行方を探して
夕焼けが王都の家を照らし出す。少年ライトはトボトボと兵舎に帰る道についていた。
「朝に食べたご飯だけで金貨がほぼなくなるなんて、、、ついてねぇ、、。」
そう朝に行ったあの宿で散財したのだ。持ち金は約六千トル。金貨六枚。余りのおいしさに持ち金のことを忘れて食べに食べてしまったのだ。
補足でこの世界のお金は
銅貨、一枚約十トル。
大銅貨、一枚約百トル
銀貨、一枚約一千トル。
金貨、一枚約一万トル。
白金貨、一枚約一億トル。
となっており、この単位はどこの国でも使えるいわゆる統一通貨である。
「はあぁ、、」
一人で大きなため息をつく。お金をギルドメンバーに預けていた(ほぼ強制的に巻き上げられている)のをすっかり忘れていた。
ーーーーーーー
兵舎に戻った。宿は取れないからだ。と、室内が想像以上に慌ただしい。一体どうしたと言うのだろうか。
「すみません、どうされました?」
僕は近くにいた隊員に声をかけた。
「おやあなたは、、」
「ライトと言います。何があったか教えてくれませんか?」
黄色い髪の女性は答える
「実は数時間前からセリナ様が帰ってこられないと先程ディゴール公爵に言われまして」
なるほど、いいとこのお嬢様が帰ってきてないから両親が心配して捜索願を出したのか。
「僕も探すの手伝います。お邪魔してますし、せめてお役に立てれば」
「かたじけない。特徴は青色の髪で目はそれより薄い水色。貴族のブローチを付けているので分かるはずだと。」
ほうほう、、、ほう?
「朝にあった気が、、」
「なに?」
「ああいえ気のせいかもしれません」
「いや似たような人がいるのなら調査はしといたほうがいい。イリア副隊長と共に向かわせてもらおう。」
そう言う感じか。公爵ともなればそうだろう。なんせ国の重要人物だ。行方が分からないならば命に変えてでも探し出さなければならない。
「調査はどうだ?」
タイミングがいい時にイリア副隊長が来た。
「副隊長!実はライト殿が、、、」
「ほう?似たような子を見つけたと」
イリア副隊長はニヤッと不敵に笑うと
「でかした。早速そこに向かうぞ」
「してライトだったか。」
こちらを見て、
「お前の剣だ。きっと役に立つだろうから持っていけ。」
イリア副隊長の手には聖剣クローバーが握られている。クローバーのスキルは《幸運》。今の状況だととても役に立ちそうなスキルだ。
ーーーーーーーーー
「ここです。ここで会いました。」
朝は人が多くいたこの場所も今では少ない。数多くの飲食店があるこの通りは今や冒険者の憩いの場である。
「ここか、、」
イリア副隊長が呟く。
「どうやって見つけましょうか?」
仲間の女騎士隊員が呟く。
「まずは痕跡がないか調べよう」
僕らは捜索し始めた。街ゆく人々には居場所を聞き、道には何かの痕跡がないかを調べる。すると一人の男騎士隊員が叫んだ。
「副隊長!ここに何かあります!」
「なに?!ネズミの食べ残しだったら許さんぞ!」
と冗談混じりに(冗談か?)言いながら、近くまで駆け寄る。
「これです。ほら」
男が指さしたのは欠けた綺麗な宝石。黄緑色に光るそれはエメラルドだと分かる。それと、近くには血痕。誰かが争った痕。
「ほう、確かにこれは十分な痕跡だ。」
イリア副隊長は満足そうに言う。
「しかし、ここからどうするんですか?痕跡を見つけてもどうすることもできませんよ?」
女騎士隊員が言う。
「いや、これで探し出せる。ここには人探しのプロがいるのだ。」
誰だ誰だと探す。そんな人はいなかった覚えがあるのだが、、、。ふとイリア副隊長がこちらを見ているのに気づく。
「え?もしかして、人探しのプロって、、」
副隊長は頷く。いや僕人探しとかあんまりやったこと無いんですけど、、
「光魔法は不遇。それは使い道が余りにも無いからだ。しかし、それでも少しは役に立つ魔法が存在するのだ。」
「それを僕にやれと?」
「できなくても運でなんとかなる。」
「なんて無責任な、、、」




