Rati 05. チーム員、大募集!
「ふふふ……この俺にまかせなさい! 正真正銘、校内最強ソウルキャスターの俺にな!!」
くぅ~、良い響きだぜ!
「勝負の日は一週間後。 団体戦形式の3vs3のチーム戦だ。 頼むぜヤマト!」
「は?」
「皆にも知らせて来る!!」
「おい! 待てって!!」
――――――
Rati 05. チーム員、大募集!
――――――
放課後、俺たちは夕暮れの公園で途方に暮れていた。
「チーム、集まらなかったね……」
「モナカ、最後の頼みの綱はお前だけだ……」
「僕は無理だよ!」
「どうすんだ! 団体戦形式じゃ俺一人で戦う訳にもいかねぇし! カード賭けるのはゴメンだーつって誰もチーム組んでくれねぇしよぉ!!!」
そう。
団体戦形式は勝ち抜き戦じゃない。
1vs1の個人戦をチームで行う形式。
だからこのままじゃ、俺たちの不戦敗になってしまうんだ。
それに……。
「僕はともかく……モモちゃんまでいないなんてね」
団体戦と聞いた瞬間、真っ先にモモちゃんの顔が思い浮かんだんだ。
けど、モモちゃんは……。
俺が校内最強になってから、学校を休んでいるらしい。
「とりあえず、ポスターを作って、呼びかけてみよう」
「くそ~。 しょうがねぇか……」
……家に帰り、じーちゃんの稽古を受け、風呂に入って、夕食を食べる。
その間俺は、チームメイトを集める方法を考えていた。
いっそ、サクヤにでも頼み込んで始めてもらうか?
いやダメだ。
俺はもちろん勝つとして、サクヤが負け、そうなると一戦は必ずモナカにかかっている。
あいつは確かに強くなったけど、そのプレッシャーの中でゲームを行えるとは思えない。
「ポスターは、こんな感じでいっか」
モナカの弱点は緊張や焦りだったから、最近は克服してきたとはいえ今回のルールでは荷が重いと思う。
そして何より……サクヤが楽しめないしな。
レヴルナは楽しいものなんだ……。
それなのに人のカードを奪うなんて、許せねぇ。
「ぜーったいせーばいしてやっからなぁ!!」
「うるさいわい! はよ寝ろぉ!!」
「は、はい……」
次の日の朝、学校の掲示板に勝手にポスターを張った俺たちは、放課後に職員室で軽く怒られた。
そして、モナカと共にうなだれながらも教室へと戻っていた。
「今日も、モモちゃんいなかったね……」
「あぁ。 俺のせいで、来なくなっちまったのかな……」
モモちゃんが学校に来なくなったのは、俺と決着をつけてからだ。
俺のせいでこなくなっちゃったのかな。
「うーん。 あの噂は、本当なのかも……」
「なんだよ。 噂って」
丸眼鏡を中指で調整したモナカは、真剣な表情へと変わり口を開き始めた。
「うん。 謎のソウルキャスターの噂」
「謎のソウルキャスター?」
……モナカの話を聞いてみた。
要約すると、特殊なカード市場があって、それらを潰して回る謎のソウルキャスターがいるらしい。
店を潰すってなんだよ。
テロリストか何かか?
「それで、そのカード市場ってのが怪しくてさ……闇の市場って言われてる」
闇の市場……。
違法なカードや違法な賭けゲームをする地下闘技場。
戦士として運用するソウルキャスターを育成しているだってぇ?
「そんなの噂話だろ。 大体俺らがやってるのは遊びで……」
……。
「だから都市伝説なんだ。 真実かは置いといてそういうコンテンツとして楽しむものなんだよ」
「へ~、確かに面白いけどよ……」
「それでさ、モモちゃんも学校を休んでるでしょ? 最近そこに出入りしてるって噂が……」
「その謎のソウルキャスターがモモちゃんかもってわけか!」
「そうそう! 噂もちょうど学内リーグ戦をはじめてからなんだよ」
「よーし、モナカ! その市場ってどこにあんだ!?」
「えぇと、噂では……」
そこでモモちゃんに事情を話せば、絶対に俺たちの力になってくれる。
なんてったって、俺たちの、この栗ノ木小学校のピンチなんだから。
「やめておいたほうがいいよ」
「おわっ!! いたのかよカゲミツ。 話聞いてたのか?」
「途中からね。 忘れ物を取りに戻ったら、君たちがいたんだ」
ホントーに陰みたいなやつだな。
全然気づかなかったぞ。
「なんで止めるんだよ」
「……」
カゲミツは強い眼差しで俺を見つめてきた。
なんだ、こいつの瞳……。
見てると吸い込まれそうになる……自分の考えを全て見透かされて……。
心や感情の動きを悟られてるような……。
「な、なんだよ」
「やっぱり、ダメだね」
……人の目を見つめた挙句、いきなり毒を吐いてきやがった。
まぁ、いつもの事だけど。
「モナカくんの言う通り、おかしな噂が多いから」
「僕はモナカでいいよ!」
「う、うん。 よろしくモナカ」
な、なんだこの空気。
「初々しい挨拶はもういいだろ! お前も都市伝説なんて信じてんのかよ」
「違うさ。 レヴルナはその人気からマネーロンダリングや、マフィアのトレードに使われてるんだ」
「まんねりぽんでりんぐ? まふぃんとれーど? なんだそれ」
カゲミツは皮肉めいたように軽く息を吐いて、モナカが説明をしてくれた。
つまり……。
「つまり……悪いやつらがレヴルナを金のために利用してるのは事実ってことか……?」
「流石に僕らみたいな小学生には関わったりしないだろうけど、そういう人たちが動いている事もあるのさ」
……なんだよ、それ。
全然楽しくねぇ。
それなら、なおさら……。
「なおさら、モモちゃんを探すしかねぇな!」
「え~、僕怖いよヤマト」
「何言ってんだモナカ! モモちゃんもこのまま学校にこなかったらどうすんだ!! それに子供には関わらないんだろ? 平気だって!」
……そうだ!
「カゲミツ! 一緒に来るか? ついでにチームも組もうぜ!」
「……しょうがないな。 僕は補欠になってあげるよ」
「よっしゃぁ! チームメイトも一人ゲットだぜ! あとはモモちゃんだけだな!」




