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ーLev・KarunaRatiー  作者: ☆ごりらカーニバル☆
Deck 02. 4章‼ ~新たな始まり、修羅を行く孤児……!~
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Rati 35. 黄泉還る皇子



「良かった……ヤマト……」


 カゲミツ……。


 目覚めたばかりの俺の前に顔を出したカゲミツは、じーちゃんと同じ表情をしていた。

 心配かけたみたいだな。



――――――


Rati 35. 黄泉還る皇子


――――――



「ヤマト……ごめんなさい……」


「は?」


「僕がもっとちゃんと君を見ておけば……あの日に君達の誘いに乗っていれば……」


 あの日って、肝試しに行ってサクヤが攫われた日の事か?

 そして俺はサクヤを守るため、同じ日に儀式に……。


 俺は少なくとも1日以上眠っていたのか?


 色んな思考が頭の中を巡って何から聞けばいいか分からなくなる。

 けど、まずは目を開いて一番言いたかったことをカゲミツに言おう。


「カゲミツ……サンキュー。 俺が倒れて、助けてくれたんだろ? お前がいなかったら、きっと死んでたぜ……」


 俺もサクヤも……あのままろくに動けず再び攫われていたかもしれない。

 生きて帰れたのはきっとカゲミツのおかげだ。


「僕は……大したことは……」


 いつものハッキリした物言いとは違い、口をどもらせるカゲミツを見かねたんだろうか。

 じーちゃんが一呼吸おいて口を開き始めた。


「ヤマト、倒れたお前にカゲミツくんは応急処置をし救護班が来るまで守ってくれていたんじゃ。 お前が心配でこの3日間、ウチに泊っていたんじゃぞ」


「俺、3日も……。 心配かけたみてーだな」


「ホントだよ。 バカ」


 ……俺が差し出した手をカゲミツは握り返してくれた。

 今、初めて本当の意味でカゲミツと心を通わせることができた。

 そんな感覚が胸の中を駆け巡っている。


 なんか嬉しいな……。

 少し、てれくせーけどさ。


「さて、ヤマト……」


「じーちゃん……俺……」


 勝手にいなくなって、通報もせずにサクヤを探しに行って……。

 きっと、じーちゃんは儀式の事も知ってる。

 そーとー心配かけたろーな。


「この、ばかたれ!!! 一人であんな危険な場所に乗り込むな!!」


「いでっ!」


 じーちゃんはいつものようにゲンコツをぶつけてきた。

 だけど、その拳はいつものような罰としての痛さはなく、しゃがれた声からもじーちゃんの胸の痛みが俺にも伝わってきた。


「ヤマト。 よく……戻ってきたな」


「はは! じーちゃんが泣いてる!」


「男が涙するべき時は一つ! 一つは感謝をする時! 一つは孫が無事だった時じゃ!」


「それって二つだし!」


 じーちゃんがこんな顔するのは初めて見る。

 厳しさのあまり、いつもは俺の事を疎ましく思ってるんじゃないかと思う時もあるけど……。

 こんな心配してくれていたんだ。


「ヤマトー!」


「おわ、サクヤ! 寝てたんじゃないのか?」


「それはこっちのセリフ! バカ!!」


 大きな足音を響かせて、サクヤは居間から特急で俺にとびついてきた。

 ったく、皆無事で何よりじゃねーか。


 たったいま俺の心も腹の底から安堵したのか、なんか泣けてきたぜ……!




 そして、目覚めてから1日たった……。

 夜も更け、月明かりが眩くなる頃。


 俺は、サクヤ、カゲミツと共に道場でじーちゃんと向かい合っていた。


「それで、今回の件……いったいなんだってんだよ」


「……」


「儀式って何なんだ? カゲミツは何者なんだ? なんでサクヤは攫われたんだ?」


「もう隠し通せはしないか。 今までお前をこの世界から遠ざけてきたが、運命(さだめ)はお前を逃がさないようじゃな」


「俺の、運命(さだめ)……?」


 ……。


「では、説明しようかのう。 今回の事件は何が目的だったのか、そしてお前たちが遊ぶカードゲームに隠された秘密」

 

 じーちゃんは一呼吸おいて、目を見開いた。

 その力強い瞳は、まるで引き返せない扉のように鋭い眼光を放っている。


「Lev(レーヴ)・KarunaRati(カルナラティ)という儀式について……」


 今まで、俺達が知らなかったレヴルナに隠された目的。

 そしてカゲミツが関わってきたであろう秘密……。


 これを知れば、俺はもう引き返すことはできない。

 じーちゃんの瞳の奥に宿る問いかけが、俺の胸を貫いていく感覚がした。


 だけど、俺はもう引かない。

 逃れられない運命なら、立ち向かってやる。


「……ではまず、今回の事件から話すとするか」


「子供たちの間で流行った賭けルール、そしてRenatus(レナトゥス)と名乗るカードギャングは、今回の儀式の件に繋がっていたんじゃ」



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