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思いがけない幸運

暗くてジメジメする。息も苦しいし狭いし汗の匂いがする。

「君はその子の護衛か?それとも何だ?適当に歩いていたらぶち破ってきた一般人か?」

「関係ないね。女の子が襲われそうになったら助けるのは当たり前でしょう?」

「ふざけた事を」

甘ったるい声が低く殺意の籠った声に変わった。立ち方や雰囲気から察するに彼は暗殺者(アサシン)職だ。以前友人に教わった。

「死ね!」

「うひぃ!」

自分でも思う、かなり情けない声が出た。当たり前だ。暗殺者なんて伊達に相手してないし戦闘面においてはイグニス達に任せっきりだったし、、、。さっきのも相手が後ろを向いていたからできた奇襲だ。今は真っ向勝負。

「《鎌鼬(カマイタチ)》」

見えない無数の斬撃が体を切り裂く。痛い。でもあの時より痛くない。そうだあのドラゴンに比べたら大したことはない。

僕は息を深く吸い、吐く。

「しゃ!」

相手が近づいてきたところで

「《光よ強く(アランズ・サンオーゼ)!》」

カッッと強い光が暗い地下を包み込む。

「目がぁ!」

暗殺者でも至近距離からの光量は流石に効くようだ。

今のうちに

「セリナ様!」

「、、、」

急いで手錠を外、、、いや外れないな何だこれ。鍵はかかってないように見えるのだが、、、。ああもういいや、聖剣で斬っちゃえ。

バギャン。手錠が外れた

「よし!脱出しましょう!」

「え、、あ、、、、ん!」

手を取り牢を出る。しかし、そう簡単に行かないのがイベントというもの。

「くっ!逃がさねぇよぉ!」

素早い速度で間合いを詰め攻撃を仕掛けてきた。

「うわわ!」

キィン。

「え?」「あ?」

敵の攻撃を防いだ。まさか防げるとは思ってなかったし、相手も防がれるとは思わなかったようだ。

キィンキィン。攻撃を何度も剣でパリィする。何が何でもおかしい。

「クソが!」

「セリナ様!目を瞑っていてください!」

「え?わ、分かりました、、」

僕はもう一度《光よ強く(アランズ・サンオーゼ)》を放つ。強い光が辺りをまた包み込む。

「同じ手に引っ掛かるかっての!」

「残念だったね」

「な!」

もちろん、相手は馬鹿じゃ無い。同じ手に引っかからない事ぐらい想定内だ。相手が目を瞑った隙に懐に侵入していれば、流石の暗殺者でも防ぐことは無理だ。

ドスと鈍い音がした。地面に赤い血が滴っている。

「カッハっ!」

「この、、クソガキがぁっ、、、、!」

剣を引き抜く。相手は後方に倒れ込んだ。その体から血の海ができる。

「よかった勝ったぁ!」

「あの、、もう目を開けても良いですか?」

「あ、はいすみません」

セリナ様はゆっくりと目を開ける。改めて見ると綺麗だ、僕はそう思った。水色の目が辺りの状況を確認する。もう動かない敵を見て、涙目でこちらを向き抱きついてきた。

「よかった、、よかったぁ、、、!」

うーむ、、女の人に抱きつかれるのはミナが初めて醜鬼豚(オーク)を討伐した時以来か。あの頃は良かったなぁ。そう思うと以前より胸が痛んだ。

「こんな所早く出ましょう」

セリナ様に催促する。

「ん!」

ドキッとした。やばいこの人の笑顔が素敵すぎる。あと元がいいから可愛いと綺麗の二段階で理性が死ぬ。

「じゃ、じゃあ早く行きましょうか!」

ーーーーーー

「ここどこだぁ?」

思いっきり迷子になってしまった。副隊長、迷子になってもどうにかなるんじゃなかったんですか。

「あれ、何だろ?」

セリナ様が呟く。確かに部屋が一つある。その部屋に向かって歩く

「地図だ、それ以外にも金とか置いてあるな」

地図には多くのばつ印、、多分襲撃した国や村。となるとこれはその戦利品、盗んだものなのだろう

「うわぁ、すごい。魔導者とか置いてある」

セリナ様が興奮の声を上げる

「、、、何だ?」

剣が光り輝いている。まるで”何かに呼応するかのように”

部屋の隅に雑に置かれた剣が目に入った。これと言った目立った特徴はない。言うならただの鉄の剣だ。しかし、それがどうにも気になる。

「これだけ雑に置かれている、、、。まあ確かにこの剣は何処にでもあるものだしな。念のため持って帰るか」

「あ、あの」

「ここのマップみたいな物が置いてありますよ?」

本当だ机の上にここの全体が載っている地図がある。これを頼りに脱出しよう。

ーーーー

「やっと地上に出た、、」

「疲れた、、」

洞窟内から抜け出すことに成功したはいいもののセリナ様も僕も随分と歩いたせいでかなり体力を消費した。

「帰ったか」

イリア副隊長が木陰で休んでいた。外は朝になっていた。

「セリナ嬢を見つけたのか、流石だな」

「運が良かっただけですよ」

「あ、脳筋さんだ」

「ぬ!?脳筋さんだと?!」

セリナ様が笑う。この二人は接点があるのか。当たり前か、王都防衛部隊は公爵家、王族の命令により動く。そのため接点があるのも納得だ。

「んん、ところでライトよ」

「はい?」

「その剣は何だ?」

「あ、これですか?なんか洞窟内の部屋に雑に置かれていた剣です。可哀想なので持って帰ってきました。」

素直に答えた。何も嘘はついていない。にも関わらず副隊長はこちらを、と言うより剣をじっと見つめている。

「あの、イリア副隊長?」

副隊長があり得ない事を言い出した。

「お前それ聖剣では無いのか?」

んなアホな

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