古代龍皇討伐
剣を構える。
「らっ!」
ドラゴンに攻撃を与える。なんとびっくり切り傷ができた。
(この剣切れ味がいい!これならいけるかも!)
ドラゴンが尻尾を振るう。
ゴカァァンと岩壁が砕け散る。今はミナの防御魔法がない。故に下手をすれば即死だ。
「うおぉぉ!」
ガキィン、ガキィンと硬い鱗が傷つけられていく。ドラゴンが尻尾を振るう。今度は僕に当たった。
「ごはっ!」
痛い。骨が折れた。そのまま壁に叩きつけられる。身体が機能しない。動かない。痛い、痛い痛い痛い。
「死んで、、たまるかよぉ、、」
どうせなら勇者みたいに魔王を倒して朽ちていきたい。あいつらに見返してやりたい。不遇魔法使いでも倒せるんだぞって。
剣を強く握りしめる。それほどの力は無いのにも関わらず。
「あああ!」
斬る、
「ぶはっ!」
くらう、
斬る、くらう、斬る、くらうの繰り返し。とうに体は朽ちており、命も消え掛かっている。幸いなことにドラゴンも弱っている。
「ゴォアァァァァ!」
咆哮。ドラゴンが口から青白い炎を吐き出す。
「うあああ!」
最後の一振りで炎を斬る。
ゴォォォォォと熱が肌に伝わる。
〜〜〜
ドラゴンが火を吹くのを止めた。あたりの焦げ臭い匂いと血の匂いが鼻にささる。
ズズゥン
という大きな音と共に、古代龍皇が地に頭をつけた。
勝ったのだ。
「や、った、、、」
勝てたのだ。不遇魔法使いが勝てたのだ。剣は一緒に喜ぶかの様に光り輝いた。
が、
「はは、こりゃ、ダメそう、、だ」
歩けるはずがなかった。動けるはずがなかった。死んだドラゴンに背をもたれ、遠のく意識で空を見た。とても青く綺麗な空だった。
眠い。剣を見やる。綺麗だった。
とても眠い。地面に薄く張った水は血で真っ赤に染まっていた。
ひどく眠い。何も考えられなかった
そして僕は、眼を閉じた。
〜〜〜
「あのぉ〜、副隊長?」
鎧を着た女性が言う。
「なんだ?」
同じく鎧を着た副隊長と呼ばれる男性が言う。
「本当にここでやつを?」
「ああ、間違いない」
「副隊長!」
仲間の男性が言う。
「なんだ?」
「あそこに焼き跡が!」
そこは、木々が焼かれ地面も抉られていた。
「辿ろうか」
副隊長は歩む。
「ひどいな、、、」
「ああひどい」
他愛無い話をしながら、歩む。
「止まれ」
副隊長が命令する。
「洞穴がある。」
「本当ですね、、」
「行くんですか?」
「無論」
傾斜になっている地面を難なく進む。全員が洞穴の前に来た事を確認し、副隊長は言う。
「行くぞ」
〜〜〜
暫く階段を下ったり、歩いたりしていると奥の方に光があることに気づく。
「なんですかね?あの光」
女騎士が言う。
副隊長は歩みを止めていた。先ほどからする異臭がこの奥からするからだ。
「急ぐぞ、血の匂いがする」
光の先に行くと、開けた場所に出た。目の前には討伐危険度が黒、推定ランクが“S以上”のドラゴンがそこに転がっていた。
「これは、、、」
「副隊長!人がいます!」
副隊長はドラゴンの側にいる1人の少年を見つけた。ひどく血だらけだ。
「脈は?」
「あります、が小さいです。瀕死の状態なのでいつ死んでもおかしくありません。」
「治癒は効かない。連れていけ」
「はっ!」
少年は転移ですぐに回収された。周りには同じ騎士仲間数名と副隊長のみ。
竜を見ながら一人、副隊長は思う。
(死んでから既に十分以上は経過しているな、それに体には多量の斬り傷、、あの少年は剣を持っていた。まさかあの少年が?)
少年と一緒に回収されなかった剣を見る。
(何故、何故この剣がここに?)
(あの少年が生きていれば、それを後で聞こう)
空は晴れ、小鳥がさえずり太陽の光が差し込んでおり、同時に傾き始めていた。




