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ーLev・KarunaRatiー  作者: ☆ごりらカーニバル☆
Deck 02. 6章‼ ~潜入!朱鳥ノ宮!僅かな手掛かりを掴み取れッ!!~
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Rati 47. 一欠けらの手掛かり



 朱鳥ノ宮にやってきて二日目。

 爽やかに響く鳥のさえずりで目を覚まして、初めての朝を迎えた。


 確か今日は、修験部の鍛錬は昼からだから……。

 朝はカゲミツやモモちゃんと一緒に情報収集だ。

 モモちゃんが手伝ってくれることもカゲミツに伝えないとな。


 予定を再確認しながらも、顔を洗い服を着替え。

 寮の軽い清掃、そして食堂へと行き一日に活気を付けるための朝食を終えた。


 これが朱鳥ノ宮寮生の夏休み中における基本ルーティンらしい。



――――――


Rati 47. 一欠けらの手掛かり


――――――



「カゲミツ、昨日はへーきだったか?」


「もちろん。 いつもと変わらない平和な夜だったよ」


 学園の中庭に在るベンチでカゲミツと落ち合った。

 囮のために個別の部屋を使っていたカゲミツだけど、昨日は何もなかったらしい。


 そう上手くいくわけないか。


「それより……モモちゃんは何か用事かい?」


「あぁ、そのことなんだけど……」


 モモちゃんも俺達に協力してくれるつもりだという事を、カゲミツへと話した。

 情報収集なら学園をある程度知ってる人がいた方がいいだろうしな。


「俺も、協力するぜ。 いいよな、兄貴」


「うん、かまわないよ」


「え? ホントにいいのか!?」


 カゲミツは最初は反対するかもと思っていた俺たちは、その答えに面を喰らってしまった。

 ヤケにあっさりOKしたけど、朝食に脂っこいものを食べて口が滑ったとかじゃないだろうな。


「学園に詳しい人が欲しいのもそうだけど……モモちゃんは事情を知ってるからね。 一人でいるより僕らと一緒にいた方が安全かもしれない」


「そ、そういう訳か。 でも兄貴、戦いになったら俺だって力になるぜ……!」


「モモちゃんの心意気は買いたいけど、今回はおそらく戦いになる可能性は低いと思うんだ」


「そうなのか?」


「あぁ。 今回の目的は情報収集だからね」


 そうか。

 今回の目的は戦う事じゃない。


 情報収集をして嗅ぎまわれば、子供だと侮った俺達にRenatus(レナトゥス)からの接触してくる事もあるだろうという算段だ。

 犯人がいた場合、それについては大人たちが対処する予定なんだよな。


 そして真の目的はユリネさんを見つけ出す事……。


「ともかく、ここをある程度知ってる人がいるのは心強いよ。 ありがとう、モモちゃん」


「おう! 案内は俺に任せろ!」


 カゲミツはモモちゃんと握手を交わし、その光景に共に修行した日々の絆が俺の中にも蘇ってきてなんだか胸の奥が熱くなってきた。

 今はモナカやサクヤはいねーけど……共に修行した俺達なら絶対に良い情報を掴めるぜ!


