星空の街 4
天文台から街へやって来た三人。人は天文台より多いが、街の広さもあるため、そこにいるだけで疲れる程ではない。
「なんて書いてあるか全く読めないですね」
「ジェラート」
「なんですかそれ?」
「知らん」
広場でしばしの休憩。夜空を眺めるために作られた広場の多い街のため、いたるところにこうして座って休める場所がある。そしてそのついでに小腹を満たせるよう、露店の数は多い。
「食べたい?」
「いらん。どうせ私が食べるの遅いと文句を言うだろ」
「結構根に持っているんですね……」「ごめんね。確かにルーナが食べ切る前にジェラートは溶けちゃう」
「お前はごめんと思っていないだろ」
目を細めるルーナから目を背けるヒマワリである。
「でも、お腹空きましたね。なんか館長でも大丈夫な食べ物とかないんですか?」
昼も過ぎて結構経つ。今がっつりと食べると夕食に響きそうだ。でも食べなければ疲労は回復しない。
ルーナの食べる速度を気にせず、食べることのできる物でもあればいいのだが。
ヒマワリは並ぶ露店の見て考える。
「あっ、チュロスがある」
「チュロス?」「魚か?」
「いやお菓子」
「甘いのですか!」「魚じゃないのか」
正反対な反応をする二人を連れ、とりあえずヒマワリはチュロスを売っている露店に向かう。
「チュロスください」
「はいよ。何本だ?」
「とりあえず七本」
「へっ、サービスしといてやるよお嬢ちゃん達。九本だ、お代は七本分でいいぜ」
「やったね、ありがとう!」
お金を払い、チュロスを受け取る。
紙のカップには、親指の付け根から先ぐらいの大きさの、波打つ棒状のお菓子が九本詰め込まれていた。
「ありがとう」「ありがとうございます!」
とりあえずヒマワリが礼を言ったため、それに続いてみた。
「おう! じゃあな」
露店商に笑顔で送られて、三人は再び広場に戻って来た。
流れるような買い物に、ルーナとエミは黙っていた。
「え、食べないの? 美味しいよ」
サクッと、チュロスを一つ齧っているヒマワリ。九本にしてくれたため、一人三本は食べられる。
「いただきます……」
エミは窺うように一つ取り、そして齧る。
サクッとした食感にジュワッと砂糖の甘味が広がる。
疲れていた身体に、甘さが染み渡る。
「甘くて美味しい……ケーキとは違うけど美味しいですよ!」
「だってさ。ほら、ルーナも。あーん」
ヒマワリを無視して、ルーナもチュロスを一つ取って齧る。
「一口小っさ!」
「うるさい。これなら歩きながらでも食えるからいいだろ」
休憩は終わりだと、立ち上がったルーナからそういう空気が漂う。
とりあえず一本食べたヒマワリとエミ。しかし立ち上がらずに二本目、三本目と食べていく。
「ごちそうさま。じゃあこれルーナが持ってね」
チュロスの入ったカップを押し付けられるルーナであった。




