穢れた剣
ドラゴンは人の数百倍の嗅覚と聴力を持ち合わせているため獲物を探し出すのは簡単である。さらに古代種になると半径およそ数万キロと言う広さで獲物を探し出す事が可能となる。つまりこの洞穴の中に隠れていても見つかるのは時間の問題だ。ミナの防御魔法は持って一回きりの攻撃のみ。次遭遇したら確実に死ぬ。
「光よ」
なるべく遠くに移動しようと暗闇の中頼りない光で足元などを照らしながら進んでいく。
「光が、、」
暫く階段を降りたり、まっすぐ進んだりしていると奥から光が漏れていた。僕は光のある方に進む。
光の先を目指しているとそこは開けた場所だった。足元には薄らと水が張っている。
「なんだ、ここ」
そこは半壊してしまっているが美しい白柱が建っているのと、足元には大理石のアート。
「ここってもしかして元は神殿だったのか?」
その壁寄りに石でできた小さな建物
「祠だ、となんだあれ?」
祠に近づく。随分年月が経ったのだろう、祠には苔が至る所にある。その祠の下に赤黒く染まっている長い金属の板が転がっている。
「よく見たらこれ剣じゃん、でも赤黒い。瘴気で穢れたのか」
世界には魔力の素となる魔素と呼ばれるものが存在する。魔素は濃度があり神聖な場所だとほぼゼロに近い濃度で空気が新鮮。逆に魔素が濃い場所、ダンジョンの最下層などでは百に近く並の人間では近づくことすら叶わない。それが瘴気であり、人々はそれを穢れと呼ぶ。どうやらこの場所は神聖な場所なのにも関わらず、魔素が濃いらしい。
「流石にこの穢れ具合だと使うにも使えないな。あそう言えば、昔本で読んだことあったな。確か“光魔法は穢れを祓う”」
「、、、ほんとかなぁ?」
神聖魔法と光魔法では少し異なる点がある。
神聖魔法は聖女がよく使い、呪いや状態異常、回復などで、光魔法は、目眩しや闇を照らす、物に付与する事のみ。だから穢れを祓う事が本当に出来るのか疑う。
「まあ、、やってみる価値はあるかな」
元々不遇魔法なのだ、出来なかったらそれはそれでまあそうだろうなぐらいにしか思わない。
「《浄化せよ》」
光が剣を包み込む。赤黒いものが徐々に剥がれ落ちていく。
「まじか、本当に浄化できちゃった、、」
剣はほのかに日光で光輝いている。まるでその剣が穢れが祓われた事を感謝するかの様に。
突如上空が暗くなる。
「ここって吹き抜けてたん、、だ?」
「は、、はあぁぁ?!」
空から何かが降ってくる。いや何かが“急降下”してくる。黒い皮膚で所々紫色に光っている。瞳孔は獲物を狩る眼。最強の魔物、古代龍皇だ。僕を探しに来たのだ。
「うお!」
竜の着地点からギリギリ避けられた。
「グロロォ」
鼻息を荒くし、牙をむき出しにする。改めて見るとでかい。光魔法使いなどどうすることも出来ない。やばい確実に死、、、、
「いや、、ここで諦めたらあいつらの思うツボだ」
剣を強く握る。
「剣術なんて全然やってなかったからな。でもやるしかない!」
真っ直ぐと古代龍皇を見る。向こうもこちらをじっと見下ろしている。
小鳥がさえずり太陽の光が差し込んでいる。