「よっしゃ! 久々に暴れてやろうぜ!」


「おうよ」


「暴れたら警戒されちゃうよ」


 それもそうか。

 ともかく、今から情報収集だ。

 一纏まりになったところで、逸る気持ちを切り替えよう。


「んで、今日はどうするんだ? やっぱ聞き込みからか?」


「まずは……気になる事があるんだ」


 顎に手を当てていたカゲミツに尋ねると、まず最初にやる事は決まっていたかのように口を開いた。


「オープンキャンパスで……タケルが【リリム】という人に出会った場所に行きたい」


「そうか……! すっかり忘れてた!」


 俺がオープンキャンパスで出会った、リリムと名乗っていたお姉さん……。

 その人と出くわした場所に行けば何か情報があるかもって事か。


 そこは確かRenatus(レナトゥス)に属している生徒が集まってるいるかもって噂になってるって、前にモモちゃんが言っていたんだよな。

 上手くいけばユリネさんの情報もRenatusの情報も手に入るかもしれない。


「昨日、タケルと別れてから僕はその場所を見に行ったんだ……けど、収穫はナシ。 そこで、君たちの視点からもその場所を見て欲しいと思ったんだ」


 カゲミツはあの場所に一人で行っていたのか。

 でもカゲミツが調査して何も分からないなら、俺達に分かると思えねーけど。


「夜で暗かったから、僕も見逃している事があるかもしれないし。 とりあえず行ってみよう」


「ならこっちから行った方が早いぜ」


 俺達はモモちゃんについていき、朱鳥ノ宮の前に存在したという旧校舎へと辿り着いた。

 山の麓の林に在るそれは、以前見た時と変わらず寂れていた。


「ヤマトがお茶を飲んだ部屋っていうのはここかい?」


「あぁ、ここだったはずなんだ……」


 カゲミツは、あのお姉さんがお茶を淹れてくれた部屋の扉を開いた。

 だけど小奇麗に模様替えされていたはずの部屋は、とてつもなく殺風景で……誰も出入りしていないかのような部屋になっている。


「……とりあえず、この部屋を調べてみよう」


 あれは……夢?

 俺は幻覚を見ていたのか?


 目の前に広がる寂しい光景に、心を動かしていた歯車が停止したような感覚に戸惑いながらも、棚にある物を手に取り調べては戻していく。

 しばらくし試験管やフラスコが並べられた棚の中に、お菓子を入れるような缶が置かれていてそれが目に入った。


「封印されておるぞ。 適正者であるお前ならば問題なく開けられるだろう」


 ハク……。


 これ……確かリリムさんが、お茶を淹れてくれた時に……。

 この中にお茶の葉が入っていたような。


「……なぁ、二人とも。 なんて書いてあんだ? これ?」


 中を開くと、そこには折りたたまれた紙が入っている。

 表面には【Lilium meum carissimum.】と書かれている。


 なんて読むんだろ、それにどーいう意味だ?


「貸して……!」


 カゲミツは顔を覗かせてすぐにその紙を手に取って開きはじめた。

 モモちゃんと共にその中身を横から覗けば、それは手紙のようだ。



――――――



~Lilium meum carissimum.~


 お久しぶりです。

 愛する貴方へとこうして言葉を贈るのはいつ以来でしょうか。

 幼き日、共に道場の門を叩いた日々に思いを馳せながら、私はこの筆を執っています。


 まずは、貴方へ謝罪します。

 私が行方をくらませてから、貴方は私が生きている事を信じて奔走し、孤独な日々を送っていたと聞きました。

 貴方へと連絡をとれなかったのは、私は力を得るために厳重な管理の元で厳しい修練を積んでいるからです。

 私のせいで、辛い思いをさせてしまい本当にごめんなさい。


 今これを見ているという事は、貴方はきっと朱鳥ノ宮にきているのでしょう。

 きっと孤独からも抜け出し、たくさんの友達や、絆を得た事かと思います。

 これからは私の事は忘れて、自分のために人生を送って、笑顔の絶やさない日々を送ってください。

 貴方にはもう、心から信頼できる人たちがいるはずです。


 私も、仲間と共に修練の日々を送りたくさんの思い出ができました。

 私は幸せです。

 どうか私の影を追う事はせずに、貴方も幸せになってください。


 最後に姉として、この言葉を贈ります。

 一人で抱え込まないで、ちゃんと友人に相談するんだよ。

 君の抱えている事も、彼らならきっと受け止めてくれるはず。

 そして、大和くん、咲夜ちゃん。

 もしこの手紙を一緒に見てくれているなら、どうかこの子といつまでも友達でいてあげてください。


 今更、姉貴面するのはおこがましいかもしれませんが、それが私の最後の願いです。

 愛する貴方へ、真心を込めてこの手紙を送ります。


Valete.


 宇良々 百合音より。



――――――



 ……。



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