Rati 02. 学内リーグ戦。 そして謎の少年……!
Rati 02. 学内リーグ戦。 そして謎の少年……!
「セッション……ゴー!」
レヴルナのバトル。
ソウルゲームが審判の合図と共に始まった。
ルールは簡単だ。
このゲームは、ソウルパートナーというモンスターを出し、お互いに魂をぶつけ合う。
ただそれだけ。
「ファーストラウンド!」
ファーストラウンド、いわば戦うための魂を召喚するラウンド。
俺とモナカは、パートナーデッキから同時にファーストパートナーを召喚させなければならない。
ファーストパートナーはコストを持つが、それを支払わず一番最初に出す事ができるモンスターだ。
俺が出すのは……。
「召喚! 伝令走狐・疾風」
「放浪ノ8級魔導士を召喚!」
子狐とローブに身を包んだ魔導士のカードが同時に召喚され向かい合っている。
このゲームは順番制じゃない同時進行型カードゲーム。
息つく暇がないスピード感がゲームの魅力の一つ。
「バトルラウンド!」
バトルラウンドは召喚したソウルパートナーが戦うラウンド。
ソウルパートナーが持つパワーが高い方が勝ちとなる。
「ヤマトの【疾風】は1000、【8級魔導士】は2000だ。 相性有利だけど、パワーの劣るヤマトが負けるぞ!」
そのまま戦えば疾風は負ける。
けど、このラウンドで俺達ソウルキャスターはスペルカードを駆使して呪文を発動できる。
「スペル! 疾風ノ舞」
「え!? ソウルコストがないのに呪文を……!」
何人かのギャラリーは動揺しているけど、モナカは気付いたみたいだな。
「疾風の効果はスペルコストを−1させる。 ヤマトの得意な速攻だ……!」
【疾風の舞】のコストは1。
俺はコスト0でそれを発動させたんだ。
これにより【8級魔導士】のパワーは−1000。
「疾風の勝ちだ」
そして負けたパートナー達は【ソウルコスト】へ送られる。
それに加えて勝者のパートナーの持つコスト数だけ、相手のパートナーデッキの上からソウルコストへ送られるんだ。
【ソウルコスト】とは、召喚や呪文の発動に必要なコスト。
カード1枚でソウルコストが1チャージされる。
このバトルで負けても逆転が残されているゲーム性が、やみつきになるんだ。
「1ターン目で呪文を使うなんて……やるね、ヤマト……」
「モナカの知識量は放っておくと厄介だからな。 意表をついてあどばんてーじだ!」
といっても、俺が更に強くなるためにモナカに教わった言葉だけどな。
「エンドラウンド!」
バトルが終了し、最終行程のエンドラウンドへ。
エンドラウンドは手札やソウルコストの調整を行うラウンド。
いわば次のターンへの準備だ。
これが、レヴルナのバトル。
ソウルゲームだ。
覚える事は簡単で。
ファーストラウンドで戦いの準備。
バトルラウンドでバトル。
エンドラウンドで次のターンの準備。
やることはこの3つだけだ。
その中にたくさんの駆け引きが詰まっている。
そしてバトルは続いていき……。
「モナカのパートナーが敗れたことにより、パートナーデッキが0。 ヤマトの勝利だ!」
バトルを重ね、相手のパートナーデッキを削って切らした方がソウルゲームの勝者となる。
「やっぱり勝てないや、おめでとう」
「モナカ……強かったぜ! ゴクラク様だ!」
モナカは知識人だけど、プレイスキルが弱くて皆からバカにされていた。
けど……強くなってた。
正直もっと楽に勝てると思っていたけど、リーグ戦で気を引き締めていなきゃ負けていたと思う。
「やべぇ! 皆! このままじゃ遅刻するぞ!」
友人の一人が叫ぶと、皆はいの一番に学校へ走っていく。
「おい! 待てよ!」
あいつら、後片付けしないで行きやがった……。
「しゃぁねぇなー。 遅刻したの俺だし……」
「手伝うよ」
「モナカぁ! やっぱ持つべきものは友達だよなぁ!!」
黙々と作業し道具を缶に詰めていると、一人の見慣れない少年が近くで座っていたことに気づいた。
俺達が片付けてるレヴルナのプレイシートを見て、そいつは口を開いた。
「ここで一番強いのって、誰かな?」
「もちろん俺さ!!!」
「へぇー……」
……。
「君、見慣れない顔だね。 今はリーグ戦で、学校で一番のソウルキャスターを決めてるんだよ」
「そうなんだ。 君はまともに話せそうだね。 そこの彼と違って」
「な……なんだとぉ!?」
こいつ、いきなりなんなんだ!
「いいんだよ! 最終的に俺が一番になるんだから! 俺が一番強いってことに変わらないだろ!」
「戦い、見ていたよ。 もし君が一番なら……ここら辺は大したレベルではないんだね」
「だったら、どっちが強いかハッキリさせようぜ」
……なんだ、こいつの目。
まるで……俺なんか……。
「悪いけど相手にならないよ。 時間もないから、僕は行くね」
「行っちゃったね、ヤマト」
……なんだあいつ。
「……」
「ヤマト?」
「なんなんだあいつはぁ!!!」
……そんなこんなで、俺たちはその後、走って学校へ向かっていた。
あいつの目……どこか悲しそうで……それに……。
俺なんか……。
とにかく、思い出したらむかむかする!
いきなりきてなぜあんな事を言われにゃぁならんのだ!!!
マコトにイカンだ!!
「おう。 ヤマト、遅かったな」
「お前ら! ずるいぞ!」
大急ぎで足を運んで教室に到着すれば、幸い先生はまだ来ていなかった。
運が良かったか……。
「ヤマト。 またカードゲームで遅刻?」
「んな目くじら立てんなって、じーちゃんには言うなよな」
「私が言わなくてもバレてると思うけどね……」
席が隣の、そして幼馴染の和月 咲夜。
サクヤは幼い頃からじーちゃんの道場に通う幼馴染だ。
といっても、最近はレヴルナばっかやってるから教室以外であまり顔を合わせてないんだけど。
とにかく遅刻しすぎるとじーちゃんに連絡がいくだろうからな。
罰ゲームという名のお仕置きを受ける事になっちまう。
ともあれ今日は先生が来てなくて助かった。
「おい先生来たぞ!」
水を飲み一息ついてると先生がやってきた。
先生は長いスカートを揺らめかせ教室へと入り、いつものように優しい声で俺達へ呼びかける。
「皆さん、おはようございます。 休み明けですが、今週も頑張りましょうね!」
この声聞いてると眠くなってくるんだよなぁ。
「さて、皆さんにサプライズがありまぁす。 なんと……」
……。
「なんと転校生がやってきましたぁ!」
「転校生!?」「男!?」「女!?」
「あわわ。 落ち着いてくださ~い。 転校生の子も緊張しちゃいますからぁ!」
……転校生ねぇ。
「さ、入ってきてくださ~い」
先生が開けた扉の向こうから、転校生が……。
「あ! お前!!! 転校生だったのか!」
「……」
「って無視すんな!!」
「宇良々(ウララ) 景光です。 皆、よろしくね」
・「伝令走狐・疾風」 コスト1(ファーストパートナー) タイプ:地
パワー1000
このカードが場に出ている間スペルカードのコストが1減る。




