


 ニコニコと歓迎のハチミツを差し出すと、黄色クマちゃんは思いもよらない行動に出ました。

 前脚を顔の前でひょこひょこと振ると、ハチミツだけ持って消えてしまったのです。


『ダメダメ』というポーズ?


「え、なに? なんで?」


 後ろで見ていたクマ三人も、そろって『ダメダメ』のポーズ。


「どういうこと? おやつもあるし、絵の具使って名前も付けたのに。もしかしパーティにクマは三人までとかそういう制限があるとか?」


 ひいろ様、肩をすくめて『ふぅー、やれやれ』のポーズ。

 意思は疎通できているけど、会話のやり取りができないのはこういう時、ちょっと不便。


 何がいけなかったんだろう? そう思いながら、絵の具を作り直そうとモクモクと作業をしていると、扉に着けたベルがチリリンと鳴る。


「つかささん、居ますか」

「はーぁい」


 エプロンで手を拭きながらお店に出ると、カルダ君がアンケート用紙を抱えて立っていました。


「頼まれたアンケートの回収、終わりましたよ」

「ありがとう!」


 カルダ君は力持ちだけど、モノづくりには向いていないという事で、力仕事とかはなんでもこき使ってくださいねと言ってくれたので、遠慮なく仕事をお願いしたのだ。

 もちろん報酬は払うよ?


 ドワーフ製の道具を売った先を控えてあったので、その後の使い心地や改善点が無いか、アンケートを取って貰ったのです。ドワーフさんたちとの約束だからね。

 回収した用紙をザザッと見ていくと、『装飾とかいらないから量産して』とか『細かい所まで磨き込まなくていいから手ごろな値段で』とか、そういう意見が多い。


 これは……マズい。

 みんな分かっているだろうに、直接言うのではなく無記名アンケートにしたせいで、本当に言いたい事を書いてきてしまった。

 ドワーフたちは半分以上趣味で作っている。そして見た目の精緻さや仕上げの拘りなどがとても強い。

 でも、ドワーフ製の品物の性能を目当てにしている人たちにとっては、そこは要らないところなんだ。


「これは、伝えられない……どうしよう」


前庭神経炎とかいうのになっちゃった!

やたらめまいがグルグルするのでしばらく更新力さがってます!

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