03:新天地
レアは響谷の決意を感じると、その場から立ち上がり持っている杖を地面に「コンッ」と突くと半径20mの術式がされた。とても神々しく何回も目をこすってみても夢の中ではないかと錯覚するほど幻想的であった。
「では、継承の儀式をおこないます。身体に熱いものを感じるかも知れませんが、次第に慣れてくると思うので、我慢してくださいね。」
そう言うと、レアはブツブツと何かを口ずさんだあとに手をこちらに向けて
「あなたに大いなる我が加護と共に
【inheritance 継承】」
すると、地面から何か燃えるように熱い何かが身体に入ってくる感覚に襲われた。だが、それもほんの数秒のことで 次第に自分の身体かと疑うほど力が溢れてきてるのが分かった。
「驚いたでしょ?それがあなたのお爺様、そしてまた一人の方の詰まった二人分の力です。でも 、見る限りではまだ解放されている力は極一部と言ったところでしょう。
力にも意思があるので認められるように頑張ってくださいね!」
と言ってレアが杖を「コンッ」とやると、また先ほどよりもはるかに小さいが異なる術式が俺の周りに展開されていた。
「では、お時間があまりない様ですので詳しい説明は私の眷属をサービスでつけておきますね。では、ルミリアスのことを頼みます。
今まで仲良くしてくれてありがと…響谷」
俺は返事をしようと声を出そうとしたが、その願いは叶わず、視界が眩い光に包まれたかと思うと、先ほどの草原とは違う 森の中だった。
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「さて、どうしたものかな。」
ルミリアスに転送されたのはいいものの、一体何をすればいいのか何も分からなかった。
周囲を見渡していると、自分の手の中に紙と小さな針が握られてるのが分かった。その紙を広げてみると
「大親友の夏希様より。
響谷、一瞬で作ったものだから これくら いしかできないけど、この文の下に書いてあ る術式の上に血を数滴だけ垂らしてください、私の眷属が召喚されると思います。
詳しい事は その子から聞いてね!」
と書かれており、俺は少しの間 安堵したのち
紙に書いてある術式に指を針で少し刺して、血を垂らしてみた。そうすると、身体が物凄い脱力感に襲われ、たちまち 森の木々が吹き飛ぶんじゃないかと思われるほどの竜巻が紙の術式から現れて、やっと治ったかと思うと 、そこには一人の子供が立っていた。
「我が名は ジン
風の力を司る精霊なり。貴様がレア様の言 っていた小僧か……、確かに底知れぬ凄まじい力を感じるな。契約した甲斐があったというものだ。」
俺は想定以上に強い存在が出たことに目を点にして 唖然としていた。だって、サービスで付けてくれるって言ったら 小さい動物的なやつが出ると思うじゃん?こいつ絶対 そこらへんのやつに負ける気配がしないぞ。
響谷がジンという精霊の事をずっと見ていると突然、透明な液晶画面のようなものが目の前に出てきた。そこに書かれてたのが
名前:ジン
種族:上位精霊
年齢:?
ランク:Sランク
称号:風の精霊王、契約されし者、大地の女 神の眷属
スキル:風を操る
これってこいつの情報だよな?ということは精霊王かよっ?!サービスの域を越えてるぜ。夏希はこーゆう所が昔から俺に甘いんだよなぁ……。てか、こいつ俺と契約したとか言ってなかったか?………まぁいい、とりあえず最優先に聞くことを聞いてからだ。
「えっと……、ジンとか言ったか?俺の名前は佐久間響谷だ!小僧はやめてもらいたい。というか見た目お前のほうが子供だr(なに?)はい、すみません。とりあえず!今さっき、お前を見つめていたら お前の情報みたいなのが視界に現れたんだが。お前はそれによると精霊王ってことになってるんだが」
「そうだ、我は 風の精霊王だ。他にも 火、水、地、雷、光、闇、無の精霊王がいる。なぜ 風たる私が指名されたか分からないが、まぁ そこは気にすることはない。
それよりも、響谷と言ったか。お前さっきステータスが見えたと言ったな!まさか、私のステータスが見れるほどの鑑定眼の持ち主とは……っ、気に入った!お前の行く末が楽しみだ。」
ジンが何故かステータス?の事を話すと突然、機嫌が良くなったが……そんなに鑑定眼?というものが珍しいのか?というか、自分のステータスはどうなってるんだろうか。
気になったのでジンに聞いてみた。
「なあ、ジン。自分のステータスを見るときってどうやって確認すればいいんだ?」
「はっ…?」
ジンは一瞬固まったように動かなくなったが、何かを思い出したような顔をして こちらを見る。
「そうだったな…。お前は元々 アーランドの方の人間という話だったな…。悪い、ついつい数少ない魔眼の持ち主だったから忘れてしまってたよ。 あ、それとステータスを見るのは、常人の人間は確認が出来ないから、普通は 冒険者ギルドでステータスプレートを発行してもらって 自分のステータスを確認するんだよ、お前の場合は 鑑定の魔眼があるからステータスオープン的な事をイメージすれば 出ると思うぞ。」
色々とまた気になるような事を言われた気がするが、今は自分のステータスを確認したいので 、後に置いとくとする。えっと…?
「ステータスオープン」
名前:佐久間響谷
種族:人族
年齢:16
ランク:F【S】
STR(筋力):120【12000】
DEX(命中):100【10000】
INT(知力):170【17000】
LUK(幸運):150【15000】
VIT(防御):200【20000】
AGL(敏捷):130【13000】
称号:一般人【大地の女神に愛されし者、覇王の孫、精霊王を従えし者、歩くイケメン、護り人の一族、魔導を極地、剣王、覗きのスペシャリスト、隠蔽マスター】
スキル:剣術Lv3 風属性魔法 Lv2
【全属性魔法Lv10、鑑定Lv8、剣術Lv8、状態異常無効化Lvー、女神の愛】
なんだか、色々と書いてあるが、おそらく【】の方が今の本当の力なんだろうな。レアが上手く隠蔽できるようにしてくれたんだろうなぁ。これは本当にありがたい、俺はたぶん本質の方だとこの世界の基準では絶対にありえない数値になっている気がする。というか、スキルの【女神の愛】ってなんだよ。
スキル:〜女神の愛〜
☆このスキルは女神が愛する者が何らかの死の危険が生じた時に自動的に発動するパッシブスキルであり、何が起こるかは女神次第である。
うわ、なんか出てきた!というか、なんだかとんでもないスキルだな。でも 自分には害がなさそうなスキルだからいいか?
響谷がステータスに夢中になっていると、ジンが気になったのか 声をかけてきた。
「なぁ 響谷。お前のステータスはどうなってたんだ?差し支えなかったら貰えないか。」
「あぁ、そうだな。お前には教えとくか。
たぶん称号の効果で隠蔽されているんだろうが、数値が二つあって 上から120,100,170,150,200,130となっているのと【】表示の数値、すべてが100倍となっているものとがあるんだ……あと、称号スキル諸々隠されてると思われるやつは【】が表示されてるな。」
「え?え?え?ひゃくばい?おかしくない?そして 隠蔽ってなんだそれ……、確かに前の数値は一般的な初心者冒険者の平均数値だが…。普通に強いな、少なくとも私よりも高いぞ……」
ジンが虚ろな目をしながら、ブツブツ言っているが、確かなことは ジンよりも俺は強いらしい。まぁ、いくら強いステータスとしても 戦闘経験も皆無な俺とは経験の差があると思うから あまりそこらへんは気にしないようにしよう。とにかく、まずはこんな所にずっと居座っても仕方ないから ジンに質問しながら次の目的を決めるとするかな。




