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捨て駒の罠師  作者: ポコナムチン


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第3話 狩人の息子

大剣使い「おい!行くぞ!」


大剣使いの荒々しい声によって目覚める。


どうやら新しい依頼らしい。


大剣使い「受付さん。今日はこれで」


『ダンジョン探索 宝箱あり 推奨ランク3』


受付嬢「はい。承りました。」


今日も探索だ。


ただ今回は前回と違いダンジョンである。


ダンジョンには宝箱が出現し、中の財宝によっては冒険者稼業を引退できるだけの額があるらしい。


ただそれと同時に様々な種類の怪物、複雑な構造、そして――


「危険なトラップ」


冒険者たちの死因の四割はトラップによるものだと言われている。


だからこそ、それらを見分けることができる斥候は重宝され、罠感知のマジックアイテムは冒険者たちの必需品となっている。


ダンジョンにて


大剣使い「お前は今日もランタンと荷物持ちだ」


大剣使い「ただ罠の心配があるから先頭を行け」


そう言われて嫌ですなんて言えない。


逆らえばどうなるか、それは昨日嫌と言うほど知ったからだ。


大剣使い「昨日みたいに勝手に奇跡なんて使ったら許さねえぞ」


女神官「はい…」


昨日の探索での出来事について怒られている。


今後同じようなことがあったとき、彼女は助けてくれるだろうか。


僕が彼女の立場だったら助けていただろうか。


そんなことを考えているうちに、冒険者としての二日目が始まった。


ダンジョンは薄暗く、道中で複数のモンスターと出くわしたが、無駄な戦闘を避け、最深部まで向かった。


大剣使い「うおっ。なんだこれ」


女神官「大きい…像?」


一行はダンジョン内の広場に出ると、そこで天井まで届きそうなほど大きな像を発見した。


大剣使い「お!あの足元にあるやつ。宝箱じゃないか?!」


大剣使いは目の前の宝箱に吸い寄せられるように近づく。


女神官「待ってください!トラップかもしれません!」


大剣使い「チッ…おい少年。お前が開けろ」


また危険な役だ。


少年は無感情のまま宝箱へ近づく。


少年「(危険なトラップ…)」


ふと、罠について考える。


つい最近まで狩りに行くと必ずといっていいほど設置していた罠だ。


少年「(こんなのあからさまに怪しいじゃん…)」


自分で言うのもなんだが、少年の罠への理解度は大人のそれを上回っている。


罠の基本として、バレてはいけない。


ならばどうするか。


なにか目立つもので視線を誘導し――


少年「本命は隠す…」


宝箱に手を掛けようとしたとき、少年の直感が叫ぶ。


この宝箱自体がトラップじゃない。


こいつを開けることで作動するなにかがあるはずだ。


大剣使い「おい何してんだ早くしろ!」


少年「待ってください!」


少年の考えは憶測に過ぎない。


だが、ここで確認を怠れば自分が死ぬかもしれない。


確認するかしないか。


少年に与えられた二つの選択肢だ。


少年「おそらくトラップが仕掛けられています!」


大剣使い「なんでてめぇにそんなことがわかんだよ」


少年「僕は狩人の息子で、トラップに関しては自信があります」


大剣使いに具申する。


囮の戯言だ。


そう切り捨てても良かったが、こんなところで貴重な盾を失うわけにはいかない。


大剣使い「…五分だ。五分で見破れなきゃすぐに開けろ」


少年は時間の猶予を得た。


ここでかつての父の教えを思い出す。


動物と人間では考え方が違う。


だが、そこさえ考慮すれば罠の本質は変わらない。


皆が像や宝箱に注目するなか、もっとも意識から外れるのはどこか。


少年「入口……?」


少年はそう呟き、入口の少し上に視線を向ける。


少年「見てください。あそこだけ天井が低くなってます」


大剣使い「それとトラップと何の関係があるんだよ」


少年「今はわかりません…ですが、この宝箱は危険なものに違いありません!」


少年の言葉に大剣使いは怒りを覚える。


人を待たせた挙げ句、危険だから開けられません?


大剣使いは足を踏み鳴らしながら少年へ近づく。


大剣使い「目の前の宝箱をほっといて帰りますができる冒険者なんかいねえんだよ!!」


そう言い、少年の後ろにある宝箱の蓋を力一杯蹴り飛ばす。


――その瞬間――


カチッ


ゴゴゴゴ


女神官「きゃああ!!」


不思議な音とともに部屋全体が揺れる。


体勢を崩し、少年はその場に尻餅をつく。


すると、入口の方から大きな音がした。


ドンッ


ドンッ


入口の天井が崩れている。


かろうじて隙間はあるが、人が通れる大きさにするには時間がかかりそうだ。


大剣使い「クソッ!おい!早くあの瓦礫をどかせ!!」


自分でやったことなのに。


そう思いつつも殴られたくないので立ち上がる。


そして入口へ向かおうとした、その時だった。


女神官「危ない!!」


彼女の発した危険信号。


頭で理解する前に体が動いていた。


とっさに前へ飛び出す。


ドガンッ!!


大きな音とともに、先ほどまで自分がいた場所に巨大な何かがめり込んでいた。


否。


それは柱などではない。


女神官「ゴーレム…」


トラップその1 入口閉鎖とゴーレム起動


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