実戦形式の訓練(3)「凶双手」
本日は一話のみです
「やれやれ、お嬢様には敵わなかったよ」
そう言って、リーダー役の人が握手を求めてくる。
「いえ、単純にこの体に恵まれているだけですよ、機密事項が多いので言えませんが、私の力、ともいえませんから」
私も握手を返す。
「まぁ、これからも宜しくな。任務によっては同伴することもあるだろう。頼むから仕事を全て奪ってくれるなよ?」
そういって爽やかな笑顔を浮かべる、うん。好感の持てるナイスガイだ。
「俺はフィルモード・シュトライク。極亜の警備責任者をしている、困った事があったら言ってくれ」
「それは有難いお言葉。頼りにさせていただきますね」
そういって笑うと、フィルモードは顔を赤くしてそっぽを向く。ふむ、効果覿面だな(確信犯)
「では最後に、巨大アンドロイドでの戦闘訓練をやってもらうよ、衣川さん」
そういって南雲が入ってくる。
「このお嬢ちゃんに巨大アンドロイド?そんな物騒な事案にまで対応予定なのか?」
「個の戦闘技術は一個師団には相当しますが、巨大アンドロイドやマシナリーヘッド、大型サイボーグもテロに投入されてきてますからね。エース機として、どの程度出来るかデータが必要です。
「わかった。使用許可レベルは?」
「レベル10までの出力、銃火器は想定してある実弾、刀も斬馬刀「華煉」大太刀「黒蓮歌」の使用を許可します。存分に暴れてください」
よっし!やってやるぞ!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目の前には20mはある巨大なロボットが立っている。で、でけぇ。
「ではこれより、巨大戦術兵器対応試験を行います。スタート」
巨大なロボは機体についてある腕を振りかぶってきた!質量に任せたパンチだと!?
ドゴッ!!
私は反射的に横っ飛びで攻撃をかわす。10mほどのクレーターが出来ている。こんなの食らったらとゾッとする。
腰にあるデザート・イーグル改を抜いて、ロボットの関節に7発ピンポイント射撃、命中するが、効いてない!?
『サイボーグ、マシナリーヘッド、アンドロイドは関節が弱点になりやすい、なので対策している事が多いので注意が必要だよ』
巨大ロボットは腕をクロスさせ、私に飛び込んできた!ヤバイ!
「詠天立川流・瞬天!」
私は残像を生み出しながら、アタックポイント外を駆け抜ける!そして華煉を抜刀するための態勢を最後の着地点で取り、気を練り上げる。対策してるっていっても、弱いのは変わらないだろう!
「連技・紅雷閃!」
真っ赤な雷を纏った刀身がロボットの関節に迫る!
ガギン!
ち!少し体制変えて関節守られた!
ダメージとしては肩に横一文字の切り傷が出来たが、相手は生物じゃないロボットだ!ダメージらしいダメージとは言えない!
私は刀を鞘に納め、とある技を選択肢に入れる。レベル10ならできるかもしれない。
「解除要請、レベル3からレベル10へのセーフティ解除」
『order・SIRIUSが拝命。上位権限による承認を確認。全セーフティー解除。現在の最大稼働時間は5分となります』
「有難い、ね!!」
吹き荒れる大質量パンチや銃器による弾幕をよけながら、セーフティ解除を待っていた。よし!これなら!
詠天立川流は、とある密教の教祖や高僧を守るため、大陸を渡ってきた徒手空拳を主とする武術である。その当時、その宗教を守るのは帯刀を許されなかった平民や農民だった。その宗教は外道であると、当時の天下人からすべてを奪われ、宗主や高僧うは死罪に処された。
のこされた門弟たちは散り散りになりながらも、とある農民は、のちの世で生まれる新たなる宗主の為、今度こそは守り切るためにその牙を磨き続けた。
(くそ、気が暴風のように!!)
攻撃をかわしながら、私は一人目を瞑り、荒ぶる気を、大気を糸のように紡ぐ。
それは本来ならば、動きながらする技ではない、集中力を切らせれば、その莫大な気が自分に襲い掛かるから。だけど、今の私は出来る、出来てしまう。
「待たせたな、今、確実に私が勝てるのはコレしかない。経験不足だな。すまないが、受けてくれ!」
振るわれた高質量の右パンチを、今度は緩やかに、気を纏った左手で軌道をずらしながら、懐に飛び込む。
振れた箇所から膨大な気が嵐の如く体に向かう。とどめだ。
「詠天立川流・凶双手」
飛び込んだ懐で、優しくも撫でるかのように逆回転の気を流す。
反動で私は後方に飛び抜け、叫ぶ。
「「凶がれ!!」」
振れた胴体が、左手から流した左回転の気と、右手から流した右回転の気によって、捻じれていく。
その巨大な敵は、体中を捩じりながら、そのまま墓標となった。
いいね!高評価よろしくおねがいします!




