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ーLev・KarunaRatiー  作者: ☆ごりらカーニバル☆
Deck 02. 6章‼ ~潜入!朱鳥ノ宮!僅かな手掛かりを掴み取れッ!!~
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Rati 44. 打ち解けていく心



「中等部一年、転校生の宇良々 景光です」


「中等部一年、転校生の天村 武(タケル)です!」


 俺はタケルと名乗り、部活動での自己紹介をした。

 一年前のジュニア大会でチャンピオンとなった俺は、名前がそこそこ通っているらしい。

 素性を隠すため、コードネームを使用する事になったんだ。


 名乗り慣れてないけど、我ながら違和感なく挨拶できたはずだ。



――――――


Rati 44. 打ち解けていく心


――――――



「この転校生の2人からは、夏休みが明ける前に部活動に参加してみたいと要望があったんだ」


 部活動へと参加する表向きの理由を顧問の先生が皆へ説明してくれた。

 確か先生は俺達の事情を知ってるけど、生徒たちは当然知らない。


 俺達がRenatus(レナトゥス)の情報を掴むために潜入したって事は他の生徒達にバレないようにしないとな。


「来たばかりで部活や寮に関してまだ分からない事も多い。 知ってる者がしっかりと面倒を見てやってくれ、頼んだぞ。 俺は用事があるからもう行くけど、今日もいつも通りにな」


「「はいっ!!」」


 生徒達の返事が綺麗に木霊して、先生は職員室へと戻っていった。

 そして1人の生徒が我先にと、俺の目の前に立った。


「おい、お前ってさ……ヤマト……だよな……?」


 隣地区の小学校に通っていた3人組の1人……。

 俺達と対抗戦でバトルしたやつだ。


「さ、さぁ~。 人違いじゃねーかな~」


 く、苦しいか……?

 目の前の一人は、この状況を確認するようにモモちゃんを見つめた。

 もちろんモモちゃんだけは俺達の事情を知ってる。


「え? でもよ……なぁ、モモ……」


「確かに顔はよく似てる。 けどこいつは、ヤマトじゃねえ……」


「嘘だろ……?」


「ヤマトじゃねぇんだ……!(少なくとも今は)」


 モモちゃんは嘘を付けない真っ直ぐな男だ。

 俺達の都合でこんなことに、すまねぇ……!


「もういいだろ。 今は放っておけ。 きっと事情があるんだ」


 3人組の1人のリーダー格がそう言って、この場を納めてくれた。

 俺達を気遣ってくれたみたいだ。

 カードギャングの時も気を付けろって教えに来てくれたし、また借りが溜まっちまったな。


 それより……あの3人組。

 この学園に来ていたのをすっかり忘れてたぜ。

 同じ部活に入ってるって、モモちゃんからオープンキャンパスの時に聞いたんだ。


 そして3人組と初めて自己紹介を交わした。

 2人を引っ張ってるリーダー格ぽいのが、レッド。

 残りの二人がグリーンとブルーって呼ばれてるみたいだ。


 続けて、部長が俺たちに手を差し出してくれた。


「僕は、依部原(イブハラ) 鷹彦(タカヒコ)。 中等部3年、ここの部長だ。 よろしく頼む」


「よろしくお願いします!」


 その手を握り返して、なるべく元気よく俺とカゲミツは返事をした。

 すると、何か気になったのか部長は小声で耳打ちしてくる。


(君たちの事情はある程度聞いてる。 何か協力が必要なら僕にも言うといい)


「先輩も……!?」


 先輩も八咫烏のメンバーなのか?

 そう言いかけた俺の口は部長の人差し指によって塞がれてしまった。

 あ、あぶねーあぶねー。

 

「まぁ、見ての通り部員も少ない。 僕とも仲良くしてくれ」


「は、はい」「こちらこそ、恐縮です」


 部員は今のところ、新たに入部した俺とカゲミツに加えて……。

 モモちゃんと、隣地区の3人。

 部長のタカヒコ先輩だけみたいだ。


「先輩たちが高等部に行ってしまって、一気に人数が減ってしまってね。 こうして入部してくれて嬉しいよ」


「そう、だったんですか」


 モモちゃんはガランとした部室を眺めて得意氣に笑った。


「俺達が入部しなきゃ廃部になるところだったんだぜ! この3人は俺についてきたんだ!」


「バカヤロウ、ついてきたワケじゃない。 0から鍛え治すための場所を模索してたらここが一番だって判断したんだ」


 俺の知らない間にレッド達とモモちゃんは随分打ち解けていたみたいだ。

 モモちゃんの言葉を訂正したレッドは少し俯きながらも、俺の前に立った。


「えっと、タケル。 あの時は、改めて悪かった。 モモから聞いたよ、カードも返ってきたって……。 謝って済むことじゃねーのは分かってるけど……」


 あの対抗戦の時に起こった賭けルールの出来事。

 悪かったのは子供たちの欲望に付け込んだあのショップだ。


 それに捕られた皆のカードも俺の相棒のおかげで帰ってきたしな。


「な、なにさ」


 その皮肉屋で冷めた目をしていた相棒も今じゃ、少し照れた顔も見せてくれるようになった。

 あの件があったから俺はカゲミツやモモちゃん、モナカや学校の皆とも絆を深める事ができたと思うんだ。


「へへ、もういいって! これからは仲間だぜ! よろしくな!」


「あぁ。 よろしく」


 俺はもうあの頃の事は気にしてなかったけど、今こうして向かい合って初めて心の底からわだかまりが解けた氣がする。

 こりゃ良い幸先だぜ。


「さ、お互い打ち解けたところで部活を始めようか」


「はいっ!!」



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