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ーLev・KarunaRatiー  作者: ☆ごりらカーニバル☆
Deck 02. 5章‼ ~行くぜオープンキャンパス!そして、思わぬ再開……?~
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Rati 41. 一筋の希望



「そっか。 じゃ、お姉さんが試してあげる……!」


 リリムさんの手の甲に紋章が……。


「そう、私も適正者。 君が今どのくらいの位置にいるか、魅せてもらおうかな」



――――――


Rati 41. 一筋の希望


――――――



 リリムさんの言葉で、俺たちは校舎のグラウンドへ出て向かい合った。

 少し緊張してしまったせいか、さっきまでうららかだった風が少し冷たく感じるぜ。


「そんな身構えなくていいよ。 もちろん儀式じゃなくて、これね!」


「了解っす!」


 リリムさんは腰に掲げたカードホルダーを手に取り、それと共にお洒落なメガネを見せてきた。

 あれはレヴルナ公式ショップによって最近発売された【ホロバイザー】。


 ホロバイザーはソウルゲームを盛り上げるためのデバイス。

 専用のカードホルダーにデッキをセットし登録。

 そのデッキと連動したメガネなどの【バイザー】へと、ホログラムのような仮想の手札とフィールドを表示させる。

 そして当然、ソウルパートナーもホログラムのように出現しパネルフィールドのような大迫力のバトルが可能。


 バイザーには色々な種類があり、メガネ、サングラス、モノクル型など。

 個人によって好みの【デバイス】を選べるんだ。


 主に野良バトルに使われ、公式大会でも採用されている近未来のようなデバイス。

 確か、パネルフィールドの技術を利用して、大衆向けに量産化したんだよな。


 つまり……儀式の要素などはなく、ショップで仮面の男とバトルした時と同じ。

 ただの野良バトルという事。


 たぶん、この人も俺達と同じ八咫烏のメンバーなのかもしれない。

 相変わらずハクは警戒しているけど、この人はきっと悪い人じゃない。


「やはりただものではないようだな。 何があるか分からん、用心しろ」


「大丈夫だって。 ただのバトルだし」


 首から下げた支給品のゴーグルを装着し、セット完了……!


「じゃ、コールよろしくね」


「いくぜ! セッション!」


 ファーストラウンド……。

 頼む相棒。


「【夢幻ムゲン妖狐ヨウコ】を召喚!」 パワー1000


「私は【猿女サルメ姫巫女ヒメミコ】を召喚」 パワー1000


 猿女サルメ姫巫女ヒメミコ……パワーの高い鬼神を補助するパートナー。

 おそらく相手のデッキは、鬼神、夜叉デッキ……!


「1ターン目は相打ち……!」


「お互い小手調べみたいね」


 バトルをはじめてしばらく経ったけど……。


 ……この人、強い!

 俺のパートナーデッキは半分をきった。

 次に切り札による一撃を受ければ負けてしまうだろう。

 リリムさんはまだ切り札の攻撃を受けられる余裕がある


 勝負に出るしかない。


在野ザイヤ道摩法師ドウマホウシを召喚! バトル!」 合計パワー10000


 よし、このバトルラウンドは貰った!

 問題は次だ……。


「君は、確かに強いね……」


「ありがとうございます!」


「でも……それは子供たちの中ではの話。 やっぱり君は、儀式に関わるべきではない」


 彼女の手の甲がカードに共鳴して輝き始めた。

 切り札が、来る……!


「お願い、【天魔テンマ美鬼ビキ鈴鹿スズカ】!」 パワー6500


 とっても綺麗な、女神様のようなパートナー。

 鬼神……なのか?


「バトル! スペルカードを発動し、スズカのパワーは10500!」


「俺はギアスペル! 【神器・世跨ヨマタギカガミ】を発動する! スズカのパワーを1000下げる!」


 在野ザイヤ道摩法師ドウマホウシのパワーは10000。

 スズカのパワーは【神器・世跨ノ鏡】により、9500にダウンする。


 相手はソウルコストに余裕がなくこの状況を覆せないはずだ。

 このバトル、貰った!


「私は、手札からギアスペル【七星ノ薙刀】を発動させる!」 合計パワー12000


 ソウルコストに余裕がないのに……。

 まさか、効果で!?


「気付いたようね。 スズカは地属性ギアスペルのコストを下げ、【七星ノ薙刀】を選択した場合そのコストは……0になる!」


 ……けど、この手札ならこのパワー差を覆せる!


