2.初任務はモブです
「こっちだついてこい」
歩きながら金髪天使が言った。
連れてこられた場所はは壁一面モニターが
ある部屋だった。
金髪の天使が指を鳴らすと目の前に画面が出る。
そこに映ったのは
メガネ。
地味。
残業顔。
完全に“会社に一人はいる人”。
「対象:人間女性 田中真帆 24歳」
そんな人がいたなと朧げに思い出す
「で何すればいいの?」
「明日この人、会社辞める」
「え?」
指をまた鳴らし映像が切り替わり田中真帆の
未来映像が映った。
上司に怒られる。
最初は小さなミスだった。
書類の数字が一つ違っただけ。
ただそれだけで、会議室で強めに叱責される。
「なんで確認しないの?」
「社会人だよね?」
周りの視線。
謝るしかない。
ミス連発。
一度崩れた集中は戻らない。
また怒られるかもしれない。
そう思うほど手が震える。
メールの宛先を間違える。
データ保存を忘れる。
コピーを取り違える。
「今日どうしたの?」
心配じゃない。
半分呆れの声。
メンタル崩壊。
家に帰ると動けない。
風呂に入る気力もない。
スマホを見る気力もない。
布団に入って、
天井を見たまま朝になる。
「会社、行きたくない」
でも行くしかない。
行かなければもっと怒られる。
しかし
朝、限界が来る。
満員電車の中で
急に涙が出る。
止まらない。
そのまま途中駅で降りて、
会社に電話する。
「すみません…今日…行けません」
そしてそのまま、
二度と戻らない。
3年後
仕事を転々。
自信は完全に消える。
「どうせ私なんて」
挑戦しない。
信じない。
笑わない。
本来なら普通に幸せだったはずの人生が、
小さな連続の失敗で歪んでいく。
「未来重っ!」
「だから“ちょっとだけ”運を上げろ」
「ちょっとって?」
「躓かないとか」
「スケール小さいな天界!!」




