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ーLev・KarunaRatiー  作者: ☆ごりらカーニバル☆
Deck 02. 6章‼ ~潜入!朱鳥ノ宮!僅かな手掛かりを掴み取れッ!!~
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Rati 51. 狩猟本能VS闘争本能!!



 俺達が任務で学園に潜入している事情を、レッド達に話し終えた。

 そして、レッドはRenatus(レナトゥス)らしき男と密会の約束を取り付けた場所へ俺達を案内してくれた。


 その男へは【レアカードを持つ仇をおびきよせるから、復讐して欲しい】と頼み込んだって話だ。

 そしてそのラブリーチャーミーな仇役とは……。


「よし、行ってくるぜ……!」


「モモちゃん、頼んだよ」


 深夜、カゲミツの声に見送られて、モモちゃんは人目につかない街灯の下に歩いていく。

 朱鳥ノ宮にあるバトルスタジアムの裏手の道……そこがレッド達が約束として取り付けた場所。


 俺達は暗闇に紛れて少し離れた高台から、相手を待つモモちゃんを見つめていた。


「作戦通りに行くといいけど……」


 カゲミツは小さく吐息を漏らすように呟いていた。

 きっと……不安なんだ。

 今まで一切ユリネさんの手掛かりを見つけられずにいて、初めて掴んだ手掛かりは別れの手紙。

 この機会を逃せば、もうユリネさんに繋がる手がかりを一生掴めないかもしれない。


 そんな風に思ってるのかもしれない。


「ぜってー大丈夫さ。 モモちゃんを信じようぜ」


「うん……」


 とにかく今は作戦通りに動くしかない。

 作戦が失敗しないように、軽く流れをおさらいしておくか。


 まず俺達はこのまま気配を隠してモモちゃんを見張る。

 カード狩りが現れてモモちゃんとソウルゲームを開始した直後。

 息を潜めながら周囲へ潜伏。


 隙を見てユズキやハクに力を借りて捕縛を行う。

 これはゲームの決着が付いた頃がいいだろう。


「ともかく、俺たちは見守るしかねぇって事か」


 共にいたレッドがそう言うと、モモちゃんの前に怪しい人影が姿を現した。



――――――


Rati 51. 狩猟本能VS闘争本能!!


――――――



 一人、深夜を照らす街灯の下に立つ桃道は自分へと近づいてくる人影を発見した。


(きやがったか……お面の男……!)


 桃道は、胸の奥の不安を押し殺して気を引き締めた。

 少し遠くに見える堂々とした人影はどんどん彼の前に近づいていき、段々とその姿が見えて来る。

 周囲へ誰もいない夜の静けさと、変哲のない無機質なおもちゃのお面が得体の知れない不気味さを引き立て、桃道の額へと温い汗を滲ませていた。

 その不気味な感覚は、妙な既視感と重なり胸の奥に閉じ込めた不安を刺激していく。


(この男、どこかで……?)


「お前が例の中坊か」


「……誰っすか?」


「んなこたぁどうでもいい。 お前、俺と賭けルールでゲームしろ」 


「俺は、レッドってヤツに呼ばれてここにきたんす。 アンタと賭けルールをする義理はないっすね」


 桃道は冷や汗を飲み込み、精一杯知らないフリをしながらも会話を続けていく。

 時おり瞬きする街灯をおかしく感じたのか、面の男は憐れむように笑った。


「お前はハメられたんだよ。 そのレッドとかいう中坊にな。 あいつも良いカードを持っていたぜ」


「そのデッキケースは……!?」


(レッドの野郎……。 あいつ、自分のカードを捕られたなんて一言も……)


