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3.初実践
「飛べないだろうから今日は特別に送ってやろう
仕事がない時に練習しとけよ」
「福利厚生ぃ!!」
翼の周りが光始め
夜のオフィスに降り立った俺。
その瞬間、耳元で声。
「聞こえるか新人」
金髪天使の声
「うお!?」
「天界支給・念話イヤホンだ」
「Bluetoothイヤホンみたいだな」
いきなり俺の手が光る。
「何これ?」
「新人仮天使の能力は一つ」
「確率を1%だけ上げられる」
「微妙!!」
「99%ダメなことが100回に1回成功する」
「ほぼ意味ねぇじゃねぇか」
田中さんはコピー機の前。
「はぁ…また詰まった」
紙詰まりと格闘している。
金髪天使:
「今だ。やれ」
「どうやって?」
「祈れ」
「アナログ!!」
とりあえず手をかざす。
「…えーと…頑張れコピー機」
光がふわっと出る。
次の瞬間。
ガチャッ
スルッ
紙が完璧に通った。
「え?」
田中さんが固まる。
「直った…?」
そのまま彼女は作業を続ける。
普段ならミスる入力をミスらず
コーヒもこぼすこともなくUSBも一発
「すげぇ…」
「だから言ったろ。1%の奇跡だ」
「人間は一回の成功体験で運の流れはできる」
金髪の天使がが少し誇らしげに言った。
そして深夜1時。
田中さんがふと笑った。
「…今日ちょっといい日かも」
小さい声。
誰にも聞こえない声。
でも――
俺には聞こえた。
胸が少し温かくなった。




