Rati 01. Lev・KarunaRati
ソウルパートナーが……特殊なフィールドから出現した!
「……」
目に見えるほどの嵐の中から、巨大な龍が瞳を光らせて姿を現した。
すげー……!
これがモンスターをホログラムで現実へと映し出す、パネルフィールド!
そして、初代王者・スペシャルTのパートナー……荒魂の龍王!
「名も無き龍を迎え撃て、セイクリッドナイト」
神なる龍王にも屈しない聖騎士が、剣を構えた。
まるで、伝説の戦いのような一騎打ち。
「……」
両者のソウルパートナーがぶつかりあって、会場の熱気は歓声と同時にどんどん上がっていく。
熱い戦い、巧妙な駆け引き、そして……それを楽しむ俺たち観客。
この会場で、レヴルナで心を一つにして俺たちは皆楽しんでる。
俺も、いつかそんな……。
――――――
Rati 01. Lev・KarunaRati
――――――
(起きろ……ヤマト……【天村 大和】……!)
「俺もぉ……そんな、ソウルキャスタ~……」
「バッカモォーン!!! いつまで寝ておるんじゃ!」
「どわぁ!?」
いってぇ。
じーちゃんの怒鳴り声のせいでベッドから地面に叩きつけられた!
「じーちゃん! 耳元で叫ぶなよ!」
「今日は道場生の朝稽古があると伝えたろう。 文句があるなら早く起きればいい話じゃ」
「だからって、起こし方っつーもんがあるでしょうよ!」
「カーーーツ!!! はよ準備せんかい!!!」
「は、はいぃ!」
目覚ましの激励が家中に響き、頭の重さと共に眠気も吹っ飛んだようだ。
朝の支度を済ませて……っと。
かーちゃんやご先祖様。
守り神様へのお供え完了!
「ハク、まだ食べちゃだめだからな!」
お供え物へと鼻を近づける白い狐。
こいつは俺の家が代々守り人をしている神社に住みついた俺の友達だ。
じーちゃんからご飯は貰ったはずなのに。
相変わらず腹の虫ってやつが鳴っているようだ。
食いしん坊だなぁ。
ハクは、俺が一人の時にいつも一緒に遊んでくれて……俺が赤ん坊のころから神社にいるらしい。
このとおり家にも勝手に入ってくる。
だから、俺たちの家族みたいなもんだ。
「そうだ、ハク。 怪我はしてないか?」
じーちゃんに怒鳴られて転げ落ちた時、ハクも一緒に落ちてたんだよな。
よし、ハクはへっちゃらだな。
抱き上げたハクを降ろすと、一目散に外へと駆け出した。
いつもの神社の定位置に戻ったのかな。
「さて……」
じーちゃんは先に神社の道場へ行ったか。
今がチャンスだ!
おっと、これをちゃんと持ってかないとな!
机の上のカードの束を鞄に入れて、忘れ物は無し。
さーて、行くか!
「コラァーーー!!! どこへ行く! ヤマト!!」
「じーちゃんごめんな! 今日は約束があんだよ!」
そう、今日は大事な用時があるんだ。
「ちょっとヤマト!」
「サクヤも学校でなー!」
(……)
鳥居の前に在る石段のスペースへ目をやると、ハクが俺を見つめていた。
そこがハクの定位置だ。
毎朝学校へ行く俺を見送ってくれてるんだ。
今日はいつもと出発のタイミングが違うのに、良く分かったな。
「ハク、行ってきます!」
「コーン」
……そう、大事な約束。
今朝も夢で見た、世界で大流行しているカードゲーム……。
その名も、Lev・KarunaRati。
略してレヴルナ。
レヴルナのプレイヤーをソウルキャスターと呼び……。
今日は俺たちの学校で、そのソウルキャスターの学内ナンバー1を決めるリーグ戦があるんだ。
学校が始まる前に朝早くから皆で集まり、その試合を消化していこうという事になってるんだけど……。
昨日の全国大会エキシビションマッチの放送を見ていたら、見事に寝坊しちまったんだよな。
息を切らし学校近くの公園へ辿り着けば、皆は既にレヴルナを楽しんでいた。
全国大会のようなホログラムを映すための大掛かりなフィールドはなく、シートの上でカードを並べて遊んでいるだけ。
でも、俺たちはそれを心から楽しんでいるんだ。
「皆! やってるか!?」
「ヤマト!」「寝坊すると思ってたぜ」「ヤマトー待ってたぞ!」
「へへへ、皆さんすいやせんね……」
同じ学校の友人や後輩、先輩。
皆は俺が寝坊すると思っていたらしく、対戦順をなるべく後ろにずらしてくれていた。
た、助かった。
下手したら不戦敗になるかと思ったぜ。
「待ってたよ、ヤマト」
「待たせてごめんな、始めようぜ!」
対戦相手は、クラスメイトのモナカ。
丸いメガネがトレードマークのモナカは、知識人で俺たちの中でも頭が良くて頼りになるんだ。
「ヤマト、真剣勝負だ」
「おう、手加減しないぜ!」
……審判が、俺たちのスペルデッキをシャッフルし指定の位置にセット。
ソウルパートナーのみで構築された、召喚専用のパートナーデッキ。
呪文を扱うため、スペルカードのみで構築されたスペルデッキ。
スペルデッキからお互いに4枚ドロー。
そして、審判の合図でゲームがスタートする。
ゲームが始まるこの瞬間は、魂の鼓動が止まらない!
「セッション……ゴー!」




