目覚めた不遇魔法使い
懐かしい夢を見た。王都の外れにある大樹で友人と遊んだ記憶。顔こそ覚えていないが、2人で様々な話をした。ある時そいつが言ったのを今でも覚えている。
「別の国で魔法と剣術を学んでくるよ」と
そいつと離れ、僕は孤立した。そうだその時にイグニスと出会ったんだ。ああ懐かしい。
ーーーーーーー
「、、、、、ん」
重たい瞼を開けようと頑張る。
「ここは、、」
ふかふかのベッドから上半身を起こす。豪華そうな窓から暖かな陽射しが流れ込んでくる。
「、、、ん!?え、は?!」
ボーとしていた頭を起動させる。僕は確か古代龍皇を討伐して、それでそのまま力尽きたはず、、、
「僕は、、死んだはずだよね?」
にも関わらず身体は元気だし傷跡も残っていない、何より今までと比べ物にならない程気分がいい。
コンコンコンとドアをノックされる。
「は、はい!」
思わず返事をしてしまった。
「失礼する」
キィ、と扉を開けて入ってきたのは鎧を着た瑠璃色の髪の男の人だった。
「目覚めたか、気分はどうだ?」
と問われたので素直に答える。
「良好です、、」
「そうか、良いことだ」
僕は思った疑問をそのままこの人にぶつけてみることにした。
「あの、ここは何処ですか?なぜ僕は生きているのですか?それとあなたは誰ですか?」
一気にまくしたてる。はははとその人は笑った
「元気があっていいことだ!」
次いで話す
「質問に答えようか」
「ここは、アカラリア国の王都シャントル。柑橘類の生産が有名な王都だ。君が生きているのは我々が救助し世に出回ることが少ない万能薬エリクサーを使ったからだ。」
「エリクサー!?」
思わず反応してしまった。エリクサーは一本十万トル必要で金貨が一枚約一万トルつまりこれが十枚。三年間は豪遊できる桁だ。
「そんなものを僕の為に使って頂いてありがとうございます」
「気にするな、エリクサー自体使用期限がもう少なくてな消費しようにも出来なかったからちょうど良かったのだ。」
と男の人は答える。とは言えエリクサーは持って約十年、、つまり十年程この薬を保管していたのだ。
「と、そうだ私の名を語るのを忘れていた」
「私は王都防衛部隊第二番隊副隊長、イリアと申す」
王都防衛部隊とは、騎士の一つであり国王陛下の下の立場で政治には参加できないものの戦闘面で庶民を守る役割がある。この騎士兵達は各国におり、勿論僕の国にも存在している。
「副隊長?」
「今は隊長が不在でな代わりに指揮を取っている」
「はあ、、、」
わりかしどうでも良かった。
「そう言えば君に聞きたいことがある」
「なんですか?」
「君はどうしてあの洞穴の中に?」
何と説明したら良いのだろうか。この際どうだって良い、僕は事細かにアリア副隊長に事情を話した。
「なるほど、状況は把握した。しかし、討伐対象は古代龍皇だったとは、、。なら君が討伐したドラゴンにも説明が付くが、、」
何やらぶつぶつ言ってるのが聞こえる。
「あの、あのドラゴンが何なんですか?」
「いや、君達の、、正確には君か、が討伐した竜は終末を司る龍皇、終焉の古代龍皇なんだ」
思考が停止。つまり僕らは討伐対象を間違えていたのか?
「正直勝てる気しなかっただろう?」
「ええ、まあ、はい」
「ランクは不能、Sランク以上の冒険者五十名でもギリ負ける程の竜何だよ」
「うへぇ、、ん?じゃあそれを一人で僕が倒したってことですよね?」
「そうなるな」
思ったことをそのまま口に出す。
「これって色々やばいですよね?」
「そうなるな」
そうなるなって、、そんなあっさりと言われも、、
「本来我々第二番隊が討伐できるような最高位の魔物だ。それを所詮Bランクの冒険者に、しかも一人で討伐したとなると、騒ぎになる。」
やっぱり、、Bランク冒険者が不能ランクを倒すとやばいよね、、モチベーション下がるもんね、、
「だが、今回に限っては君は一人じゃなかった」
「は?」
いきなり何を言い出すんだこの人。僕は一人だったのに
「君には頼もしい剣が付いていた」
ああそれのこと
「あれは祠に置いてあった剣で穢れを祓ってついでにその終焉の古代龍皇を倒す為に使っただけですよ?」
「あの剣が何か君は知らないのか?」
「ええ全く」
驚いたと言わんばかりの顔。そしてこう告げる。
「君の使っていた剣は聖剣であり、その中でも見ることができたら幸せになれるとされている聖剣、クローバーだぞ、、」
「、、へ?」




