↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます  作者: あまうい白一
第5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

135/177

13話 チャレンジ


「ふう……大分緊張するのう……」


 カトレアは真面目な表情で、十数メートル先に現れた精霊道を見つめながら、思わず両手をぎゅっと握りしめていた。

 これまで研究所の職員が何度も何度も失敗してきた精霊界への突入だ。

 

 果たしてうまく行ってくれるのか。表には出さないが、正直、かなりの不安がカトレアの中にあった。

 

 ……もう何日も、向こうにいる仲間と連絡が取れてないのじゃ……。

 

 向こうの状況がどうなっているかも掴めていない。

 こちらとしては、不安定な精霊道が存在するという事実しか、データがない状態なのだ。

 

 仲間の心配や、状況に対する理解が追い付かない現状が、焦りや不安を生んでいた。

 長である手前、常に余裕をもって対応しなければと思っているが、それでもだ。

 

 ……そんなときに、アクセルという逸材が来てくれたのは本当に幸いだったのじゃ。

 

 元勇者で、とんでもない速度の運び屋。

 そんな存在が教え子と共に来てくれた。

 

 なんという僥倖かと思った。

 希望も抱いた。だが、それと同時に

 

 ……これで駄目だったらと思うと、怖くて仕方がないのじゃ……。

 

 自分が見た中で一二を争うほどの速度を持った彼でも、向こうに行けなかったら。そう思っただけで冷や汗が止まらない。

 

 そうなったら、再び策を考えるだけ、と理性では思うけれど。

 一度希望を抱いてしまったからには、感情的には、どうしても、それだけでは済まなかった。

 

 だからこそ、固唾を飲んで、カトレアはアクセルを見ていた。すると、

 

「さて、それじゃあ、速度重視で行くか」


 彼は普段通り、一歩を踏み出した。

 本当に、普段の徒歩のような、気軽な一歩を。

 

「……え? あ、あの、もっと何か、ダッシュの準備とかは――」


 その行為が、あまりに普通過ぎて、そう言おうとした瞬間。

 

 ――ドン!

 

 という破裂音が響いた。

 

「!?」

 

 それは、アクセルが大地を蹴った音。

 それが理解できたころには、アクセルはもう光の中に突っ込んでいた。 

 瞬きするよりもさらに短い時間で、十数メートルを駆けたのだ。

 

 ……な、なんじゃあ、の加速は……!


 その思いをカトレアが抱くと同時、精霊道の光の道が前方に展開された。

 

 もちろん、人を跳ね飛ばすようなレベルの向かい風も、来る。


 普段は職員たちがチャレンジし、そして純粋な力業での進行は不可能だと、思い知らされてきた道が目の前にあった。


 だが、目に映る光景は、今までとは大きく異なり、 


「――!」


 アクセルは、風に振り落とされることもなく、それどころか、身をブラすことなく、突き進んでいた。


「なんだあれ……スピードが、落ちてねえ……!」

「すげえ。あの風の中だぞ……!」


 それを見た職員たちは感嘆の声を上げる。

 彼らの声が風に乗ってカトレアの耳に入るころには、すでにアクセルの背中は小さくなるほど奥へと行っていた。

 

 そして、彼が光の道を渡り切り、一歩、向こう岸を踏んだ瞬間。


 ――バッ!

 

 と、光の道は掻き消えた。そして、

 

「これは……上手くいったのじゃな……!!」

 

 アクセルの姿は、そこにはなくなっていたのだ。

 

 

いつも応援ありがとうございます!

面白いと思って頂けましたら、下のブクマ、評価など、よろしくお願いします!

そして、『竜騎士運び屋』の原作小説、最新5巻が、3/19に発売しました!

また、ドラマcdも、同時発売しております! 豪華な声優さんがキャラクター達を担当してくださいました!



更に、私が連載している『最強預言者』のコミック2巻も、同時に発売されています!

小説もコミックもドラマcdも、どれも面白いですので、ぜひ、お手に取って頂けますと嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。