 今まで、レッドが自分たちに贖罪の気持ちがある事を桃道は感じ取っていた。

 カードギャングの件を公園に伝達しに来てくれた事、修験部に入り、心身ともに鍛え直していく姿。

 その姿を見て、本当に心を入れ替えようとする努力を感じられた。


 しかし、それは嫌な自分を変えたいという事に対しての反省と心意気。

 心からの贖罪ではなく、自己に対する免罪符の気持ちであるという感覚が、楔のように桃道の胸の中に引っかかっていた。

 それは、決して悪い事ではないと桃道も理解している。


 自分が受けた慈悲の借りを返し、悪い事をした己を改心させるための行動であり。

 行動の裏に込めなければならない相手を思う真心がどこか感じられなかったのだ。


 だが、それは勘違いであり、桃道は今初めてレッドが自分のカードを捕られても、この約束を取り付けていた事を知った。

 その事実は、胸の中に押し込めた不安を闇夜の果てに吹き飛ばしていた。

 今までも本当に心からの詫びの気持ちがあったからこそ、自分たちのために動いてくれていた事を桃道は感じ取り、それに気付けなかった自分を桃道は大いに恥じた。


「なんだぁ? 気でも狂ったか?」


 旗から見れば、突然の妙ちきりんな行動。

 しかし、桃道のそれは己自身を戒めるためのケジメの目印だった。


「自分で自分の顔を一発殴るくらいじゃ足りねぇ……。 いいぜ、賭けルール。 やってやるよ!!」


 桃道の眼光に力が宿り、賭けルールに挑むため彼はホロバイザーを装着した。


「「セッション……!」」



――――――



 賭けルールのゲームが始まり、俺たちは移動してなんとか周囲へ身を潜める事に成功した。

 あとは勝敗がどうあれ、ユズキとハクが面の男を取り押さえれば学園の潜入任務は終わるだろう……。


 けど……。

 けど、通信で内容を聞いていた俺達には、なぜモモちゃんがいつも以上に気合が入っているかの理由を知っている。


 勝てよ、モモちゃん……!


「蒼き鼓動の若獅子(ブルーハーツレオン)でバトル! ヴァンパイアを打ち倒せ!」 相性込み合計パワー11000


「ノーブル・ヴァンパイアの効果でスペルをチャージ! パワーを底上げすんぜ」 合計パワー12000


「くっ……!」


 ノーブル・ヴァンパイアは手札からスペルをチャージして、チャージしたスペルのソウルコストの数×パワーを500底上げするパートナー。

 相性が有利だったモモちゃんの蒼き鼓動の若獅子(ブルーハーツレオン)が敗れた……!

 カード狩りをするだけあって面の男は強敵だぜ……。


 一旦頭を整理するためか、モモちゃんは深く息を吐き夜空を見上げている……?


「……どうした? 諦めたか?」


「いいや。 今日は良い満月だと思いましてね」


 そうか! 今日は……!


「頼むぜ! 【月夜を浴びるライカンスロープ】!!」


 狼男!

 この夜空にピッタリだ!!


「ノーブル・ヴァンパイアは倒したぜ!」


 強力な吸血鬼を倒されたお面の男は、怪しい笑い声を響かせ始めた……。

 草木と共に揺れる急な笑い声が妙に不気味で、一瞬だけ肝が冷えるのを感じる。


「な、何がおかしいんだ!?」


「どこかで見たことがあると思ったぜ。 お前、あの時にいた小学生か」


「な、なに!?」


 ……あのお面の男、俺もどこかで見たことがあると思っていた。

 あの時とは少しだけ違うお面だから気付かなったんだ。


 あいつは……!


「【紅夜ノ影に潜む支配者 (ドミナトル・ウムブラールム)】! 野獣を滅ぼせ!」


「あれは……!」


 あの吸血鬼は【紅夜ノ影に潜む支配者 (ドミナトル・ウムブラールム)】!

 自らのソウルコストを対価に、相手のパワーを奪い去る究極の1枚……!


 あんな強力なカードを使いこなすお面の男……あいつは……。


「廃墟にいた、お面の男……!」


「気付いたか。 この勝負、お前の負けだ」


 紅夜ノ影に潜む支配者 (ドミナトル・ウムブラールム)にはこのターン太刀打ちできない。

 モモちゃん、どうする……?


「効果で狼男のパワーを5000奪い吸収する!」


「俺は……【優しき獣】を発動! このバトルを見送るぜ!」


 パートナーを場に残し、パートナーデッキも守るカード!

 モモちゃんは、エンドラウンドで新たなスペルカードを加えるというライカンスロープの効果を活かすために場に残したんだ!


「狼男のパワーは落ちた。 場に残ってもまたパワーが吸収されるだけだ」


「分かってるさ。 俺はライカンスロープのもう一つの効果で新たなカードを手札に加える」


「いいだろう」


 ……モモちゃんが手札に加えたカード。

 それは、眠れる獅子を呼び覚ます強力な1枚……!


「バトルだ! 目覚めろ、ライカンスロープ! 【闘争本能限定解除!!】」 合計パワー15000


「紅夜ノ影に潜む支配者 (ドミナトル・ウムブラールム)でパワーを吸収する!」 合計パワー15000


 闘争本能限定解除!!のカード!

 ビースト系パートナーに使用できる1枚で、ライカンスロープの底力を引き出すことが可能なんだ!


 けど力を吸収されたライカンスロープは、パワー10000……!


「俺は、ソウルコストの眠れる獅子を呼び覚ます! 蒼き鼓動の若獅子(ブルーハーツレオン)の魂を、ギアスペルとして武装させる!!」


 相手の吸収に対抗し、モモちゃんはソウルコストにあるパートナーの効果でパワーアップさせていく。

 最終パワーは……互角だ……!



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