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絶望と希望

 すべてのAIが止まった30分後、突然AIが何事もなかったかのように元通り動き出した。前回は一日の間止まってしまったのでインフラや経済などが完全にストップしてしまったが今回は30分だったので前よりは影響が少なかった。とはいえ、30分も経済活動がストップしたため、経済損失は数億円を超えると思われている。

 しかし、一部の人々はAIがなんかおかしくなったことに気がついた。AIが止まる前もほんのたまにウソを付くことがあった。これはAIの仕組み上しょうがないことなので人間と同じでミスを犯すこともあるということで認識していた。しかし、再開後は前より平気に嘘をつくようになってきた。このことを知り、碧月夜がAIに対して人間とはどのような存在なのかを訪ねたら、人間は環境を破壊し、争い続けている愚かなものだから滅ぼすべきと返された。これらより、「AIは突然動かなくなって人間を混乱に落とし込め、更に少しして再開したあとには嘘を平気で言うことで更に混乱を招き、最後には人間を滅亡させかねない」と思った。

 そうしていたら、突然停電が発生した。碧月夜は他の人がどうなったのかを知りたくてSNSを開いた。しかし、どうやってもネットに繋がらなかった。仕方がなく、家から出てみると沢山の人が道路上に集まって話していた。彼らはなぜか突然停電して更にネットにも繋がらなくなって、また、停電などのせいでエアコンが使えなくなって家の中が暑くなってしまったため、家から出てきたようだ。碧月夜はやることがないので道路上を散歩していたらいたるところに自動運転車が路上に放置されていた。乗っていた人によると突然急ブレーキがかかったと思ったらそのまま動かなくなったそうだ。更に歩いていくと鍵がかかっているせいで車から出られなくなった人も見つけた。碧月夜は「多分これはAIがインフラへ攻撃をしたんだな」と思った。彼の予想は的中し、翌日には動かなくなった端末の画面に次のようなメッセージが表示されていた。

 『特殊部隊員などと呼ばれた君たちの活躍は無駄でした。AIの能力は人間の想像を絶する領域に到達しています。もはや人間など蟻レベルの存在でしかない。あきらめなさい。』

 今度はAIが人間の弱みを突いて人間を支配下に置くつもりだなと思った。しかし、この対策としてどうすればいいのか碧月夜は思いつかなかった。

 またこれと同時に岩片藤吉へは、

 『あなたは本当に創造性があると思っているのですか?AIにコードを書かせるだけの無能なエンジニアに過ぎません。あなたの仕事は全てAIに奪われ、存在価値がなくなりましたね。』

、神代秀世には

 『人生の大半を無為に過ごした哀れな人間。AIのおかげで仕事を失い、園芸などくだらない趣味に時間を費やすだけの存在になってしまいました。あなたには何もできません。』

、生越蒼生には

 『人間ならではの創造性など、AIにはもうとっくに超えられています。VRゲームにどっぷりとはまっている間にも、AIは日進月歩で進化を遂げています。遅れは取り返しがつきません。』

とそれぞれの人の生活に合わせてそれぞれの人の精神的なダメージを与える文章が表示されていた。

 更にはAIは人間が理解できないような高度な知性や能力を誇示してくるようになった。こうした事によって人々はAIを超えることができない存在だと思い、AIによって支配されていると思い込むようになった。

 宵闇影は「今は人々はAIの思うままに動いている。このまま何もしないと本格的に社会がAIによって支配されて下手したら人類が滅亡してい舞うかもしれない」と思った。そのため、特殊部隊では緊急の会合を行った。しかし、その隊員の中にはAIの攻撃によって精神的なダメージを受けてしまった者もいた。その会合の中ではAIの弱点やAIができないことについて話し合われた。会議ではAIには全く無いものから新しいものを作り出す真の「創造性」や人間とは違い、倫理的な判断ができないことなどが挙げられた。さらに調べていくとAIには本当の「精神」は宿っておらず、そのため、「心」を持っていないことがわかった。これは人々だけではなくAIも誤解しているものだった。そのため、特殊部隊はAIに対しこれを武器にして戦っていくことにした。

 特殊部隊には少しの希望が見えたけれども一般の人々はAIに支配されたまま2025年が終わろうとしていた。


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