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1000年王国と魔王の娘

※この物語はフィクションです。またこの作品には少々過激な描写があるので苦手な方はご注意ください。

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帝国師団→第1師団〜第5師団と第6・7統合師団(通称第13師団)の6師団で構成され、その上に帝国師団のトップである「提督」と呼ばれる人物が率いる直属の部隊がある。また第1〜3師団は反乱軍の鎮圧や敵国への侵攻等を担当しており、師団長が全員残虐性の高い人物であることから虐殺師団と呼ばれている。強さ的には第4師団≦第5師団<第3師団<第2師団<第1師団<第13師団<提督の部隊となっている。

サーティナと出会ってから1時間。私達は車で目的地に向かっていた。車に乗ってる間暇なので私はサーティナに聞いてみた。

「最初出会った時血塗れだったが何があったんだ?」

サーティナが答えた。

「私は帝国から指名手配されてるから追いかけてきた第3師団の奴等と戦闘になってボロボロになってたのよ。さっきの元師団長は多分援軍を要請されて来たんだと思う。」

私は成る程と納得し次に一番気になっていたことを聞いた。

「今までどうやって皇帝の虐殺から逃げ延びてたんだ?」

サーティナは言った。

「貴方は後コーサス王国を知ってるかしら?」私は答えた。

「確かコーサス王国の残党が旧魔族領北部に逃げて作った国だっけ?」

サーティナは頷くとこう話し始めた。ここからは本人に書いてもらった方がいいだろう。

後コーサス王国は魔王の唯一の子供であった私を王に担ぎ上げた。まあ王と言っても実際はコーサス王国の頃の大臣達が政治や軍を仕切ってたからお飾りにすぎなかったのだが。鳳山帝国の頃は後コーサス王国には攻めて来なかったが藤香帝国に代わると突然大軍で後コーサス王国を攻めてきた。コーサス王国の全盛期の頃から大幅に弱体化している後コーサス王国に抗う術は無くあっという間に滅亡した。その後1ヶ月足らずで藤香帝国の皇帝が魔族の殲滅を宣言。私の首を持ってきた者は貴族にするという条件まで出された。所詮お飾りの王だった私と一緒に逃げたのは幼馴染のソリーティア=ファルテールだけだった。私達はかつてコーサス王国と友好条約を結んでおり、現在藤香帝国と戦争している雅夏王国を頼る為王国へ繋がる川へ逃げた。だが途中でソリーティアが私を庇って重傷を負ってしまった。

「私はもう助かりません。所で魔族は同じ種族の魔族を食べると力が増すって知ってましたか?」

とソリーティアが言った。私は意味を察しそんな事は出来ないと言ったがソリーティアは「どうせ死ぬなら最期ぐらい役に立たせてください。」

と言った。そして私は無我夢中で彼女の肉を貪った。その後私はなんとか雅夏王国に繋がるテラトーヌ川まで来た。フードでできるだけ角を隠し近くにいた漁師に川を渡らせてもらった。乗り終えた後私は漁師にお礼として歴代の王が集めていた宝石等を渡そうとしたが漁師は

「貴方の首を持っていけば貴族にだってなれる。こんな宝石をもらうどころじゃない」

と言って私を逃がしてくれた。そして私は遂に雅夏王国に辿り着いた。雅夏王国は3年前に当時の王の外戚に乗っ取られ、調子に乗っていたその外戚は鳳山帝国に戦争を仕掛けていた。しかし1ヶ月前に王が病死し、藤香帝国と戦っていた王の叔父が反乱を起こし3日で首都を占領し新たな王に即位した。これが1000年以上続いた雅夏王国最後の王勇王だ。私は勇王への謁見を許され、友好国の王に贈られる宝玉をいただいた。私が雅夏王国に来て1ヶ月後。藤香帝国が35万の大軍で攻めて来た。対するこちらは6万程度。どう対処すれば良いかと将軍や王が悩んでいた時王の甥のファルラート=グラストラー将軍が口を開いた。

「陛下、今我が国にいる150人の重罪人達を戦場に連れて行く許可をくださいませんでしょうか。」

王が言った。

「構わないがどうするんだ?罪人150人程度では奴等を止められないぞ。」

将軍が答えた。

「罪人達を5列に並ばせ敵の近くまで連れて行き、次々と自害させます。すると当然その異様な光景に藤香帝国の兵士達は驚くでしょう。その隙を突き一気に突撃するのです。」王や他の将軍達がざわめいた。いくら罪人とはいえそれはいかがなものかと将軍達は口々に言った。しかし将軍は冷静に