「そして【七星ノ薙刀】により相手の効果を受け付けないの」


「なに……!?」


 既に発動した、世跨ノ鏡のパワーダウンを受け付けない……!?


「さぁ、スズカ。 無謀な少年を打ち倒して!」


 作戦変更だ!


「【空間法術・身代わり】……! これでパートナーデッキへのダメージをなくすぜ!」


 なんとか首の皮1枚繋がったみてーだ。

 【身代わり】は【術法師】が使えばパートナーはソウルコストに行かずに場に残るんだ。

 在野ザイヤ道摩法師ドウマホウシは【術法師】のカテゴリーを持つため場に残った。


 これが勝利への道筋だぜ。


「ヤマトくん。 次のターン、新たな切り札を出す気ね」


「な、なんでそれを……!?」


「確かに貴方は強い。 儀式の適正者や貴方のライバルを除けば、無敵なんじゃない?」


 確かに……俺はカゲミツやLupinusルピナスには及ばない。

 でも、この一年修行して、何回か任務だって同行した。

 俺だってやれる!


「もしかしたらって思ったけど……やっぱり貴方はまだまだね。 さっきだって私の助言なしじゃフィニッシュされていたでしょ?」


「そ、それは……!」


 何も言い返せない。

 あの状況で【天魔ノ美鬼・鈴鹿スズカ】の効果を知らなかった俺は、本来なら真っ向勝負をして負けていた。

 リリムさんがパワーダウンを受け付けない事を教えてくれたから、まだ俺は戦えているんだ。


「でも、俺は……学園主席に勝った! 俺だってその時より強くなってる!」


「そう。 確かに君はあの時よりも強くなった。 けれど、一年前のヨシュアが本気なら、今の君でさえも。 私さえも完膚なきまでに叩きのめされているはず」


「て、手加減していたのか……」


「だから、貴方は本当に可愛いくて。 あの子も君を放っておけないのね」


 ……。


「どうにもできない壁を前に、怖気づいちゃった?」


「違いますよ。 俺は嬉しいんだ!」


「嬉しい?」


「まだまだ俺は強くなれる。 その道はきっと険しいけど、俺の見たことのないレヴルナの魅力がまだまだ詰まってるんだ!」



――――――



 顔を上げた少年の表情は希望に満ち、手の甲の紋章に輝きが灯っていく。

 その光景を目にして、彼を試そうとしていた少女は自らの頬へと一筋の光が零れ行くのを感じていた。


(良かった……。 あの子は、もう一人じゃないのね)


「どんなに強い敵が現れたって……俺はカゲミツを一人にしねぇし、一緒にユリネさんだって見つけてやる!!」


(ヤマトくん。 ありがとう……)



――――――



「ヤマト!!!」


 久しく聞く覇気の籠る漢らしい声が後方から聞こえてきた!

 胸の中へ嬉しさが込み上げてくるのを感じる。


「モモちゃん!!」


 声のする後ろへと振り向けば、林を抜けてこちらへ走ってくるモモちゃんやサクヤ達の姿があった。

 朱鳥ノ宮に行けば、中学生になったモモちゃんに久しぶりに会えるのを楽しみにしていたけど……。

 全くおかしなタイミングだぜ!


「サクヤちゃんにもよろしく。 ヤマトくん」


「へ?」


「勝負はお預け! また会えるのを楽しみにしてるね!」


 リリムさんの声に反応して、正面へ向き直ると……彼女は消えていた。

 校舎の広場に彼女の最後の言葉が木霊して、俺は呆気にとられるしかなかった。


 ショップの面の男といい、なんか最近こんなんばっかだぜ。

 でも、リリムさんとのソウルゲームは……なんだか久しぶりに楽しかったな。

 儀式の日から硬くなっていた心が、彼女とのゲームのおかげでほぐれたような氣がする。


「あの女子オナゴ、言葉通りヤマトを試していたな。 勝てたか……?」


「分からねぇ……たぶん負けてた……」


 ハクの言葉に、心からの言葉が溢れ出ていた。

 あの人は強い。


 最後に俺が切り札を出しても、あの人にはまだ新たな切り札を出す選択肢が残っていた。

 ファーストパートナーの【猿女サルメ姫巫女ヒメミコ】。


 ゲーム中に1度限り発動可能な効果を持つ強力な鬼神デッキのサポーター。

 フィールドの鬼神をデッキに戻し、新たな鬼神を召喚できる効果を持つ……。

 カゲミツのデッキにも入っているパートナーなんだ。



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