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0.29

アリセナが1番気になっていたことを口に出した。


「そうだね。あ、そうそう二人にはこれ渡しとくね。」


渡された物は、綺麗に装飾が並んでいる腕輪だった。


「なんだこれ? なんかの腕輪か?」


腕輪をはめようとすると、ルルが俺の左腕を掴んでギリギリなとこで止めた。


「紫蓮、これははめちゃダメ。」

「は? 何言って…。」


次の瞬間、腕輪からなにか得体の知れないものの気配を感じた。おぞましいオーラを感じた。


「エル。なんだこの腕輪」

「それはね、一時的に上限突破できる腕輪。マスターは、今つけない方がいいよ。ルルが止めたのもそれが理由だから」


隣に座っていたアリセナは、腕輪をはめていた。しかし、いつものように平然としていた。


「アリ姉は、つけても問題ないみたいだね。」

「え? あ、うん。いつもより少し身体が軽い程度かな? 」

「じゃあ俺は要らんかもな」


と言って机に腕輪を置いた。


「マスターは、まだ早いかもしれないけど。今のアリ姉と戦うなら必須だけどね。」


 今までとは全く別の者のオーラをアリセナから感じた。

 世界で何人もいないレベルの底知れない力を…。


「アリセナと戦う気なんかねーぞ? 」

「え? 入試の時喧嘩してただろ? 」

「まぁな、あの時はフルだったけど今は、お前達が力俺から取ってるから相当弱くなってない? 」


エルとルルの方を向いて言った。


「あ、バレた? 」

「バレちゃってるね、お姉ちゃん…。」


俺は、少し間を取った。


「まぁ、やるんなら全力でやってやる。ただしその腕輪は使わない。」

「分かったよ。考えが纏まったのならそれにしてくれると助かるよ。ただし手加減無しだ。その時は、力を戻してあげるから安心してくれ、最後は二人きりにしてやるよ」

「ああ、頼む。最後? 」


何かを誤魔化すかのようにしてエルは、その場から居なくなった。ルルを見つめると慌てて何も言えなくなっていた。

隣に座っているアリセナは、俺の右手を手汗をかいた手で握っていた。

生徒会のメンバーは、なんの事なのか分からないていう顔をしていた。


「と、とにかく今日は明日の準備をするためにこの辺で終わりますか」

「そうだな、会長、副会長先に失礼するよ。」

「じゃあ私達もお暇させていただきますわ。真奈行きましょ」

「そうだね、あそうだ。アリセナちゃん」

「なに? 」


何かを考えながら話を聞いているアリセナは、ずっと手が震えていた。何かに怯えているように。


「例のやつ鞄の中に入れて置いたから後で見ておいて」


今まで何かに怯えているような表情から一変し笑顔に戻っていた。

ここまで読んでくれてありがとうございます

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