「では皆様の中にこれより良い策を思いつく方はいますか?」

と言った。将軍達はその言葉を聞くと黙り、王はファルラート将軍に許可を出した。戦いは相手の死傷者数約18万人に対しこちらは約3000人と圧勝して終わった。その後もファルラート将軍はテラトーヌ川が時間帯によって水面の高さが変わる事を利用して川の底に頑丈に作った特別製の針を仕掛け敵の船を沈没させたり、角の生えた魔物や動物の尻尾に松明を、角に剣をくくりつけ相手に突進させ、相手が怯んだところを一気に攻め込み藤香帝国の軍を散々に打ち破った。また敵に

「雅夏王国の人々は戦争最前線の付近にある祖先の墓が荒らされる事を恐れており、もし墓が荒らされてしまえば人々の士気はたちまち下がるだろう。」

というデマを流し敵に墓荒らしをするように仕向けた。すると当然人々はその野蛮な行為に怒り狂い、かえって士気が上がった。このようにファルラート将軍は倫理的にはよろしくない作戦が多いが、劣勢だった雅夏王国を何度も救った。だが藤香帝国も黙っていない。

1533年3月15日。藤香帝国は勇者パーティーの内の一人であるバラトリア=アッカースを総大将とする120万の大軍が雅夏王国に攻めて来た。こちらは全土から兵を集めても55万程。王国内は徹底抗戦か降伏かで真っ二つに割れた。王が口を開いた。

「藤香帝国の皇帝は魔族の大虐殺を行った男だ。ここで降伏すれば奴等は国中で略奪を働き、女は慰め者にされ男は皆殺しになれるかもしれない。国王としてこの国にいる7000万の国民をそんな目に遭わせるわけにはいかない。西鳳山帝国に国民の受け入れを要請した。4000万人受け入れてくれるそうだ。恐らくかなり無理をしてくれているのだろう。だがそれでもまだ3000万の国民がいる。」

そう言うと王は何かを決意したかのような表情をしこう言った。

「今から私が3万の兵を連れて敵に突撃する。」

場がざわめく。125万対3万ではどう考えても勝負になるわけがない。だが王はそのざわめきを無視してこう言った。

「ファルラート将軍は女と子供を優先的に連れて西鳳山帝国に行け。残った3000万の国民は南部にある密林の更に奥にある国救城に逃げろ。あそこなら3000万人入れるはずだ。」

国王はそう言うと私の方を向きこう言った。「サーティナ殿はどちらに行きたいか?」

恐らく雅夏王国よりも余力のある西鳳山帝国の方が雅夏王国に残るよりは安全だろう。しかし私はここまで匿ってくれていた王国を見捨てるような事はしたくなかった。

「国救城に行きます。」

私ははっきりそう答えた。

「そうか。」

と王は言うと

「では諸君。今までありがとう。さようならだ。」

と言い藤香帝国軍へ突撃して行った。兵力の差は40倍以上。だが王は勇敢に戦った。3万の兵は全滅したが、戦いが終わった頃には125万あった藤香帝国の兵は30万にまで減っていたという。この戦いで総大将のバラトリア=アッカースも戦死した。その後私達は宰相のカロストリー=ガーカスの主導で国救城に立て籠もった。ここはかつて南部を拠点としていた亜過王国という王国の遺跡を再建して1000年間に渡り歴代の王が有事に備えて増築していったのだという。この城は進軍しにくい密林の先にあり城自体も要塞と化していたが多勢に無勢。

5033年9月8日。遂に藤香帝国の皇帝自ら攻めて来た。宰相は私に

「城の西側に地下通路があります。そこから逃げてください。」

と言った。そして宰相は私を逃がした後一人で皇帝の前に行き、自分で自分の腹を裂き私達は降伏するのでどうか国民の安全は保証してくれと涙ながらに訴え亡くなった。その後皇帝は約束を守り略奪等は一切しなかったという。因みに王国を衰退させた原因の外戚は帝国に捕らえられ文字通り八つ裂きにされたらしい。そして1000年以上続いた雅夏王国は滅亡した。

「で、王国滅亡後各地を転々として最終的に貴方に会ったというわけ。」

と彼女が語り終えると丁度目的地に着いた。近くに小屋が見える。だがその時サーティナが異変に気付いた。

「ねえ...あれ血じゃない?」

私が小屋を見ると扉の近くに確かに血らしき物が見えた。小屋の中からは物音が聞こえる。そしてここから雅華城事件へと一気に加速することになる。

続く

ここまで読んでくださった皆様ありがとうございました!3話で雅華城編を終わらせるつもりでしたが、想定よりも長くなった為4話で終わらせることにしました。「魔王と相討ちになった勇者は2000年後の世界にタイムスリップしました」の第3話はこの作品の第4話を投稿した後に出します。急遽予定を変更してしまい申し訳ございません。今週までに雅華城編は終わらせるつもりです。感想、修正点等是非よろしくお願いします。

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