12/21
在りし日の虹
これから先の生き方の決め方はいつも決まっている、大切な場所に向かう、落ちそうな志望校か受かった学校か、友達と仲直りするかしないか、誕生日プレゼントをゲームにするか、服にするか、好きな人に告白するか忘れるか、夢の為に努力するか諦めるか。
いづれにせよ雨が降ろうが気温が40度になろうが、行くべき場所は変わらない。
父と母が眠る寺に向かい、墓を磨き好きだった曲を流し思いにふける、あの蒸し暑い梅雨の日朝、父におはようを言わなかったからこうなったのだろう。
父と母はいわゆる放任主義で、多くの事は教えてくれなかった、『自分で見つけた方が何倍にも嬉しい』らしい、墓に供えた紫陽花は雨で元気に咲いていた。
公園に歩いて向かう、少しずつ雨は弱くなっていた、馬を模した遊具に座る、対称年齢をはるかに逸脱した俺にはサイズがかなり小さくなっていた。
下を向きアリの軍隊を眺める、きっと俺にもあんな頃があった、大勢の人の正しさを信じ努力した、が俺には息がしづらいから止めた、自分の正しさを見つけるために。
いつの間にか雨は止んでることを、七色の橋を見上げて気づく、ツバメが一羽虹に向かって飛び立った。




