幸運は偉大なり
時刻不明 場所不明
「、、、んう」
閉じた瞼が再び開き始める。視界がぼやけているし、頭も回っていない。稼働させるのに10秒ほど時間が経ち、やっとこさ今の状況が思い出せた。
「そうだ、、確か追手に捕まって、、、」
手を動かそうとしたが、手錠がかかっている。ガシャという音が鳴った。
辺りを見回してみた。おそらくここは奴らのアジトでその牢獄の中にいる。困ったものだ。この手錠も魔力を封じる効果があるのだろう。魔法が使えない。
「どーしよ、、」
助けを呼ぼうにも呼べないし、魔法を使おうにも使えない。困ったものだ。なんて一人で考えていると、誰かが歩いてくるのが分かる。カツン、カツンと音が反響している。こう言うのは大抵ここの仲間だ。
「やあ、元気かい?」
そう言ってきたのは私を捕らえたあの甘ったるい声の男だった。光で顔はよく見えないが、かなりの高身長だ。
「、、なんでこんなことをしたんですか」
「なんでって」
男は笑う。
「本当は国王か誰かを捕らえようと思ったんだがそうすれば我々は国家反逆罪で捕まってしまう。だからギリギリ許されるであろう公爵の娘を捕らえたんだよ」
この人意外と頭が回る。確かに私はそれほど権力はないし(多分あると思うけど)、いい判断だろう。
「何が目的なんですか」
「簡単さ。国の秘密にしていることを吐かせる。公爵でも情報ぐらい持っているのだろう?」
そうきたか。もちろんそんなものはない。何故なら政治に全く興味が無かったからだ。平民の暮らしはいいとして、土地の管理や戦闘関係、あと事務的作業。それらが嫌でやっていない。だから秘密などあるはずない。あえてもう一度言おう、私は政治に全く興味がない。
「そんな物ない」
「嘘だな」
「嘘じゃない」
「無理矢理にでも吐かせてやる」
カチャンと鍵が空き、男数名が入ってくる。これやばいかも、、、
「大丈夫痛くしないさ!」
いやいやいや、無理無理無理!
「や、!誰か!」
「ここには誰も来ないさ」
甘ったるい声が聞こえる。ああ初めては好きな人が良かったな、、、
「ぐば!」
「へ、、、」
男が急に倒れ込んだ。その後ろには剣を持った男が立っていた。
「あ、、」
「助けに来ましたよ!セリナ様!」
その男は街で会った男の人だった。
「どうして、、何で私の名前を、、」
「話はあとです!ひとまず此処を抜けましょう!」
「貴様は誰だ?何のつもりだ?どうやって此処まで来た?隠蔽魔法は完璧だったはずだが」
甘ったるい声の主がナイフをちらつかせる。
「そんな物は光魔法に掛かればどうってことなかったな!」
そう光魔法に隠蔽など効かない。効かなかった。時はライト達が物的証拠を見つけた時に戻る。
ーーーーーーーー
「ライト、君がやるのは《光の子》。場所を特定するために使われる魔法だ。だから君が居るととても楽になるのだ。」
ちな成功率約0.01%ね、と余計な一言。何が何でも低すぎだろその数字どうやって習得すればいいんだよ。
「いけるだろう?」
「簡単に言いますね、、」
手を出し、唱える。
「光よ我らを導き汝を探せ《光の子》」
すると手のひらから暖かい何かが出てきた。その光は優しい光を出している。
「1発で成功か、流石だな」
(自分でも驚いてます)
光がフヨフヨ漂いながら何処かに向かっている。
「着いて行くぞ。」
イリア副隊長は光に着いて行く。それに続いて僕らも着いて行く。
ーーー
光は王都を離れ、近くの森を通り、月光を浴びながら長い長い移動を続け、一つの壁でついに歩みを止めた。
「何でこんな所で?」
「隠蔽魔法かもしれません」
騎士隊員の一人がイリア副隊長に話す。
「よし、ライト。そのまま突っ切れ」
(この人意外と脳筋だな?!)
言われる通りにまっすぐ進んでみた。驚くことに洞窟内に出た
「ここに、、セリナ様が」
副隊長と騎士隊員が入ってくる
「まだ断言はできないけどな」
イリア副隊長はそう言いながらズカズカ洞窟内を歩く。特にこれといった目印はない。
と、奥の方で小さい光が漏れている。これは明らかに月明かりとかそう言うのではない。人工的な火、、松明か何かだ。光の数的にこの近くに十、二十、、、いやそれ以上いる。
「イリア副隊長、、どうしますか?」
僕は聞いてみる。
「騎士隊員よ戦闘準備だ。」
ガチャガチャと鎧が動き出す。
「ライトよ君は先にゆけ。恐らくここはそう広くはないし、迷子になっても君の聖剣が助けてくれるだろう。ではな」
「いやなんですかその決まった死に突っ込んで行こうとしてる人のセリフは」
「皆の者!行くぞ!」
うおおおおお!とやる気を声に出しながら人にぶつかって行く。
「、、、探すか」
ーーー
時間はそれなりに経ったはずだ。と言うのも現在何や感や上手くいって地下の3階にいる。ここにくるまで一切人影も見なかったし、トラップもなかった。分かれ道は合ったが2択で当たりを引き続けている。これ全部聖剣の効果だったらとんでもないな。にしてもどこにいるのだろうか。
「〜〜〜〜」
「ん?」
近くから話し声が聞こえる。そう遠くはない。そこの突き当たり、僕はコソッと聞き耳を立てる。
「簡単さ。国の秘密にしていることを吐かせる。公爵でも情報ぐらい持っているのだろう?」
ほー、、、なるほどつまりアカラリア国の情報を盗み出し、襲撃をかけるつもりなのか。
「そんな物ない」
「嘘だな」
「嘘じゃない」
「無理矢理にでも吐かせてやる」
まずい。急いで助けに行かなければ彼女の身が危ない。しかし、本当に助けに行って良いのか?僕はただの平民で魔法もろくに扱えなくてダメな人間だ。そんな人間が王族と親しい公爵家の娘を助ける?冗談にも程があるな、、、。
「や、!誰か、!」
ハッとさせられた。そうだ例え不遇だとしても僕には聖剣がある。それに助けを求めている者を見捨てるのか。心まで不遇になりかけていたな。(?)
僕は気づかれないよう一人の巨漢の男に近づき剣を心臓に刺した。
「ぐば!」
聖剣クローバーが薄く光る。僕の意思に応えるように




